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'''語彙数'''は、人工言語の規模や完成度の目安となる指標のひとつである。 ==確認方法== *[[PDIC]]を使っている場合、「File」→「辞書設定<詳細>」から辞書登録単語数を確認できる。 *MS-Word の様な文書制作ツールを使って、辞書を作っている場合は語彙数を直接確認する機能はもちろんないが、【名詞】や【動詞】のように品詞名を括っている括弧ごと検索して検索結果の件数を見るという方法がある。 *MS-Excel や MS-Access の様なデータベースを用いている場合は該当する列の要素数を調べる事で求められる場合がある。 ==特長== *具体的な数値により評価可能な指標である。 *自分の言語の成長を「可視化」できるため、モチベーションにつながるかもしれない。 ==問題点== 語彙数を完成度の指標として使うには、以下のような点に留意する。特に、人工言語同士の完成度を比較しようとするときには注意が必要である。極端な例だが[[トキポナ]]は120語で『完成』である。 *'''語義の広さの違いによる影響''' :1単語あたりの語義が狭い言語のほうが、語彙数が膨らみやすい。例えば「広い」を造語するとき、「面積として広い」「容積として広い」「幅として広い」をそれぞれ別々の形容詞で表すようにすると、その分、語彙数が膨らみやすくなる。 *'''文法的な性質の違いによる影響''' :同じ語形を異なる[[品詞]]に転用する傾向のある言語の場合、語彙数が膨らみにくくなる。例えば名詞をそのままの形で動詞に転用できる場合「愛」と「愛する」が同じ語で表されたり、形容詞と副詞を文法的に区別しない言語の場合「速い」と「速く」が同じ語で表されることになり、その分、語彙数が膨らみにくくなる。 *'''辞書の編集方針の違い''' :生産性の高い接辞(英語であれば-erや-lyなど)や規則的な語形変化により派生した語をわざわざ辞書の見出し語として載せるのか否か、不規則動詞の変化形や人称代名詞の曲用形を見出し語として載せるか否かなども、辞書登録語彙数に影響を与える因子である。 *'''固有名詞の扱い''' :[[固有名詞]]を語彙数として認めるならば、その気になれば語彙数を水増しすることができてしまう。 *'''架空世界の文明水準の違い''' :例えば中世ヨーロッパ風の世界観の場合、「インターネット」や「自動車」を表す語が存在しなかったりして、その分、語彙数が膨らみにくくなると考えられる。逆に、近未来SF世界の場合、現代日本に存在しない概念があるかもしれない。 *'''その架空世界にしか存在しない概念の扱い''' :例えばその世界独自の魔法に関連する用語や、その世界独自の文化に関する語、その世界独自の料理を表す語など。 *'''語彙の偏り''' :語彙数が充分に多かったとしても、それが特定分野の専門用語に偏っていたりして、他の分野の用語や日常会話レベルの単語が充分ではないかもしれない。 ==関連項目== *[[TP(単位)]]
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