ネサルゼルデ語

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ネサルゼルデ語
Neþalzerde
発音 IPA: /neθalzerde/
制作者
Nihil (@Nihil_2000)
Se分類 芸術言語
世界観
世界観 コルサレス
言語コード
CLA v3 ~_ne_klt_nhl
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ネサルゼルデ語(ネサルゼルデご、Neþalzerde, /neθalzerde/)は、2020年10月よりNihilによって創作されている人工言語。「暗号としても使用可能なほど非常に複雑で学習難易度の高い言語」を目指して制作された言語であり、複雑な文法が大きな特徴である。漢字表記は涅薩塞底語で、涅語とも呼ばれる。

概要

ネサルゼルデ語の複雑さを象徴する3つの特徴として「音韻」「屈折語」「品詞転換」が存在する。音韻については、音素として53種類の子音と、長短合わせた32種類の母音を使い分ける必要がある。屈折語については、名詞の曲用、動詞の活用などに非常に豊富な語形変化を有し、学習を困難にさせている。名詞では

上記3つのうち最も特徴的なのが品詞転換である。これは、名詞・動詞・形容詞の3つの品詞において、単語の文章内における役割が変化した際に発生する。例えばsekoという名詞の語幹はsek-であり、これ単体では単に「部屋」という意味になる。しかし、対格「部屋を」という意味を表す際は"sjekys"となり、語幹がsjek-に変化している。更に属格「部屋の」であれば"hekusum"と、skek-に変化し、処格「部屋で」であれば"søkur"と、søk-に変化していることが分かる。対格の文中での振る舞いは目的語であり、属格は名詞の修飾語、処格は副詞節である。このようにネサルゼルデ語では、文中における語の働きに応じて、子音交替や母音交替などを伴う語幹の変化が行われる。厄介な点は、基底となる語幹の子音や母音によって、どの場合に子音交替が発生し、どの場合母音交替が発生するかがバラバラであるということである。例えば上記sekoの例では対格と属格で子音交替が、処格で母音交替が発生しているが、fāgo「船」の語幹変化はfêg-, frāg-, pfāg-のように、対格で母音交替が、処格で子音交替が発生している。

音韻

子音

両唇音 唇歯音 歯音 歯茎音 後部歯茎音 硬口蓋音 軟口蓋音 声門音
無声音 有声音 無声音 有声音 無声音 有声音 無声音 有声音 無声音 有声音 無声音 有声音 無声音 有声音
破裂音 無気音 p b t d k g '
帯気音 ph bh th dh kh gh
放出音 t' k'
破擦音 無声音 pf bv c x q xh
帯気音 phf p'f ch qh
放出音
摩擦音 wh w f v þ ð s z sh zh ç j ħ ğ h
鼻音 m n nh ng
ふるえ音 rh r
側面音 lh l

上表の太字は語幹の頭子音に立つことができる。

  • p:[p]。日本語のパ行の子音に同じ。
  • b:[b]。日本語のバ行の子音に同じ。
  • m:[m]。日本語のマ行の子音に同じ。
  • w:[β]もしくは[w]。英語のwの音や日本語のワ行の音として発音される他、半母音としても発音される。
  • y:[ɥ]もしくは[jʷ]。ほとんどは半母音として現れる。
  • f:[f]。英語のfの音に同じ。
  • v:[v]。英語のvの音に同じ。
  • þ:[θ]。英語のthの音(think, myth等)に同じ。
  • ð:[ð]。英語のthの音(this, the等)に同じ。
  • t:[t]。日本語のタ行の子音に同じ。
  • d:[d]。日本語のダ行の子音に同じ。
  • n:[n]。日本語のナ行の子音に同じ。
  • c:[t͡s]。日本語のツの子音に同じ。
  • x:[d͡z]。cの有声音。
  • s:[s]。日本語のサ行の子音に同じ。
  • z:[z]。英語のzの音に同じ。
  • q:[t͡ʃ]。日本語のチャ行・チの子音に同じ。
  • xh:[d͡ʒ]。qの有声音であり、英語のdg, jなどの音に同じ。
  • sh:[ʃ]。日本語のシャ行・シの音に同じ。
  • zh:[ʒ]。shの有声音。
  • r:[r]~[ɾ]。母音間のrは巻き舌として、子音前後のrははじき音として発音されることが多いが、どちらで発音しても問題ない。
  • l:[l]。英語のlの音に同じ。子音前のlは暗いL([ɫ])で発音されることもある。
  • nh:[ɲ]。スペイン語のñ音や、日本語のニャ行・ニの子音に同じ。
  • ç:[ç]~[j̥]。日本語のヒャ行・ヒの子音に同じ。帯気音の後の半母音としても発音される。
  • j:[ʝ]~[j]。スペイン語のyの音に同じ。半母音としても発音される。
  • k:[k]。日本語のカ行の子音に同じ。
  • g:[ɡ]。日本語のガ行の子音(語頭)に同じ。
  • ng:[ŋ]。日本語の鼻濁音(語中のガ行)に同じ。語末のngは母音の鼻音化として発音されることもある。
  • ħ:[x]~[χ]。ロシア語のхの音に同じ。
  • ğ:[ɣ]~[ʁ]。フランス語のrの音に近い。
  • ':[ʔ]。
  • h:[h]。日本語のハ行の子音に同じ。

その他の子音は下記の通り。

  • ph:[pʰ]。中国語のpの音に同じ。
  • bh:[bʰ]。日本語のバ行の子音を、息を強くして発音する。西国式ではphと区別されない。
  • p':[p']もしくは[pʔ]~[bʔ]。
  • wh:[ɸ]もしくは[ʍ]。帯気音(ph, th, ch, qh, rh, lh, kh)の後の半母音wはこの発音となる。
  • pf:[p͡f]。東国方言では語頭を除いて常に長子音で発音される。
  • bv:[b͡v]。東国方言では語頭を除いて常に長子音で発音される。
  • th:[tʰ]。中国語のtの音に同じ。
  • dh:[dʰ]。日本語のダ行の子音を、息を強くして発音する。西国式ではthと区別されない。
  • t':[t']もしくは[tʔ]~[dʔ]。
  • ch:[t͡sʰ]。cの帯気音。
  • c':[t͡s']もしくは[t͡sʔ]~[d͡zʔ]。
  • qh:[t͡ʃʰ]。qの帯気音。
  • q':[t͡ʃ']もしくは[t͡ʃʔ]~[d͡ʒʔ]。
  • rh:[r̥]~[ɾ̥]。rを息を強くして発音する。
  • lh:[l̥]。lを息を強くして発音する。
  • kh:[kʰ]。中国語のkの音に同じ。
  • gh:[ɡʰ]。日本語のダ行の子音を、息を強くして発音する。西国式ではkhと区別されない。
  • k':[']もしくは[kʔ]~[ɡʔ]。

例外発音

半母音が付くことで発音が変化する子音も存在する。

  • pw/phw:[f](fと同じ発音)
  • bw/bhw:[v](vと同じ発音)
  • cj/chj:[t͡ʃ](qと同じ発音)
  • xj:[d͡ʒ](xhと同じ発音)
  • sj:[ʃ](shと同じ発音)
  • zj:[ʒ](zhと同じ発音)

その他、以下の二重音字を持つ。

  • ts:[t͡s]
  • dz:[d͡z]
  • tl, dl:[lː]
  • bm:[mː]
  • bp:[pː]
  • dt:[tː]
  • gk:[kː]

母音

長短の区別と二重母音があり、合計32種類の母音を区別する。

前舌 後舌
非円唇 円唇 円唇
単母音 二重母音 単母音 二重母音 単母音 二重母音
-i -u -i -u -i -u
狭母音 i ī y ü u ū ui
半狭母音 e ē ei eu ø ë øy øu o ō oi ou
半広母音 æ ê æi œ ö œy å ô åi
広母音 a ā ai au

単母音は下記の通り。

  • a/ā:[a]〜[ä]。非アクセント位置の短母音は[ə](中舌中央母音)で発音されることもある。
  • æ/ê:[ɛ]。
  • e/ē:[e]。
  • i/ī:[i]〜[ɪ]。前者はアクセント位置および長母音、後者は非アクセント位置の短母音。
  • œ/ö:[œ]。
  • ø/ë:[ø]。
  • y/ü:[y]〜[ʏ]。前者はアクセント位置および長母音、後者は非アクセント位置の短母音。yは半母音[ɥ]を表す際にも用いられる。
  • å/ô:[ɔ]。
  • o/ō:[o]。
  • u/ū:[u]〜[ʊ]。前者はアクセント位置および長母音、後者は非アクセント位置の短母音。

二重母音は下記の通り。全て下降二重母音である。

  • ai:[aɪ]
  • æi:[ɛɪ]
  • ei:[eɪ]
  • œy:[œʏ]
  • øy:[øʏ]
  • oi:[ɔʏ]〜[oɪ]
  • ui:[uɪ]
  • au:[aʊ]
  • eu:[eʊ]
  • øu:[œʊ]
  • ou:[oʊ]

