品詞
品詞とは、単語を文法的な性質に基づいて分類したものである。
単語の多くはひとつの品詞に属するが、単語によっては複数の品詞に属している場合もある。例えば、言語によっては同一の単語がそのまま名詞としても動詞としても使われたり[1]、形容詞としても副詞としても使われたりする[2]。
言語によって文法が違うので、当然のことながら、使われる品詞名も言語によって異なる場合がある。特に人工言語に於いては、既存の自然言語の文法書で使われないような独自の品詞名が作り出されることがある。
典型的な品詞
内容語
以下のものは内容語と呼ばれ、具体的な意味を持つ。
以上の4つは多くの言語に見られる品詞であるが、言語によっては形容詞と副詞の文法上の区別が希薄な言語もある。また、叙述用法で使われる形容詞が文法的に動詞と同じ、もしくは動詞に準じる振る舞いをする言語もある。
機能語
以下のものは機能語と呼ばれ、具体的な意味を表すのではなく、文法的な役割を担う。機能語に関しては、どのような品詞が使われるのかに関して言語ごとに差がある。
前置詞と後置詞をまとめて接置詞という。多くの言語は前置詞と後置詞のいずれか一方のみを用いるが、両方とも用いる言語もある。
上記に該当しない品詞
その他
多くの言語の文法に於いて厳密には品詞とは言えないが、以下のようなものが品詞に準ずるものとして便宜的によく用いられる。
- 指示詞(指示代名詞、指示形容詞などの総称)
- 数詞(言語によって名詞扱いだったり形容詞扱いだったりする)
- 疑問詞(疑問代名詞、疑問形容詞、疑問副詞などの総称)
品詞と語形の関係
言語によっては、品詞ごとに語尾が決まっているものもある。
エスペラントでは名詞は-o、動詞(不定形)は-i、形容詞は-a、副詞は-eで終わる。これらの語尾を付け替えることにより規則的に他品詞への派生や転換が可能である。ただし機能語、基数詞、元来副詞に関しては特に決まった語尾はない。
自然言語に於いても、動詞が活用する言語では、動詞が特定の語尾を持った形(多くの印欧語では不定形)が辞書の見出し語となっていることが多い。名詞の語形は自由である言語が多いが、格変化の必要性のために名詞の語尾の形が制限されている言語もある。