「人工言語」の版間の差分
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# インドネシア語、トルコ語、現代ヘブライ語のように、既に存在する自然言語を元に計画的に統合・造語・復活させ、現代化する過程が組織的に行われた言語(整備された自然言語) | # インドネシア語、トルコ語、現代ヘブライ語のように、既に存在する自然言語を元に計画的に統合・造語・復活させ、現代化する過程が組織的に行われた言語(整備された自然言語) | ||
# 記号学、記号論理学、数学に登場する論理式、オートマトンなどや、情報科学に登場する暗号、プログラミング言語などの、厳密な規則により、機械的操作で取り扱える符号([[形式言語]]、[[コンピューター言語]]) | # 記号学、記号論理学、数学に登場する論理式、オートマトンなどや、情報科学に登場する暗号、プログラミング言語などの、厳密な規則により、機械的操作で取り扱える符号([[形式言語]]、[[コンピューター言語]]) | ||
# 言語哲学の理想言語学派に登場する、哲学を記述することを試みる言語([[ | # 言語哲学の理想言語学派に登場する、哲学を記述することを試みる言語([[人工言語 (言語哲学)]]) | ||
# 海外語の組織的な翻訳造語、有機化学の命名法による物質名など規則的な造語、倫理的、政治的、組織的意図で置き換えられた語彙や単語群(特殊性を強調するための提喩) | # 海外語の組織的な翻訳造語、有機化学の命名法による物質名など規則的な造語、倫理的、政治的、組織的意図で置き換えられた語彙や単語群(特殊性を強調するための提喩) | ||
# 暗号 | # 暗号 | ||
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詳細は「[[人工言語史]]」を参照 | 詳細は「[[人工言語史]]」を参照 | ||
人工言語と暗号の境界は曖昧だが、人が言語を作ることができるという理念のもと、最初に計画的に作られたと思われる言語は、11-12世紀のドイツの女子修道院長ヒルデガルト・フォン・ビンゲンが考案したと思われる、[リングア・イグノタ](未知なる言語)である。これはラテン語に影響された屈折システムと、既存の言語に基づかない単語による言語で、神学用語が多い。1011の単語を記した単語帳が写本で残っているが、例文には単語帳にない単語も見られる。13世紀のキリスト教宣教師ルルスは、改宗のために、命題を記号的に扱える人工言語Ars Magnaを考案した。Ars Magnaラテン文字を同心円の図形に配置するという記号のような記法を用いた。 | 人工言語と暗号の境界は曖昧だが、人が言語を作ることができるという理念のもと、最初に計画的に作られたと思われる言語は、11-12世紀のドイツの女子修道院長ヒルデガルト・フォン・ビンゲンが考案したと思われる、[[リングア・イグノタ]](未知なる言語)である。これはラテン語に影響された屈折システムと、既存の言語に基づかない単語による言語で、神学用語が多い。1011の単語を記した単語帳が写本で残っているが、例文には単語帳にない単語も見られる。13世紀のキリスト教宣教師ルルスは、改宗のために、命題を記号的に扱える人工言語Ars Magnaを考案した。Ars Magnaラテン文字を同心円の図形に配置するという記号のような記法を用いた。 | ||
16, 17世紀には、普遍言語論争と呼ばれる、普遍的な文字(真性文字, 普遍文字)による誰もが理解できる記法を開発しようとする哲学上の論争が起こった。ルルスの試みや、東洋の漢字、国民語の正書法の発展に伴う翻訳コストの増大などに触発され、パスカル、ベーコン、デカルト、ライプニッツ、メルセンヌなどが普遍言語論争に関わった。フランシスロドウィッグが[[A Common Writing]]、ジョージダルガーノが[[Ars Signorum]](記号術)、ジョンウィルキンズが[[真性の文字と哲学的言語に向けての試論]]、ライプニッツが[[一般的言語]]を発表した。これらの試みには、アダムの言語に回帰しようとする宗教的動機や、百科全書的な言語を作ろうとする哲学的、啓蒙的動機があった。 | 16, 17世紀には、普遍言語論争と呼ばれる、普遍的な文字(真性文字, 普遍文字)による誰もが理解できる記法を開発しようとする哲学上の論争が起こった。ルルスの試みや、東洋の漢字、国民語の正書法の発展に伴う翻訳コストの増大などに触発され、パスカル、ベーコン、デカルト、ライプニッツ、メルセンヌなどが普遍言語論争に関わった。フランシスロドウィッグが[[A Common Writing]]、ジョージダルガーノが[[Ars Signorum]](記号術)、ジョンウィルキンズが[[真性の文字と哲学的言語に向けての試論]]、ライプニッツが[[一般的言語]]を発表した。これらの試みには、アダムの言語に回帰しようとする宗教的動機や、百科全書的な言語を作ろうとする哲学的、啓蒙的動機があった。 | ||
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[https://conlinguistics.org/conlinguistics/1589.pdf 人工言語史概説] | [https://conlinguistics.org/conlinguistics/1589.pdf 人工言語史概説] | ||
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[[Category:総論]] | [[Category:総論]] | ||