音節

「最長音節」「長音節」「短音節」の3種類が存在する。「短母音」「長母音」とは違う概念であることに注意されたい。母音の長さや前後の子音の数によって決定される。音節の種類は後述するアクセントの規則を決定する際に必要となる。

最長音節
母音部分が長母音もしくは二重母音であり、かつ後続する子音が二重子音である音節、もしくは、母音部分が短母音であり、かつ後続する子音が三重子音以上である音節を指す。
長音節
母音部分が長母音もしくは二重母音であり、かつ後続する子音が単子音である音節、もしくは、母音部分が短母音であり、かつ後続する子音が二重子音である音節を指す。
短音節
母音部分が短母音であり、かつ後続する子音が単子音である音節を指す。

アクセント

高低アクセントであり、基本的にはアクセントのある部分が高く発音される。また、アクセントは1単語につき原則1つであり、アクセントの違いによる単語の弁別は原則として行わない。アクセントの位置は以下の法則に従って決定される。

  1. 1音節の単語の場合、その音節にアクセントが付く。
  2. 2音節以上の場合、語末にアクセントが付くことは決してない。
  3. 短音節の接頭辞はアクセント規則から除外される。
  4. 語末以外の音節が全て短音節で構成される場合、後ろから数えて4番目の音節にアクセントが付く。3音節以外の場合は語頭にアクセントが付く。
  5. 語末以外の音節に長音節もしくは最長音節が1つ存在する場合、その位置にアクセントが付く。
  6. 語末以外の音節に長音節もしくは最長音節が2つ以上存在する場合、最も語末に近い長音節または最長音節にアクセントが付く。ただし、長母音を含む長音節もしくは最長音節が存在する場合、位置にかかわらずその音節にアクセントが付く。
  7. 語末が長母音であり、かつその直前にアクセントが来る場合、語末の長母音は下降調で発音される。
  8. 2音節以下の限定詞、および3音節以下の短母音のみで構成される限定詞にはアクセントが付かない。
  9. 接辞や品詞転換による加音は上記のアクセント規則を考える際に除外される(ただし、一部の接頭辞は例外的にアクセント法則に入ることがある)。

連声

外連声

単語が続く際に生じる音韻変化である。

  • 語末が子音で終わり、後続する単語の語頭が子音で始まる場合、両単語をつなげて発音する。この際、特に限定詞や代名詞などの場合、前の単語のアクセントが消失する場合もある。
  • 語末が無声子音で終わり、後続する単語の語頭が有声破裂音・有声破擦音・有声摩擦音で始まる場合、後続する子音は対応する無声子音で発音される。

内連声

語幹と語尾の結合の際に生じる音韻規則。

  • 基本的に子音クラスタは無声音同士、帯気音同士、有声音同士、放出音同士でしか形成されることが出来ない。異なる種類の子音が結合する場合、後方の子音に合わせて無声音、有声音などが統一される。また、以下のような例外・規則が存在する。
    • r, l, w, jの前には無声音・有声音のいずれも結合することが出来る。
    • 有声破裂音同士の子音クラスタはgdを除いて形成することが出来ない。それ以外の子音クラスタは無声化される。
  • 唇音と軟口蓋音が結合する際、以下のように変化する。
    • k/kh/g/k'/ng + p → kw
    • k/kh/g/k'/ng + ph → khw
    • k/kh/g/k'/ng + b → gw
    • k/kh/g/k'/ng + p' → k'w
    • k/kh/g/k'/ng + m → gm

その他の音韻規則

  • 東国/西国方言において、語末の有声破裂音および有声摩擦音は以下の通り発音される。また、東国方言で下記子音の直前が長母音の場合、その母音は短音化する。
    • -b → 東国[mp]、西国[m]
    • -d → 東国[nt]、西国[n]
    • -g → 東国[ŋ]/[ŋk]※・西国[ŋ]
    • -z → 東国[ns]、西国[s]
    • -zh → 東国[n̠ʃ]、西国[ʃ]

 ※…直前が無アクセントの場合[ŋ]、有アクセントの場合[ŋk]。

  • 東国方言において、有声破裂音の重子音は鼻音+有声音で発音される。
    • bb → [mn]
    • dd → [nd]
    • gg → [ŋɡ]
  • 複合語の形成や語形変化により以下の規則が満たせない場合、音韻変化が生じる。
    • 長母音の後に、長子音、もしくはm, n ng, rh, r, lh, lから始まる子音クラスタが立つことは出来ない。その場合、長母音は短母音化する。
    • 上記の条件に当てはまる場合、二重母音は以下のように短母音化される。
      • ai → æ
      • æi → e
      • ei → i
      • œy → ø
      • øy → y
      • åi → œ
      • oi → ø
      • ui → y
      • au → å
      • eu → ø
      • øu → ø
      • ou → u
    • 語頭が子音クラスタの場合、語頭の音節は必ず長音節か最長音節となる。この規則に従い、語形変化によっては語幹の短母音が長母音化することがある。
    • 子音に先立つ鼻音は同器官的な鼻音に限られる。ただし、鼻音のみで構成される子音クラスタはその限りでない(mn, gm, gn等)。鼻音と後続する子音の対応関係は以下の通りである。
      • m → p, ph, b, bh, p', pf, bv, f, v
      • n → t, th, d, dh, t', þ, ð, c, ch, x, c', s, z
      • nh → q, qh, xh, q', sh, zh, ç, j
      • ng → k, kh, g, gh, k', ħ, ğ
    • 上記の規則により、m, n, nh, ngに子音が後続する場合(動詞の語幹形成など)、鼻音の後に破裂音が発生する。
      • sが後続 → mps, ns, ns, nks
      • rが後続 → mbr, ndr, nxhr, ggr
    • xi, xy, ği, ğyはそれぞれçi, çy, ji, jyと同じ発音をとる。
    • qu, qhu, xhu, q'u, shu, zhu, nhu, çu, juはそれぞれqy, qhy, xhy, q'y, shy, zhy, nhy, çy, jyと同じ発音をとる。

文字

ネサルゼルデ語は独自の文字を持つが、当文法書ではもっぱらラテン文字転写を使用する。専用の文字体系が存在し、ネサルゼルデ文字もしくはネサルディー(Neþaldī)と呼ばれる。ただし、コンピュータ環境下では通常ラテン文字による転写が行われる。ネサルディーは先頭の3文字をとってレリス(Reliþ)とも呼ばれる。字母の名称は、その文字を頭文字とする神の名前に由来する。文字の順番は対応する神の序列に基づいているとされ、1番目の"r"は最高神レヴォーク(Revōk)に由来する"Ref"という名前が付けられている。ただし、文字順が必ずしも神の序列に対応しているわけではない。コンピュータ環境では通常、ラテン文字転写を使用する。

文法

語順・文型

平叙文

複雑な語形変化を伴う屈折語の特徴を持っている為、語順は比較的自由である。一般的にはVSO語順もしくはSVO語順が見られ、句内ではVSO語順が一般的に用いられる。それ以外の語順はあまり用いられず、倒置法的な語順とみなされる。また、通常修飾語は限定詞を除いて被修飾語に後置される。以下は最も一般的な語順を示した例文である。

  • Vwā le grām. これは私の家だ。(主語-補語)
  • Mestamā krakkem. 彼らは笑った。(主語-動詞)
  • Kānīsh zhëtheisha yorys. 妻は本を読んでいる。(動詞-主語-直接目的語)
  • Qāthes reivā sjefys næçāmai. 王が家臣に剣を与えた。(動詞-主語-直接目的語-間接目的語)
  • Ngåifsøl (lai) smīkes dajai vøpwi koløþu. 私は昨日湖で大きな魚を釣った。(動詞-(主語)-目的語-修飾語-時間-場所)

疑問文

疑問とする部分に接頭辞p'e-を挿入するか、疑問代名詞を使用する。文全体を問う場合、語末にnhīを付加する。平叙文から語順は変更しない。

  • Vatö naza. ここは倉庫だ。
  • Vatö p'e-naza? ここは倉庫ですか?
  • Vatö naza nhī? ここは倉庫ですよね?
  • Authigos messā qorves. 彼は肉を焼いた。
  • Authigos messā p'e-qorves? 彼が焼いたのは肉ですか?
  • Authigos messā p'üs? 彼は何を焼きましたか?
  • Authigos p'e-messā qorves? 肉を焼いたのは彼ですか?
  • Authigō p'ærā qorves? 誰が肉を焼きましたか?
  • P'-authigos messā qorves? 彼は肉を焼きましたか?
  • Authigos messā qorves nhī? 彼は肉を焼いたんですよね?(確認の意)

否定文

否定する部分に接頭辞k'e-を挿入する。動詞の一部は語幹と活用語尾の間に接中辞-ek'-を挿入するか「否定語幹」を用いる。平叙文から語順は変更しない。

  • Zæghastiþe ver zīgā shtogges ğugris. この国は土地をめぐって異民族と戦っている。
  • Zæghask'iþe ver zīgā shtogges ğugris. この国は土地をめぐって異民族と戦っていない。(否定語幹zæghask'-を用いる)
  • Zæghastiþe k'e-ver zīgā shtogges ğugris. 土地をめぐって異民族と戦っているのはこの国ではない(別の国が戦っているかもしれない)。
  • Zæghastiþe ver zīgā k'e-shtogges ğugris. この国は異民族と土地をめぐった争いはしていない(土地以外をめぐった戦闘は起きているかもしれない)。
  • Zæghastiþe ver zīgā shtogges k'e-ğugris. この国は異民族とは土地をめぐった戦闘をしていない(異民族以外と戦闘はしているかもしれない)。

命令文

主語を書かず、動詞の規範法を用いることで表現される。動詞は文末に置かれることが多い。

  • Cåk'amat bwekhlī twēdø'a もっと野菜を食べなさい。

感嘆文

間投詞もしくは名詞の呼格によって構成される文章。動詞を用いない文章である。

  • Rēvignæ! 神よ!
  • K'aushedor. おめでとう。
  • Ktåiboram feldwo! なんて綺麗なガラスだろう!

