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「ソルレソル」の版間の差分

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ソルレソルは、ジャン・フランソワ・シュドルによって1817年に創案された人工言語である。音の高低によって単語を表現することから、「音楽語」と呼ばれることがある。1977年の映画「未知との遭遇」で異星人の言語として使われた。
ソルレソルは、ジャン・フランソワ・シュドルによって1817年に創案された人工言語である。音の高低によって単語を表現することから、「音楽語」と呼ばれることがある。1977年の映画「未知との遭遇」で異星人の言語として使われた。


== 文法事項 ==
== 文法 ==


=== 表記方法 ===
=== 表記方法 ===
文字は原則、ラテン文字を使う。代替表記法として、五線譜に類似した表記法、色や数字による置き換え、独自の速記文字、指に触れる位置などで伝達する方法が提案されているが、ここでは原則のラテン文字による表記を使用する。
文字は原則、ラテン文字を使う。代替表記法として、五線譜に類似した表記法、色や数字による置き換え、独自の速記文字、指に触れる位置などで伝達する方法が提案されている。


=== 発音 ===
=== 発音 ===
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名詞には単数・複数の区別があり、原型では単数を表し、複数形にするには語末の子音を二重(アポストロフィを後置して表記)にする。
名詞には単数・複数の区別があり、原型では単数を表し、複数形にするには語末の子音を二重(アポストロフィを後置して表記)にする。
=== 冠詞 ===
定冠詞 la があり、名詞の前に置かれる。冠詞は名詞と同様に性・数による変化をする。変化形は前述の名詞と同様である。また、冠詞を使った場合は、後続の名詞は性・数による変化はさせなくてよい。
=== 格 ===
格変化は無いが、必要に応じて前置詞を使うことで与格や属格を表す。
=== 形容詞 ===
形容詞は名詞の後ろに置かれる。
=== 動詞 ===
動詞には接辞が付いて時制や法、分詞などを表す。
=== 語順 ===
基本はSVO語順であるが、疑問文を作る際に動詞が文頭に出る倒置が起きる。
== 語彙 ==
下記のような特徴がみられる。
* 使用頻度の高い語から短い語形が割り当てられている。特に2音節以下の語は機能語が中心に割り当てられている。
* 繰り返し(dodoなどの並び)が語の中に含まれるかどうかで語彙が分類されている。
* 4音節以上の語は、最初の1音節目が単語のカテゴリーを示している。


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==

2024年4月20日 (土) 12:31時点における版

ソルレソル
solresol
制作者
Jean-François Sudre
世界観
世界観
言語コード
CLA v3
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ソルレソルは、ジャン・フランソワ・シュドルによって1817年に創案された人工言語である。音の高低によって単語を表現することから、「音楽語」と呼ばれることがある。1977年の映画「未知との遭遇」で異星人の言語として使われた。

文法

表記方法

文字は原則、ラテン文字を使う。代替表記法として、五線譜に類似した表記法、色や数字による置き換え、独自の速記文字、指に触れる位置などで伝達する方法が提案されている。

発音

ソルレソルにおいては、下記の7つの音節が使われる。また、母音を省略した略記法もしばしば使用される。

音節 省略記号
do d
re r
mi m
fa f
sol so
la l
si s

その他の発音とその表記方法としては下記がある。

  • 母音字の後ろに "¯"(上付きのバー)を置くことで、長母音を表す。略記法を用いているときは、子音字にそのまま後置する。
  • 子音字の後ろに " ' "(アポストロフィ)を置くことで、直前の子音が二重になっていることを表す。略記法を用いているときは、子音字にそのまま後置する。

名詞

名詞には基本的に中性であるが、人間や動物など自然な性別を持つものについては、その性に従う。男性形が基本で、単語を女性形にするには、単語の語末を長母音( "¯" を後置して表記)にする。

名詞には単数・複数の区別があり、原型では単数を表し、複数形にするには語末の子音を二重(アポストロフィを後置して表記)にする。

冠詞

定冠詞 la があり、名詞の前に置かれる。冠詞は名詞と同様に性・数による変化をする。変化形は前述の名詞と同様である。また、冠詞を使った場合は、後続の名詞は性・数による変化はさせなくてよい。

格変化は無いが、必要に応じて前置詞を使うことで与格や属格を表す。

形容詞

形容詞は名詞の後ろに置かれる。

動詞

動詞には接辞が付いて時制や法、分詞などを表す。

語順

基本はSVO語順であるが、疑問文を作る際に動詞が文頭に出る倒置が起きる。

語彙

下記のような特徴がみられる。

  • 使用頻度の高い語から短い語形が割り当てられている。特に2音節以下の語は機能語が中心に割り当てられている。
  • 繰り返し(dodoなどの並び)が語の中に含まれるかどうかで語彙が分類されている。
  • 4音節以上の語は、最初の1音節目が単語のカテゴリーを示している。

参考文献

  • フランソワ・シュドル、ボレスラス・ガイェフスキー著、宮田佳範訳『音楽言語――ソルレソル』京緑社、2019年。ISBN 978-4-909-72709-1
  • 速習 ソルレソル講座