語義の詳細性
語義の詳細性 (SD : "Semantic Detailedness") とは辞書に記載されている語の質を評価する指標の一つとしてカルノスアクアによって考案された。
辞書の質を測る指標に、文字数で質を測る辞書の濃さがあるが、適当な文字列で構成した単語の文字数を加えても良かったり、追記しない添削や推敲によって文字数が減ると相対的に値が減り、直感に反する問題があった。
語義の詳細性では、それらの問題を解決するために語句の説明を見出しと内容で構成された項目毎に分けてから説明を数えて測る指標である。ちなみに、見出しは項目名や種類名、内容は説明文や列挙した要素の事である。そして、数える説明は要素を説明しきった段階のモノだけである。
方法
基本
項目数を示す単位として [ "sd" : semantic details ] を使い、基本的に一つの文に付き 1 sd と数えるが、内容をさらに分解して説明できそうであればそれぞれを 1 sd づつ数える。一方で内容が同じ場合は見出しを超えて 1 sd と数えられる。
例えば、辞書内で「米」という語句の説明が
見出し | 内容 |
---|---|
種類 | イネ科イネ属の植物。果実、特に種子を食用とする。 |
用途 |
炊く事によって米飯として食べられる。 また炒め料理として「チキンライス」や「チャーハン」などがある。 もち米であれば搗くことで「餅」として食べられる場合もある。 |
品種 | コシヒカリ・ヒノヒカリ・キヌヒカリ・ゆめぴりか・元気つくし・あきたこまち などがある。 |
類似品 | 同じイネ科の麦は小麦と大麦に分けられ、小麦はバンなどの捏ねたもの、大麦は米と同じように食べられる。 |
であれば、それぞれを
- 種類 : 2 sd
- 用途 : 3 sd
- 品種 : 1 sd
- 類似品 : 2 sd
と数える。
応用
sd は百科事典では語句の知識の詳しさを、国語辞典や多言語辞典では語義や語法の詳しさを測ることができる。合計値を種類ごとに分けた時に値が大きかった要素は最も盛んに説明されている要素であることを指す。