品詞

名詞・動詞・形容詞・副詞・限定詞・接続詞・間投詞の7種類がある。この内、語形変化を行うのは名詞・動詞・形容詞・限定詞の4種類である。また、副詞は名詞・動詞・形容詞から副次的に派生したものが多く、純粋な副詞語彙は非常に稀である。

品詞転換

名詞・動詞・形容詞において発生する音交替。他の品詞の役割を果たす際に転換が生じる。転換語幹には「不定語幹」「接続語幹」「連体語幹」「連用語幹」の4種類が存在する。不定語幹は名詞、連体語幹は形容詞、連用語幹は副詞の役割を果たす。接続語幹は品詞ごとに役割が異なり、名詞の場合は目的語となる場合に、動詞と形容詞の場合は連動詞(複数の動詞を組み合わせて一つの熟語とする方法)を構成する際に使用される。それぞれの品詞の転換条件は以下の通り。

不定語幹 接続語幹 連体語幹 連用語幹
名詞 対格・与格・令格 所有格・属格 処格・奪格・向格・具格・共格・様格・変格
動詞 動名詞 連動詞の形成 動形容詞 動副詞
形容詞 形容名詞 連動詞の形成 副詞用法

転換語幹は、基本的に語幹部分の母音や頭子音が交替することで形成される。その規則は以下の通り。

  • 連体語幹と不定語幹の場合、子音の種類に応じて子音交替が起きる
  • 接続語幹と連用語幹の場合、子音交替もしくは母音交替が起きる。特定の子音のみ子音交替が起き、子音交替の起きない場合は母音交替が起きる。
  • 基本的に、交替する部分は原形におけるアクセント音節に付く。ただし、アクセントが接頭辞に付いている場合、接頭辞が付く前と同じ部分が交替する。
  • koleþ「湖」(kol- + eþ):koleþが交替
  • p'yþip'e「筋子」(p'yþ- + ip'e):p'yþip'eが交替
子音交替

単子音の変化は下表の通り。

接続 連用 連体 不定
p pw ph p'
b bw ph m
m um wh gw
w uw wh b
f pf v
v bv b
þ c thr ð
ð x þ d
t c th t'
d x th n
n nh þ gn
c cj ch x
x xj ch ex
s sj h z
z zj s ez
q qh q'
xh qh ixh
sh shr zh
zh sh izh
r rh gr
l j lh gl
nh ç gnh
ç çy çy j
j y ç xh
k q p kh k'
g xh b kh ng
ng nh m ğ g
ħ ç wh ğ '
h sh f '
zh* v* ğ,j '
  • 上記以外の子音は複合語を除いて基本的に語幹頭に立つことがない。複合語で上記以外の子音が立つ場合、複合前の語幹の変化に準ずる。代名詞などの一部は上記以外の子音が立つこともあるが、その際には子音交替が行われない。
  • 空欄部は、子音交替が起きず母音交替が起きることを示している。
  • 表内nから∅までの接続語幹は、語幹母音がuまたはūの場合母音交替も伴う。
  • *部は、母音交替が発生しない場合に限ってこの子音交替が発生する。
  • 長子音の子音交替は基本的に短子音の変化を長子音化したものとなる。
  • 子音交替により頭子音に母音が発生するものがあるが、この母音はアクセント規則では考慮されない。例えば、moidi「雲」の複数処格umedighus(→連用語幹)は、通常のアクセント規則に従えばúmedighusとなるが、実際は語頭のuは無視されumédighusとなる。

交替部が複子音の場合、基本的には後の子音のみ交替する。ただし、半母音w, j、および流音r, lで終わる二重子音は直前の子音のみ交替する。例外的な変化は以下の通り。

  • fr/sr/shr/ħrの連体語幹は、それぞれfar/sar/shar/ħarとなる。lについても同様。
  • kw/khw/gwの連用語幹は、それぞれf/wh/vとなる。
  • sp/st/sk/sm/snの接続語幹は、それぞれshp/sht/shk/shm/shnとなる。
  • ps/ksは、連体語幹がphas/khas、不定語幹がpes/kesとなる。
  • mn/gnは、連体語幹がwhan/khan、不定語幹がmen/genとなる。
母音交替

接続語幹・連用語幹で子音交替が発生しない場合に限り、以下の母音交替が発生する。

母音交替表
短母音 長母音 二重母音
通常 接続 連用 通常 接続 連用 通常 接続 連用
a e o ā ē ō ai ei oi
e i ø ē ī œ au eu ou
i i y ī ī ü ei ī øi
ø y ø œ ü œ eu ü øu
y y y ü ü ü øi ü øi
o ø u ō œ ū øu ü øu
u y u ū ü ū oi øi ui
ou øu ū
ui ü ui
不規則変化

単語によっては上記の変化とは異なる変化をとる名詞が存在する。

  • 一部の特殊な語根や品詞を変更する接尾辞を伴う単語の場合、多くが語幹ではなく接尾辞部分で語形変化をとる。以下に例を示す。
    • staで終わる名詞:通常-sta-, 接続-ita-, 連体-skt-, 連用-ut-
      • sesta「川」:seit-, sesth-, seut-
      • minusta「切り傷」:minuit-, minusth-, minūt-
      • füsta:「(木材の)継ぎ目」:fīt-, füsth-, füt-
  • 接尾辞-oice:通常-oic-, 接続-oiq-, 連体-ois-, 連用-uic-
    • vutoice「骨董品」:vutoic-, vutoiq-, vutoich-, vutuic-
  • 接尾辞-ālh-:通常-ālh-, 接続-ailh-, 連体-allh-, 連用-aulh-, 不定-agl-
    • çisālhö「磨く」:çisālh-, çisailh-, çisallh-, çisaulh-, çisagl-
  • その他、全く不規則な語幹をとる単語も存在する。
    • eþ「水」:接続iþ-, 連体seþ-, 連用øþ-
    • grām「家」:接続gærv-, 連体ghrām-, 連用gårv-
    • brōsen「歩く」:接続berz-, 連体porz-, 連用borz-, 不定p'orz-

名詞

名詞クラス

名詞には名詞クラスが存在し、「成体」、「不活動成体」、「不可視体」、「幼体」、「老体」、「永体」、「神体」、「抽象体」の8種類が存在する。基本的には語尾で識別可能だが、一部の名詞は語尾で判断できない場合がある。

  • 成体 … 有生で成熟したもの
  • 不活動成体 … 無生で成熟したもの
  • 幼体 …未熟なもの、生まれたてのもの、小さなもの
  • 亜成体 … わずかに未熟なもの、成熟の一歩手前
  • 熟体 … 熟したもの、年季の入ったもの
  • 老体 … 老いたもの、腐ったもの、使えなくなったもの
  • 永体 … 年のとらないもの、変化しないもの
  • 神体 … 信仰の対象となるもの
  • 不可視体 … 形のないもの
  • 抽象体 … 形がなく、概念や方向などを指す不可算のもの

さらに、成体・不活動成体・亜成体・熟体は「性」を区別する。性は「サブクラス」とも呼ばれ、名詞クラスをさらに細分化するものである。

  • 成体
    • 成体男性 … 男性・オス
    • 成体女性 … 女性・メス
  • 不活動成体
    • 不活動成体熱性 … 熱いもの、活気のあるもの
    • 不活動成体冷性 … 冷たいもの、活気のないもの
  • 亜成体
    • 亜成体男性 … 男性・オス
    • 亜成体女性 … 女性・メス
  • 熟体
    • 熟体男性 … 男性・オス
    • 熟体女性 … 女性・メス

サブクラスは任意の名詞のみが持つものであり、成体・不活動成体・亜成体・熟体の全てがサブクラスを持っているわけではない。サブクラスを持たない場合は「両性」と呼ばれる。

