執筆ガイドライン
ここでは、記事を執筆される方へのガイドラインを示します。
どのように書くか
記事を作成するつもりなら、とにかくシンプルに書いてみてください。その上で執筆に行き詰まったり、いまいちパッとしない気がする場合や、書きたいことを書き終わったと思った場合には、以下の方針を参考にしながらあなたの記事を何度も読み返してみてください。一時的に保存したい場合は、その旨を要約に書いてください。
既存の記事を編集する場合には、記事の読みやすさを維持するためにこの方針に従ってください。
- 記事のタイトルはできるだけ一般的に認められている名前にしてください。既に知れ渡った名前の存在している概念に独自の名前を付けることは、いたずらに混乱を招きかねません。基本的にWikipediaにあるものと同じ記事名にしてください。
- 常体で書いてください。Wikiの全体的な運営に関わる記事(例えばこのガイドライン)が敬体なのは、運営者として書いているからです。執筆者の立場を限定すべきでない一般の記事では、常体を使った方が適切です。
- 中立的な観点から記述してください。特定の主義や流派、立場を攻撃したり、Wikiの利用者が迷惑する記述をすることは避けてください。また逆に、特定の立場へと読者を誘導するような記述も避けるべきです。無用な争いを避けるため、何らかの考えを「良い。」「悪い。」と断言しないよう留意し、「一考に値する。」などの表現に置き換えられないか検討してください。置き換えられない場合、それはおそらく書くべきではないことです。
- 一人称的記述を避けてください。一般の記事は、「(私は)どこで何々をどうした。」ではなく、「〇〇はどこで何々をこうした。」「何々とは〇〇によってこうされたものである。」というふうに記述する場です。読者にとって、あなたと執筆者とは別の存在です。あなたが執筆者であることを推測しながら読む必要のある記述は、そのことを知らない読者を排除します。例えば「(私は)何々と考えてほしい。」「(私は)何々ということを期待する。」のような表明は、代わりに「何々と考えるべきである。」「何々ということが期待されている。」という叙述に変えるべきです。しかし「これを何々と定義する。」「これを何々と記述する。」などはそのままで構いません。なぜならこれらは、あなたと無関係の議論であり、隣接する記述の意味を明確にするだけのものであるからです。
- 記事や見出し、段落などの論理構造を適切に使ってください。あるトピックについての説明が、関連トピックの記事や見出しの下に置かれているような事態は不条理です。それらは本来の場に書いて、関連トピックから誘導してください(リンクや「前述」「後述」などによって)。また、あまりに書くべきことが少ないトピックは他のトピックと統合できないか確認してください。ほとんどの場合「特徴」「性質」「概要」「解説」「意味」といった見出しは無意味であり、単なる段落であるべきです。それらは上の階層に開いてください。
- 冗長な記述は避けてください。記事の保守性を著しく損なうため、記述をコピーしたりせず、また見つけた場合はどちらかを削除できるように記事の流れを再構成してください。「読者には考えが及ばないかもしれない関連性」や「読者には無関係と考えられてしまっているかもしれない関連性」といった特筆的な説明は推奨されますが、それ以外で、似たような表現が近い場所に何度も出現している場合は、読者を混乱させない限りで代名詞に置き換えるか、削除してください。「何々概念とはこういう概念である。」よりも「何々概念とはこういうものである。」の方が好ましいです。「一つだけではない」「複数ある」「二つ以上ある」というような記述はどれか一つを残せば充分です。
- 当たり前のことを書く必要はありません。例えば、ある言語Lの記事おいて、「言語LにはP詞という独自の品詞がある。」と一度述べたのに、「言語LにおいてP詞とはこういうものである。」と書くべきではありません。なぜなら、この文脈では「言語Lにおいて」ということは当たり前であり、あえてそう書くのは、「他の言語にもP詞という概念があるのではないか」「他の言語ではその意味が異なるのではないか」などと、記事内の他の記述と矛盾する推論を読者に強いることになるからです。しかし、当たり前でないことを書くことによって、それまで当たり前だった考え方が脅かされうるのであれば、躊躇わずに言及してください、「一般的にはどうであるが、このトピックに関して言えばこうである。」。すなわちP詞の例で言えば「P詞はどうであると上述したが、Q詞句においてはこのようにやや振舞いが異なる。」などのように。
- 厳密に記述してください。別の概念を指す表現は区別してください。読者は基本的に、同じ表現ならば同じものを指していると考えます。紛らわしい表現は避け、その単語が何を意味しているのかを別の言葉で明らかにしてください。ただし厳密たろうとするあまり、読者にとってあまりに難解な、馴染みのない表現で埋め尽くされていないか常に確認し、それらの一部は平易な言葉に置き換えてください。たまには惹句を挿んで読者の興味を維持するのも良いでしょう。
- 術語の選択は基本的に既存の慣習に従ってください。記事のタイトルと同じ理由です。自信がない場合には注釈を入れることを躊躇わないでください。すなわち括弧などで意味を限定しておけば、もし術語が不適切でも、慣習に親しみのある人が直してくれます。GoogleやWikipedia、そしてもちろん人工言語学Wikiはあなたの友達です。
- 考察や研究の成果を示す場合には、必ずその意義を明記してください。結論だけを羅列するのは、端的に言って不親切です。まず読者は基本的にあなたの書く記事の内容に何の意義も感じていないと考えながら書くべきです。あなたの伝えたい考えを読者が導入するきっかけを与えるようにしてください。
- 矛盾する記述をしていないか常に確認してください。もしそれが意味のある、もしくは見かけ上の矛盾なのであれば、それについてより詳しい説明を追加するべきです。一貫性のない論理は読者を混乱させます。
- 出典や外部情報があればリンクしてください。これは読者がそのトピックについてより深く知ることができるようにするためです。たとえその外部媒体の永続性が確保できない場合でも、無いよりはましです。