時雨語

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概要

 時雨語(しぐれご)とは時雨薫により単独で(2017年8月現在)創作されている個人言語である。時雨薫の現実における生活環境がこの言語の基底文化である。語彙の面で大きな偏りがあるため、作者の日常の出来事以外を記述するのには向かない。漢字による略称は時語(じご)。ラテン文字による表記はShigure。

特徴

繋辞の種類が豊富である。また、多くの自然言語において他動詞文に相当するものが特殊な繋辞と名詞の組み合わせで表現される。

音韻

母音を8種、子音を15種、声調を4種有する。

左に音素を、右に音声をIPAで表記する。それぞれ日本語話者の理解を容易ならしめるための解説を付した。音素の表記には英字キーボードで入力可能な文字および記号を選んだ。

子音

p [pʰ] 息をもらして発音するパ行である。

b [p], [b] 息をもらさず発音するパ行である。バ行も許容される。

k [kʰ] 息をもらして発音するカ行である。

g [k], [g] 息をもらさず発音するカ行である。ガ行も許容される。

t [tʰ] 息をもらして発音するタ行である。ただし ti はティ、tu はトゥの如く発音される。

d [t], [d] 息をもらさず発音するタ行である。ダ行も許容される。ただし di はディ、 du はデュの如く発音される。

c [ts⁀ʰ] 息をもらして発音するツァ行である。

z [ts⁀], [dz⁀] 息をもらさず発音するツァ行である。舌先を上の歯茎につけて発音するザ行も許容される。

n [n] 舌先を上の歯茎につけて発音するナ行である。

s [s] サ行である。ただし si はスィの如く発音される。

h [h] ハ行である。

m [m] マ行である。

r [ɾ], [ɹ] ラ行である。英語に見られる舌先をどこにもつけずに発音するラ行も許容される。

r^ [r], [ʃ] 巻き舌のラ行である。それの発音が困難ならばシャ行も許容されるが、正統ではない。

l [l] 英語の l の音である。人によっては「安楽」のラの音に現れる。

母音

a [ä] 日本語の あ と同じである。

e [e̞] 日本語の え と同じである。

i [i] 日本語の い と同じである。

o [o̜] 日本語の お と同じである。

u [u̜] 日本語の う と同じである。

aː [äː] 日本語の あー と同じである。

iː [iː] 日本語の いー と同じである。

uː [u̜̟ː] 日本語の うー と同じである。

声調

単語ごとに声調が付く。接頭辞や接尾辞が付いた場合にも声調は元の形が維持される。繋辞は表記上は内容詞と結合しているが、あくまで繋辞が独自に持つ声調で発音される。表記上は通常省略されるが、特に必要な場合には単語の末尾にそれぞれの声調に対応するアラビア数字を置いて表す。

第一声(アラビア数字:1)

第一音節から最終音節まで高めの声で平坦に発音する。

第二声(アラビア数字:2)

第一音節を高めの声で発音し、それ以降を低めの声で発音する。

第三声(アラビア数字:3)

第一音節を低めの声で発音し、それ以降を高めの声で発音する。

第四声(アラビア数字:(無表記))

一音節の繋辞にのみ見られる。第一声の後では、短めに低く発音する。第二声の後では、短めに高く発音する。第三声の後では、短めに低く発音する。

音節構造

(C)V(n/m)

繋辞でない一音節の単語は母音が必ず長母音である。

品詞

時雨語の品詞は三種類ある。

内容詞

物や状態、動作などの名前を表す。

単方向繋辞

前にある複数の内容詞の関係を表す。de, ne, se など。

双方向繋辞

前と後ろにある複数の内容詞の関係を表す。 re など。

文型

よく現れる文型は以下のとおりである。

第一文型

内容詞 内容詞 単方向繋辞

繋辞の前にある複数の内容詞の関係を表す。代表的な単方向繋辞の意味は以下のとおりである。

de

前の内容詞が後ろの内容詞の状態に至ることを表す。

ex) Anie1 honobule3=de. (私は訳が分からなくなる。)

ne

前の内容詞と後ろの内容詞との意味する物事にそれぞれ独立性を認めながら、前者と後者とが同一のものであることを表す。

ex) Gaa1 kine3=ne.(あれは本だ。)

se

後ろの内容詞の意味する物事に独立性を認めず、前の内容詞が後ろの内容詞の性質を帯びていることを表す。

ex) Tabelon3 zabari1=se.(アイスクリームが冷たい。)

nae2

後ろの内容詞が前の内容詞に所属する、或いは所有されることを表す。

ex) Anie1 kine3=nae2. (私の本だ。)

第二文型

内容詞 双方向繋辞 内容詞

双方向繋辞の前の内容詞と後ろの内容詞との関係を表す。代表的な双方向繋辞の第二文型における意味は以下のとおりである。

re

前の内容詞の根拠が後ろの内容詞であることを表す。また、前の内容詞が後ろの内容詞を判断の基準にしていることを表す。

ex) Anie1=re a=garii1. (我思う、故に我あり。)

Paaza1=re diito1. (鳥より大きい。)

第三文型

内容詞 内容詞 双方向繋辞 内容詞

双方向繋辞とその後ろの内容詞が一つの単方向繋辞と同じように働く。一つ目の内容詞から二つ目の内容詞への作用を表す。

ex) Anie1 hemeni3=re zorii1. (私は紅茶を飲む。)

以下工事中。