名詞クラスは単語ごとに厳密に定められており、中には必ずしも上記のイメージにそぐわないものも存在する。例えば、臓器を示す単語はたとえ新鮮な臓器であっても老体に含まれ、動物の体の部位は、持ち主の名詞クラスにかかわらず共通の名詞クラスを取る(小さな部位は幼体、大きな部位は成体など)。名詞によっては、語尾を変化させることで名詞クラスを転換することができる。

汎クラス

語尾によって名詞クラスを転換できるものは「汎クラス名詞」と呼ばれる。名詞のカテゴリによって、とることが出来るクラスの種類や意味が共通している。クラス変化は名詞のカテゴリによってある程度共通している。

人間・生物
人間
(例:小人)
動物
(例:羊)
昆虫
(例:蜂)
植物
(例:草)
潜在体 brinzeu
胎児の小人
kenxhæz
胎児の羊
kinæz
蜂の卵
betītæz
種子
幼体 brinzim
子供の小人
kenxhy
子羊
kiny
ハチノコ
betīty
亜成体 brinzå
青年の小人
kenxhå
若い羊
kinå
蜂の蛹
betītå
若草
亜成体男性 brinzauk
青年男子の小人
亜成体女性 brinzaiç
青年女子の小人
成体 brinzis
大人の小人
kenxha
大人の羊
kin
成虫の蜂、働き蜂
betīta
成体男性 brinzud
男性の小人
kenxhœt
牡羊
kinœt
雄蜂
成体女性 brinzeish
女性の小人
kenxher
牝羊
kiner
女王蜂
熟体 brinzyr
壮年の小人
kenxhynh
成熟した羊
betītynh
色づいた草
熟体男性 brinzwing
壮年男性の小人
熟体女性 brinzjœz
壮年女性の小人
老体 brinzom
老人の小人
kenxhom
年老いた羊
kinom
死にかけの蜂
betītom
枯れ草
不活動成体 brinzœy
小人の死体
kenxho
羊の死体
kino
蜂の死体
betīto
刈り取った草
食物
果実
(例:梨)

(例:豚肉)
幼体 håpty
未熟な梨
亜成体 håptå
収穫したての梨
jabå
生の豚肉
成体 håpta
熟した梨
jaba
加工した豚肉
熟体 håptynh
調理した梨
jabynh
調理した豚肉
老体 håptom
古くなった梨
jabom
古くなった豚肉
不活動成体 håpto
腐った梨
jabo
腐った豚肉
小さな樹
(例:果樹)
大きな樹木
(例:松)
潜在体 zhyvëlæz
果樹の種子
rīnæz
松の種子
幼体 zhyvëly
果樹の芽
rīny
松の芽
亜成体 zhyvëlå
果樹の苗
rīnå
松の苗
成体 zhyvël
成長した果樹
style="text-align:center"|―
永体 rīnes
成長した松
熟体 zhyvëlynh
実をつけた果樹
rīnynh
実をつけた松
老体 zhyvëlom
枯れた果樹
rīnom
枯れた松
不活動成体 zhyvëlo
切り倒された果樹
rīno
切り倒された松
物質
金属
(例:鉄)
天然物質
(例:石)
潜在体 feitø
鉄元素
幼体 feity
鉄の原石、鉄鉱石
kery
爪サイズの石
亜成体 feitå
銑鉄
kerå
掌サイズの石
不活動成体 feito
鋼鉄、鍛えた鉄
ker
不活動成体熱性 feitê
熱した鉄
kerê
熱した石、溶けた石
不活動成体冷性 feitip
冷えた鉄
kerip
冷えた石
熟体 feitynh
鉄の部材
kerynh
苔むした石
老体 feitom
錆びた鉄
kerom
崩れた石
道具・建物
道具
(例:網)
社会
(例:村)
地域
(例:領域)
建物
(例:床)
潜在体 xhēmø
縄張り
cadrø
底面、底の方
幼体 agny
小さな網
nūny
小さな村
xhēmy
小さな領域
cadry
枠だけの床
亜成体 agnå
少し小さな網
nūnå
少し小さな村
xhēmå
少し小さな領域
cadrå
未完成の床
不活動成体 agno
nūno
xhēmo
領域、地域
cadro
完成した床
不活動成体熱性 nūnê
活気のある村
xhēmê
活発な地域
不活動成体冷性 nūnip
活気のない村
xhēmip
寂れた地域
熟体 agnynh
使い古された網
nūn-
大きな村
xhēmynh
大きな領域
cadrynh
年季の入った床
老体 agnom
擦り切れた網
nūn-
寂れた村、廃村
xhēmom
崩壊した領域
cadrom
壊れた床
永体 xhēmal
不可侵の領域
神体 xhēmina
神域
物質・概念変換
財産 天秤
潜在体 tagnæz
資産、財産
baktæz
社会的役割
nhimnæz
調和、バランス
成体 tagnul
家畜
baktul
拇印
nhimnul
手でする天秤
不活動成体 tagnas
貯蓄、蓄え
baktas
印影、ハンコの印
nhimnas
天秤

名詞によっては複数の名詞クラスを取る場合もある。その場合、意味によって名詞クラスを分けることもある。

  • kjā:不活動成体なら「障害物」、不可視体なら「障害、妨げ」
  • srē:不活動成体なら「手紙」、不可視体なら「メッセージ、伝言」

語彙の種類によっては共通の名詞クラスを持つものもある。

  • 成熟した植物は全て成体もしくは永体である。ほとんどが成体であり、永体は人の背より高くなる樹木や非常に長生きする植物などが該当する。
  • 金属はほとんどが不活動成体であり、その幼体形は原石、老体形は錆びた状態を示す。永体となる金属はtemis「金」やreiphe「プラチナ」などが該当する。
  • 動物の体の部位は、持ち主の名詞クラスにかかわらず共通である。brō「胸」やngōgul「腹」などの大きな部位は成体、kiðy「指」やkaðy「鼻」、toby「口」など小さな部位は幼体、lophul「胃」やfontom「骨」など、臓器や体の内部にある部位は老体となる。
  • wexhet「山」やsesta「川」など、大きな自然物は永体に含まれる。pholpina「樹海」など、神格化されているものや畏怖の対象とされているものは神体になることがある。
  • pelen「太陽」やbaitina「星」など、天体は神体に含まれる。

その他の特徴は以下の通り。

  • 1人称を除く人称代名詞には幼体・亜成体・成体・熟体・老体・永体の6つの形が存在する。それぞれ、子供、青年、成人、壮年、老人、偉人に用いられる。また、幼体や亜成体、老体をあえて成人に対して用いた場合、一般的には侮蔑の意味にとられる。
  • 人称代名詞や指示代名詞には神体形だけが存在しない。そのため、神体に属する名詞は「それ」や「あれ」と言えず、わざわざその名詞を言い直す必要がある。
  • 抽象体には文法としての数が存在しない。抽象体名詞は全て「不定数」に属し、形容詞や前置詞も不定数に準じた変化を取る。

不定数、単数、双数、複数の4種類を区別する。

  • 不定数
    • 具体的な個数が不明な場合や、不可算の名詞にも用いられる。例えば、「水」の不定数は水そのものを示し、単数・双数・複数はコップ等に分けて数えられるようにした水を指す。また、概念や定義を指す場合にも用いられる。
  • 単数
    • 1つだけあることを示す。
  • 双数
    • 二つ存在することを示す。目や靴、翼といったニコイチのものを指すのみならず、単に2つあることを指す場合にも双数が用いられる。
  • 複数
    • 3つ以上存在することを示す。

格は基本的に15種類(無格、主格、対格、与格、令格、所有格、属格、処格、奪格、向格、具格、共格、様格、変格)が存在する。これらの格を基底15格と呼ぶが、さらにこれらに接尾辞を付けることによって85種類の格が派生し、最大で100種類の格が区別される。ただし、拡張格は意味を限定したい場合にのみ使用され、通常は基底15格を使用する。

名詞や代名詞が文中でどのような役割を果たすかを示す。ネサルゼルデ語には一般に15種の格があるとされるが、15格に接尾辞を付加することにより最大で100種の格を区別する。

基底15格

無格、主格、呼格、対格、与格、令格、所有格、属格、処格、奪格、向格、具格、共格、様格、変格の15種類が存在する。それぞれの格に応じて転換語幹が以下のように定まっている。

  • 通常語幹:無格・主格・呼格
  • 接続語幹:対格・与格・令格
  • 連用語幹:所有格・属格
  • 連体語幹:奪格・向格・具格・共格・様格・変格
無格
名詞の原形であり、単語の意味そのものを示す。補語はこの格をとる。また、句内(名詞句など)の主語を示す際にも用いられる。
主格
文中の主語となる。多くの変化において主格は原形ではなく、原形である無格とは異なる形が用いられる。
呼格
呼びかけ等に用いられる。文中では間投詞として機能する。
対格
文中の直接目的語となる。
与格
文中の間接目的語となる。また、受動文では行為者を示すこともある。
令格
令格には大きく分けて3つの用法がある。
  • 分離
動作の分離点を示す。奪格と似た意味をとり、限られた動詞のみがこの意味をとる。
  • 受動文における行為者
受動態と共に用いる際、その動作の行為者を示す。受動態の行為者は与格で示すこともできるが、与格受動文の場合は必ず令格を用いなければならない。
  • 使役文における使役主体
使役と共に用いる際、その動作の使役主体を示す。
所有格
所有を示す。文中では形容詞として機能し、形容詞の変化形と同様の変化を取る。
属格
部分や同格など、形容詞化する名詞全般を示す。文中では所有格と同じく形容詞として機能し、形容詞の変化形と同様の変化を取る。
処格
場所を示す。時間を表す名詞の場合「その時間に」という意味となる。
奪格
動作の起点を示す。時間を表す名詞の場合「その時間から」という意味となる。
向格
動作の向かう先、終点を示す。時間を表す名詞の場合「その時間まで」という意味となる。
具格
動作を実現するための道具や手段を示す。
共格
動作を一緒に行っている相手(随伴者)を示す。
様格
動作と同じ状態の事物を示す。「〜のように」「〜として」と訳せる。
変格
動作と異なる状態の事物を示す。「〜に(しては)」と訳せる。
拡張85格

基底15格に接尾辞を付加することや、語尾を変更することによって示される。名の通り15格の意味を「拡張」するものである。無格・主格・対格・与格・令格・所有格以外の格がこれを取る。以下のような拡張格が存在する。

呼格拡張
呼格は間投詞として扱われるため、これらの格はいずれも単独で文を構成することが可能である。
奉格
その物を奉じ、宣言や宣誓、祈祷などをする際に用いられる。「~を!」「~のために!」
恨格
その物を恨み、憎む際に用いられる。「~め」「~の野郎」
評格
その物を高く評価する際に用いられる。「何たる~だろうか!」
演格
大勢に向けた呼びかけの際に用いられる。「~よ」
奏格
目上の人へ向けた呼びかけに用いられる。「~様」「~殿」
属格拡張
含格
修飾する名詞にその物が含有されていることや、修飾する名詞(多くは集合物)の中にその物が含まれていることを示す。「~の」「~を含む」「~を持つ」「~でできた」
由格
原料や材料、産地などを示す。「~の」「~由来の」「~からの」「~産の」
謂格
修飾する名詞の別名を示す。英語の"as known as"と意味が似ている。「いわゆる~」「~と呼ばれる」
似格
その物が修飾する名詞に似ていることを示す。英語の"like"と同様の意味である。「~に似た」「~のような」
同格
職業や立場など、修飾する名詞の地位や置かれた状況などを示す。「~である」「~たる」
処格・奪格・向格拡張
以下に示す拡張格は処格→奪格→向格の順に示されている。
内格・出格・入格
内部にあることを示す。「~の中で」「~の中から」「~の中へ」
接格・離格・着格
表面にあることを示す。英語の"on"と同義である。「~の上で」「~の上から」「~の上へ」
上格・上奪格・上向格
接していない上部にあることを示す。英語の"above"と同義である。「~の上で」「~の上から」「~の上へ」
下格・下奪格・下向格
接していない下部にあることを示す。英語の"below"と同義である。「~の下で」「~の下から」「~の下へ」
間格・間奪格・間向格
間にあることを示す。英語の"between"と同義である。「~の間で」「~の間から」「~の間へ」
傍格・傍奪格・傍向格
側面や傍にあることを示す。英語の"beside"や"text to"と同義である。「~の傍で」「~の傍から」「~の傍へ」
隣格・隣奪格・隣向格
隣にあることを示す。傍格は隣接する対象より小さいものや対象の随伴者を示すのに対し、隣格は隣接する対象と同質・同系統のものである。「~の隣で」「~の隣から」「~の隣へ」
周格・周奪格・周向格
周囲にあることを示す。英語の"around"と同義である。「~の周りで」「~の周りから」「~の周りへ」
全格・全奪格・全向格
対象全体を覆っていることや、対象全体から発生することを示す。英語の"throughout"と同義である。「~の至る所で」「~の至る所から」「~の至る所へ」
越格・越奪格・越向格
対象を越えた場所にあることを示す。英語の"over"と同義である。「~の向こう側で」「~を越えて(来る)」「~を越えて(行く)」
沿格・沿奪格・沿向格
対象の側面に沿って進むことを示す。英語の"along"と同義である。「~沿いに」「~の中から」「~の中へ」
時格・始格・終格
時間を示す。「~の時に」「~の時から」「~の時へ」
前格・前始格・前終格
時間より前にあることを示す。「~の前に」「~の前から」「~の前へ」
後格・後始格・後終格
時間より後にあることを示す。「~の後に」「~の後から」「~の後へ」
具格拡張
拘格
その物が原因として成り立たなかったことを示す。「~にもかかわらず」「~に関係なく」
因格
原因を示す。良い意味にも悪い意味にも用いられる。「~のおかげで」「~のせいで」
動機具格
立場や視点を示す。その中でも目下から目上へ向けた視点を示す。「~にとっては」「~としては」
欠格
その物を道具や手段として使用しなかったことを示す。英語の"without"と同義である。「~なしで」
他格
「~の他にも」「~だけでなく」
依格
「~によって」「~の働きによって」「~の活躍で」
無用格
「~では(役不足だ)」、「~を使っては(できない)」
共格拡張
具格拡張と同様の変化をとり、具格拡張と反対の意味を示すものが多い。
反格
英語の"against"と同義である。「~に反対して」「~に背いて」
受益格
その物の利益となることを行うことを示す。「~のために」「~を想って」
動機共格
立場や視点を示す。その中でも目上から目下へ向けた視点や同格からの視点を示す。「~にとっては」「~としては」
除格
その物を対象から除外したことを示す。英語の"except"と同義である。「~を除いて」「~抜きで」「~以外」
係格
英語の"about"と同義である。「~について」「~に関して」
伴格
その物が主語や動作の随伴物であることを示す。「~に伴って」「~に応じて」「~を率いて」
不能格
「~では(役不足だ)」、「~が一緒にいては(できない)」
様格拡張
正格
「~の通り」「~に則って」「~を基準として」
理格
理由を示す。「~なので」「~であるが故に」
仮定格
仮定を示す。「~と(する)」「~だと(仮定する)」
概格
およそ、大体などの意味を示す。英語の"about"と同義である。「およそ、大体~くらい」
同等格
程度や数量が同じだけあることを示す。同等比較で用いられることが多い。「~と同じくらい」
通格
「~通りに」「~と同じように」
代格
代役を示す。「~の代わりに」
例示格
例えを示す。「例えば~のように」
変格拡張
様格拡張と同様の変化をとり、様格拡張と反対の意味を示すものが多い。
違格
正格と反対の意味を示す。「~と違って」「~らしくなく」
雖格
逆接の仮定条件を示す。「~といえども」「~だろうと」
割格
予想や事実と異なることを示す。「~にしては」
迄格
締切を示す。「~までに」
比較格
程度や数量を比較する際に用いる。比較構文で用いられることが多い。「~より」「~と比べて」
異格
通格と反対の意味を示す。「~と異なり」「~とは異なるように」
役格
代役を示す。ただし代格と異なり、代わる前の人とは異なる役割になったことを示す。「~に代わって」「~として」
場合格
場合を示す。「~の場合」
中格
「~の最中に」「~の真っ最中に」
前中格
「~の真っ最中の前に」
後中格
「~の真っ最中の後に」

なお、拡張格は意味が混同しない限り、対応する基底15格で代用することが可能である。例えば「家の中で」「家の中から」「家の中へ」などは、多くの場合内格や出格、入格を用いず、基底15格である処格・奪格・向格を持ちいる。

その他の格

基底15格・拡張格以外の格について述べる。以下に示す格は、全て基底15格や拡張格から何らかの形で派生することで表現できる。

連体化連用格
連用語幹を使用する格は、語尾はそのままで語幹に連体語幹を用いることで役割を変化させることが出来る。例えば様格は「〜として」という意味だが、連体化様格は「〜としての」という意味になる。連体化した格は形容詞として振る舞い、形容詞と同様の変化をとる。
目的格
目的格は、名詞句や形容詞句など「句」の内部で目的語を示す際に用いられる格である。目的格はすべての変化形で、接続語幹に無格語尾を付けることで表現する。目的格は直接目的語も間接目的語も示すが、句内に直接目的語・間接目的語の両方が必要な場合は目的格は用いず、通常の対格・与格を使用する。
連用格
前置詞を用いる場合に使用される格である。すべての変化形で、連用語幹に無格語尾を接続することで表現する。

格変化一覧

曲用規則は、名詞の種類によって以下のように分類される。

  • 借用語彙曲用 … 品詞転換を行わない曲用
    • 子音型 … 語幹が子音で終わる名詞の曲用(語尾は子音または-e)
    • 母音型 … 語幹が母音で終わる名詞の曲用
  • 共性曲用 … 多くのクラスがとる、最も基本的な曲用
    • 子音型 … 語幹が子音で終わる名詞の曲用(語尾は子音または-e)
    • 母音型 … 語幹が母音で終わる名詞の曲用
      • 絶対単数型 … 固有名詞など、単数しか持たない名詞の曲用
  • 地点曲用 … 場所や時間を示す名詞がとる曲用
    • 子音型 … 語幹が子音で終わる名詞の曲用(語尾は子音または-e)
    • 母音型 … 語幹が母音で終わる名詞の曲用
  • 汎クラス曲用 … クラス変化による語尾変化のある曲用
    • 人間型 … 人間を示す名詞の曲用
      • 潜在体:-eu 幼体:-im 老体:-om 不活動成体:-œy 永体:-es
      • 亜成体:-å 亜成体男性:-aukh 亜成体女性:-aiç
      • 成体(パターン1):-a 成体男性:-åi 成体女性:-ül
      • 成体(パターン2):-is 成体男性:-ud 成体女性:-eish
      • 熟体:-yr 熟体男性:-wing 熟体女性:-jœz
    • 生物型 … 人間以外の動物や昆虫(もしくはその部位)を示す名詞の曲用
      • 潜在体:-æz 幼体:-y 亜成体:-å 熟体:-ynh 老体:-om 不活動成体:-o 永体:-es
      • 成体:-a 成体男性:-œt 成体女性:-er
    • 物質型 … 無生物を示す言葉
      • 潜在体:-ø 幼体:-y 亜成体:-å 熟体:-ynh 老体:-om 永体:-al
      • 不活動成体:-o 不活動成体熱性:-ê 不活動成体冷性:-ip
    • 永神型 … 永体・神体の2クラスを基準に持つ名詞の曲用
      • 永体:-en 神体:-ina
    • 成不型 … 潜在体・成体・不活動成体の3クラスを基準に持つ名詞の曲用
      • 潜在体:-æz 成体:-ul 不活動成体:-as 幼体:-iþ 老体:-ô

その名詞がどの種類の曲用をとるかは、語尾や単語の意味から推定することができる。ほとんどの名詞は語尾から推測可能だが、子音で終わる場合などは判定が困難な場合が多い。

借用語彙曲用

品詞転換を行わない名詞の曲用。曲用形はさらに、原形の末尾が子音もしくはeで終わる「子音型」、e以外の母音で終わる「母音型」の2種類に分けられる。

子音型
不定数 単数 双数 複数
無格 -∅/-e -∅/-e -esh -eb
主格 -ek -esha -ebhi
呼格 -eri -eri -em -em
対格 -eħ -es -epø -etæ
与格 -el -el -evin -evøs
令格 -em -em -eshim -ebim
所有格 -ir -ir -eshir -ebir
属格 -∅/-e -∅/-e -esh -eb
処格 -eqe -er -ejæn -ejæn
奪格 -ege -es -egha -egha
向格 -ezhe -esh -eħen -eħen
具格 -eti -et -eqy -eton
共格 -egi -eng -eshy -eson
様格 -eli -el -ela -elon
変格 -evi -eu -eva -evon
  • 成体
    • bedikfīde カミキリムシ
    • dauvan 弟子
    • rånde 客
  • hakêne 藤
  • 不活動成体
    • cant'e 紙
    • garban ボール
    • ippai(ippaj-) 蓋
  • 潜在体
    • akfan 演説
    • asôn 行為
    • beidaf 意見
    • blauxe 生活、暮らし
    • keuche 音楽
    • cof 風邪
  • 幼体
    • aspæl 子猫
    • bouþ ネギ
    • ip'e 魚卵
    • kæine 落涙
  • 亜成体
    • maus 食材
  • 熟体
    • dånthe サイコロ
    • fūzhe 官僚
    • sævan 杖
    • ylgus 怪物
  • 老体
    • avôb 祖父
    • shizhēl 祖母
  • 永体
    • dåguine 火山
    • elhūne 深い森
    • jône 幻
    • karhāqhe 砂漠
  • 神体
    • k'itaure 木星
母音型
不定数 単数 双数 複数
無格 -∅ -∅ -sh -b
主格 -k -ra -sha -bhi
呼格 -ri -ri -m -m
対格 -s -pø -tæ
与格 -l -l -vin -vøs
令格 -m -m -shim -bim
所有格 -sir -sir -shir -bir
属格 -∅ -∅ -sh -b
処格 -qe -r -jæn -jæn
奪格 -ge -s -gha -gha
向格 -zhe -sh -ħen -ħen
具格 -ti -t -qy -ton
共格 -gi -ng -shy -son
様格 -li -l -la -lon
変格 -vi -f -va -von
  • 成体
    • dårsī 殺し屋
    • emvī 蜂の群れ
    • hadā 執事
    • serhō トマト
  • 不活動成体
    • bhjaħā 経典
    • båkü 墨
    • jœp'e 鳥の巣
    • sôgja 十字架
  • 潜在体
    • ogwē 法律
  • 幼体
    • cœgi 粒
    • dæf ナッツ
  • 亜成体
    • drā 糸
    • irō ニンニク
  • 熟体
    • imp'i 僧侶
  • 老体
    • dajō 幽霊
    • gaubi 墓場
    • k'åmü 怪我
  • 永体
    • bankī 銀杏
    • dårôm 高原
共性曲用

借用語彙曲用と同じく子音型・母音型の2種類があり、様々なクラスがとる曲用だが、借用語彙曲用とは異なり品詞転換を行う。原形をとる格(無格・主格・呼格)が名詞クラスによって異なる点が特徴的である。

子音型
不定数 単数 双数 複数
無格 -∅/-e -∅/-e -esh -eħå
主格 -ek -esha -egår
呼格 -i -i -em -em
対格 -eħ -es -epø -erun
与格 -el -el -evin -evøs
令格 -em -em -eshim -ebim
所有格 -ir -ir -eshir -ebir
属格 -∅/-e -∅/-e -esh -eb
処格 -er -ar -ër -ër
奪格 -es -as -ës -ës
向格 -esh -ash -ësh -ësh
具格 -et -at -eqy -œt
共格 -eng -ang -eshy -œs
様格 -el -al -ela -œl
変格 -eu -au -eva -øu
  • 成体
    • besem 大衆
    • darze 庶民
    • dāvån 野獣
    • domen 額
    • kjare 鹿
    • koce 腕
    • gaf 腕
    • sefāzhe 剣闘士
    • shakke 友人
    • tåk'am 野菜
    • xhan 頭
  • 不活動成体
    • balem 帆
    • ber 粘土
    • fåizar 外套
    • ktis 砂
    • kui 塩
    • limbe 絵画
    • lwêfe 旗
    • nhish 影
    • ôme 薬
    • pāze 金属
    • pish 光
    • tīsh 筒
    • zai 土台、基礎
    • ħarphag 椅子
    • þambe 円環
  • 潜在体
    • gōnhish 中央
    • inke 電気
    • kas 精気
    • neskan 三角形
    • nhisentof 農業
    • nūl 音
    • ørōge 人生
    • pulhæi 恥
    • sor 知識
    • ħote 根源
  • 幼体
    • ākhæn 雛鳥
    • fer 歯
    • hat 息子
    • hon 小川
    • joxhe 先端
    • led 根っこ
    • pande 針
    • psēl 舌
    • qīs 粉
    • rep 片目
    • rīje 両目
    • tanhe 羽根
  • 亜成体
    • nhās 牛脂
    • þais 豚脂
  • 熟体
    • giðām 仙人
  • 老体
    • cung 腸
  • dong 土
    • orge 血液
    • rulūp 死霊
    • rüge 背骨
    • üge 亡霊
    • wem 心臓
    • xhekef 悪魔
    • þœkjāne 毒
    • ðām 老人
    • ħakse 白煙
  • 永体
    • aliþ 明るい森
    • fån 空気
  • 神体
    • akīsh 天王星
    • digne 多神教の神
    • sezher 土星
    • timelbe 星屑
母音型
不定数 単数 双数 複数
無格 -∅ -∅ -sh -ħå
主格 -k -ra -sha -går
呼格 -ri -ri -m -m
対格 -s -pø -run
与格 -l -l -vin -vøs
令格 -m -m -shim -bim
所有格 -sir -sir -shir -bir
属格 -∅ -∅ -sh -b
処格 -qe -r -ğur -ğur
奪格 -ge -s -ğus -ğus
向格 -zhe -sh -ğush -ğush
具格 -ti -t -qy -ton
共格 -gi -ng -shy -son
様格 -li -l -la -lon
変格 -vi -f -va -von
  • 成体
    • badu 男性
    • brō 胸
    • gaq'i 雄羊
    • meinu 血液
    • musmi 桜の花
    • sō 足
    • tô 蟻
    • þauþu 小型獣
    • ħāgi 馬車馬
  • 不活動成体
    • agū 壁
    • aiþi 工房
    • akü 車
    • kwē 材料
    • paiqi ヨット
  • 潜在体
    • enki 時代
    • ishü 鶏卵
  • 幼体
    • cê 唇
    • nudrī 仔羊
  • 老体
    • dābi 火傷
    • ksī 塵
    • wœmbi 尿
  • 永体
    • ardu 月
    • gibī 運命
    • jevī 開祖
    • pelnin 日中
    • sopük 雨
    • ħettī 強風
  • 神体
    • æmmi 火星
    • nimidu 衛星
    • oktū 宇宙

上記曲用表はクラス不定の名詞の曲用である。無格・主格・呼格は名詞クラスによって下表のように変化する。

子音型 母音型
不定数 単数 不定数 単数 不定数 単数 不定数 単数
潜在体 無格 -∅/-e -∅/-e -esh -einh -∅ -∅ -sh -jenh
主格 -ek -esha -evy -k -ra -sha -vy
呼格 -∅/-e -∅/-e -esh -einh -∅ -∅ -esh -jenh
幼体 無格 -∅/-e -em -āl -esk -∅ -m -jel -sk
主格 -ek -esha -egår -k -ra -sha -går
呼格 -epa -epa -em -em -pa -pa -m -m
亜成体 無格 -∅/-e -∅/-e -em -eng -∅ -∅ -m -ħå
主格 -ek -esh -egår -k -ra -sh -går
呼格 -i -i -em -em -ri -ri -m -m
成体 無格 -∅/-e -∅/-e -em -eng -∅ -∅ -m -ħå
主格 -ek -esh -ei -k -ra -sh -går
呼格 -i -i -em -em -ri -ri -m -m
不活動成体 無格 -∅/-e -∅/-e -eu -eng -∅ -∅ -f -ħå
主格 -ek -esh -es -k -ra -sh -går
呼格 -∅/-e -∅/-e -eu -eng -∅ -∅ -f -ħå
熟体 無格 -∅/-e -∅/-e -em -eng -∅ -∅ -m -ħå
主格 -ek -esh -egår -k -ra -sh -går
呼格 -i -i -em -em -ri -ri -m -m
老体 無格 -∅/-e -em -sh -ef -∅ -m -sh -f
主格 -ek -sha -evø -k -ra -sha -vø
呼格 -epa -epa -em -em -pa -pa -m -m
永体 無格 -∅/-e -∅/-e -sh -eis -∅ -∅ -sh -ħå
主格 -ek -sha -ei -k -ra -sha -går
呼格 -enøs -enøs -emuz -emuz -nøs -nøs -muz -muz
神体 無格 -∅/-e -∅/-e -esh -eħå -∅ -∅ -sh -ħå
主格 -ek -esha -egår -k -ra -sha -går
呼格 -egnæ -egnæ -egmæ -eksæ -gnæ -gnæ -gmæ -ksæ
語尾がiまたはuで終わる名詞の一部は、特定の曲用(語尾が1音節以上で構成される箇所)のみ二重母音が短母音化する。また、その一部は短母音化の音韻規則によらない不規則な変化を取ることもある。moidi「雲」を例に曲用を示す。
不定数 単数 双数 複数
無格 moidi moidi moidish mediħå
主格 moidik medira medisha medigår
呼格 medinøs medinøs medimuz medimuz
対格 møidiħ møidis midipø midirun
与格 møidil møidil midivin midivøs
令格 møidim møidim midishim midibim
所有格 whedisir whedisir whedishir whedibir
属格 whoidi whoidi whoidish whoidib
処格 umediqe umoidir umediğur umediğur
奪格 umedige umoidis umediğus umediğus
向格 umedizhe umoidish umediğut umediğut
具格 umediti umoidit umediqy umediton
共格 umedigi umoiding umedishy umedison
様格 umedili umoidil umedile umedilon
変格 umedivi umoidif umedive umedivon

下線部のように語幹母音が短母音化することを「縮約」と呼ぶ。語幹に二重母音を含む名詞は常に縮約が発生する。連体語幹は常に縮約が発生する。緑地部分の変化した語幹を「縮約語幹」と呼ぶ。縮約は基本的には音韻規則の短母音化に従って行われるが、moidiのoi→eのように不規則な縮約も存在する。

  • aiþi「工房、製作所」:æþi-, eþi-, heþi-, œþi-
  • kaidi「養子」:kædi-, qædi-, khædi-, pædi-

語幹の語尾が-u-の場合、一部の特定の曲用のみuが消失し、語幹と語尾が融合する。nimidu「衛星」を例に曲用を示す。

不定数 単数 双数 複数
無格 nimidu nimidu nimidush nimidhå
主格 nimiduk nimidra nimidzha nimidugår
呼格 nimidugnæ nimidugnæ nimidugmæ nimiduksæ
対格 nhimiduħ nhimidus nhimidupø nhimidrun
与格 nhimidul nhimidul nhimidwin nhimidwøs
令格 nhimidum nhimidum nhimidzhim nhimidubim
所有格 þimidusir þimidusir þimidushir þimidubir
属格 þimidu þimidu þimidush þimidub
処格 nymiduqe nymidur nymidūr nymidūr
奪格 nymiduge nymidus nymidūs nymidūs
向格 nymiduzhe nymidush nymidūsh nymidūsh
具格 nymidti nymidut nymiduqy nymidton
共格 nymidugi nymidung nymidushy nymidzon
様格 nymidli nymidul nymidla nymidlon
変格 nymidwi nymiduf nymidwa nymidwon

変格の-vは-wに変化する。

地点曲用

場所や地点、日付や時間帯を示す名詞がこの曲用をとる。不定数処格・単数処格が無標になることが特徴的である。こちらも子音型・母音型が存在する。

子音型
不定数 単数 双数 複数
無格 -∅/-e -∅/-e -esh -eħå
主格 -ek -esha -egår
呼格 -i -i -em -em
対格 -aħ -es -epø -erun
与格 -al -el -evin -evøs
令格 -am -em -eshim -ebim
所有格 -ir -ir -eshir -ebir
属格 -∅/-e -∅/-e -esh -eb
処格 -∅/-e -∅/-e
奪格 -ak -a -jå
向格 -ik -i -jåk -åk
具格 -et -at -eqy -œt
共格 -eng -ang -eshy -œs
様格 -el -al -ela -œl
変格 -eu -au -eva -øu
  • 不活動成体
    • fisse 門
    • kjang 地面
    • shim 道
    • shrātre 役場
    • skænqhe 病院
    • stong 土地
    • vin 底
  • 潜在体
    • föl ~年
    • girqhe 手前
    • pik ~日
    • shail ~週
  • 幼体
    • sleude 丘
    • wēs 端
  • 熟体
    • loic'e 長老
  • 永体
    • bædôg 島
    • bixhe 果て
    • gate 海
    • gāþe 大河
    • ignāðe 山
    • kagī 大地
    • kwāz 地盤
    • lirable 谷
    • mårphe 海岸
    • ōden 夕方
    • shāt'e 空
    • zīge 国家
母音型
不定数 単数 双数 複数
無格 -∅ -∅ -sh -ħå
主格 -k -ra -sha -går
呼格 -ri -ri -m -m
対格 -s -pø -run
与格 -l -l -vin -vøs
令格 -m -m -shim -bim
所有格 -sir -sir -shir -bir
属格 -∅ -∅ -sh -be
処格 -∅ -∅ -shī -gœ
奪格 -k -ra -shå -rå
向格 -sh -ri -shåk -gå
具格 -ti -t -qy -ton
共格 -gi -ng -shy -son
様格 -li -l -la -lon
変格 -vi -f -va -von
  • 不活動成体
    • puski 部屋
    • vī 場所
  • 永体
    • moidi 雲
    • zænü 夜
    • zoudi 朝

子音型・母音型の一部は、単数処格さらに単純化し不規則な形をとる。規則変化で同様の形となる不定数処格は不規則な形をとらず規則変化のままになるため、以下の名詞は処格において不定数と単数が異なる曲用形となる。

  • æshök「今日」:不定数処格æshëk, 単数処格shøk
  • jømbik「明日」:不定数処格jømbwik, 単数処格jøbwi
  • vøshpik「昨日」:不定数処格vøshpwik, 単数処格vøpwi
  • zīge「国」:不定数処格züge, 単数処格zyng
  • khistād「都市」:不定数処格khistôd, 単数処格khistån

接尾辞-tinhの曲用は下記の通り。一般名詞の他、準動詞の一種である動名詞トコ型の曲用でもある。接尾辞-tinhは語幹も兼ねているため、Tinh型の名詞は品詞転換をとらない。

不定数 単数 双数 複数
無格 -tinh -tinh -tish -tiħå
主格 -tœk -tö -tisha -tingår
呼格 -tinhi -tinhi -tim -tim
対格 -tiç -tins -timpø -tīrun
与格 -til -til -timvin -timvøs
令格 -tim -tim -tinshim -timbim
所有格 -tīnhir -tinhir -tinshir -timbir
属格 -tinh -tinh -tish -tib
処格 -te -te -tī -tü
奪格 -tak -ta -tjå -tå
向格 -tik -ti -tjåk -tåk
具格 -tyet -tyat -tinqy -tjœt
共格 -tyeng -tyang -tinshy -tjœs
様格 -tyel -tyal -tinxhla -tjœl
変格 -tyeu -tyau -timva -tjøu
  • bhittinh 草原
  • fartinh 炉
  • firzitinh 泉
  • fyltinh 木場
  • reptinh 隣
  • thistinh ゴール
絶対単数形曲用

固有名詞など、単数形しか存在しない名詞の曲用。こちらも子音型と母音型の2種類が存在する。抽象体は文法としての数を持たないため、抽象体のみ不定数として扱われる。

子音型
潜在体 幼体 亜成体 成体 不活動成体 熟体 老体 永体 神体 抽象体
人間
無格 -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e/-aþ
主格 -∅/-aþ
呼格 -epa -epa -i -i -i -∅/-e -i -epa -enøs -egnæ -∅/-e/-aþ
対格 -es -es -es -∅/-e -es -es -es -es -es -es -es
与格 -el -el -el -i -el -el -el -el -el -el -el
令格 -em -em -em -em -em -em -em -em -em -em -em
所有格 -ir -ir -ir -ir -ir -ir -ir -ir -ir -ir -aþir
属格 -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -∅/-e -aþ
処格 -ar -ar -ar -ar -ar -ar -ar -ar -ar -ar -ar
奪格 -as -as -as -as -as -as -as -as -as -as -as
向格 -ash -ash -ash -ash -ash -ash -ash -ash -ash -ash -ash
具格 -at -at -at -at -at -at -at -at -at -at -at
共格 -ang -ang -ang -ang -ang -ang -ang -ang -ang -ang -ang
様格 -al -al -al -al -al -al -al -al -al -al -al
変格 -au -au -au -au -au -au -au -au -au -au -au

一般名詞の多くは抽象体である。

  • biktir 西
  • cupaþ つや
  • cüþaþ 発言
  • eldaþ 熱、温度
  • eðen 奥
  • gnāxhaþ 結果
  • govron 悪
  • ngêðaþ 罪
  • püs 右
  • qawhaþ 時間
  • zelvaþ 味
母音型
潜在体 幼体 亜成体 成体 不活動成体 熟体 老体 永体 神体 抽象体
人間
無格 -∅ -∅ -∅ -∅ -∅ -∅ -∅ -∅ -∅ -∅ -∅
主格 -ra -ra -ra -ra -ra -ra -ra -ra -ra -ra -re
呼格 -pa -pa -ri -ri -ri -∅ -ri -pa -nøs -gnæ -∅
対格 -s -s -s -∅ -s -s -s -s -s -s -þis
与格 -l -l -l -l -l -l -l -l -l -l -þil
令格 -m -m -m -m -m -m -m -m -m -m -þim
所有格 -sir -sir -sir -sir -sir -sir -sir -sir -sir -sir -þir
属格 -∅ -∅ -∅ -∅ -∅ -∅ -∅ -∅ -∅ -∅ -∅
処格 -r -r -r -r -r -r -r -r -r -r -rar
奪格 -s -s -s -s -s -s -s -s -s -s -ras
向格 -sh -sh -sh -sh -sh -sh -sh -sh -sh -sh -rash
具格 -t -t -t -t -t -t -t -t -t -t -rat
共格 -ng -ng -ng -ng -ng -ng -ng -ng -ng -ng -rang
様格 -l -l -l -l -l -l -l -l -l -l -ral
変格 -f -f -f -f -f -f -f -f -f -f -rau
汎クラス曲用

語尾を変化させることでクラスを派生させる名詞はこの曲用形をとる。ただし、汎クラス曲用を取る名詞であってもクラス変化しない場合もある。

人間型

人間を表す名詞のとる曲用。他の曲用形と異なり、単数無格を原形としている。

潜在体 幼体 老体
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -euk -eu -eush -einh -y -im -el -isk -om -om -osh -of
主格 -euk -eur -øsha -euvy -ik -ish -ibhi -ok -osha -ovø
呼格 -øpa -øpa -eum -eum -ipa -ipa -im -im -opa -opa -om -om
対格 -euħ -eis -euf -eut -iç -i -if -it -oħ -wes -of -ot
与格 -eul -eil -øla -øve -il -in -ila -ive -ol -wel -ola -ove
令格 -eum -eim -eush -eum -im -im -ysh -ym -om -wem -ush -um
所有格 -eusir -eusir -eushir -eubir -imir -imir -ishir -ibir -omir -omir -oshir -obir
属格 -eu -eu -eush -eub -i -i -ish -ib -om -om -osh -ob
処格 -øqe -eur -øur -øur -iqe -ir -ijæn -ijæn -oqe -or -ojæn -ojæn
奪格 -øge -eus -øus -øus -ige -is -igha -igha -oge -os -ogha -ogha
向格 -øzhe -eush -øush -øush -izhe -ish -iħen -iħen -ozhe -osh -oħen -oħen
具格 -eut -eit -øqy -einh -it -īt -iqy -isk -ot -oit -oqy -of
共格 -eung -ei -øshy -evo -ing -ishy -iwo -ong -oi -oshy -owo
様格 -øli -eul -øla -evil -ili -il -ila -īl -oli -ol -ola -oil
変格 -øvi -evu -øva -evis -ivi -if -iva -īs -ovi -ou -ova -ois
亜成体 亜成体男性 亜成体女性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -åk -åm -œng -auk -aukh -aus -aung -aik -aiç -ais -aing
主格 -åk -åsh -åbhi -auk -aukha -aup -aukho -aik -aiça -aip -aiçy
呼格 -åm -åm -au -au -aum -aum -ai -ai -aim -aim
対格 -åħ -œs -åf -åt -auħ -avi -aukhip -aukhø -aiç -aje -aiçip -aiçø
与格 -ål -œl -åla -åve -aul -aukhe -aula -auve -ail -aiçe -aila -aive
令格 -åm -œm -osh -om -aum -aum -aukhshim -aukhwim -aim -aim -aishim -aiphim
所有格 -åsir -åsir -åshir -åbir -aukhir -aukhir -aukshir -aukhwir -aiçir -aiçir -aishir -aiphir
属格 -åsh -åb -auk -auk -auksha -aukhwa -aiç -aiç -aish -aiph
処格 -åqe -år -ōr -ōr -auqe -aure -aukhur -aukhur -aiqe -aire -aiçyr -aiçyr
奪格 -åge -ås -ōs -ōs -auge -auge -aukhus -aukhus -aige -aige -aiçys -aiçys
向格 -åzhe -åsh -ōsh -ōsh -auzhe -auzhe -aukhush -aukhush -aizhe -aizhe -aiçysh -aiçysh
具格 -åt -åit -åqy -œng -aukhat -avi -aukhit -aung -aiçat -aje -aiçit -aing
共格 -ång -åi -åshy -åwå -aukhang -auk -aukhja -aukhwå -aiçang -ai -aiçja -aiçwå
様格 -åli -ål -åla -åil -auli -aul -aukhil -aukhul -aili -ail -aiçil -aiçyl
変格 -åvi -åu -åva -åis -auvi -auf -aukhif -aukhuf -aivi -aif -aiçif -aiçyf
成体 成体男性 成体女性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -ak -∅/-a -as -ong -åik -åi -åis -åing -ük -ül -üm -üling
主格 -ak -ap -ai -åik -åija -åip -åijo -ük -üla -üsh -üli
呼格 -am -am -åit -åit -åim -åim -üle -üle -üm -üm
対格 -aħ -af -at -åiħ -åis -åip -åijø -üħ -üle -üf -üt
与格 -al -ai -ala -ave -åil -åije -åila -åive -ül -üli -üla -üve
令格 -am -æm -åsh -åm -åim -åim -åishim -åibim -üm -em -ylshim -ylbim
所有格 -asir -asir -ashir -abir -åijir -åijir -åishir -åibir -üsir -üsir -ylshir -ylbir
属格 -∅/-a -∅/-a -ash -ab -ôi -ôi -åish -åib -∅/-ü -∅/-ü -üsh -üb
処格 -aqe -ar -ôr -ôr -åiqe -åire -åijyr -åijyr -üqe -ür -ülur -ülur
奪格 -age -as -ôs -ôs -åige -åige -åijys -åijys -üge -üs -ülus -ülus
向格 -azhe -ash -ôsh -ôsh -åizhe -åizhe -åijysh -åijysh -üzhe -üsh -ülush -ülush
具格 -at -ait -aqy -eng -åit -åit -åiqy -åing -üt -üit -ylqy -üng
共格 -ang -ai -ashy -wa -åing -åi -åishy -åiwa -üng -üi -ylshy -ülwa
様格 -ali -al -ala -ail -åili -åijal -åila -åijyl -üli -ül -ylla -ülil
変格 -avi -au -ava -ais -åivi -åif -åiva -åijyf -üvi -üu -ylva -ülis
熟体 熟体男性 熟体女性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -ynh -yr -ym -yng -wīk -wing -wīs -wīng -jök -jœz -jös -jöng
主格 -yk -ysh -ybhi -wīk -wīga -wīp -wīgo -jök -jöza -jöp -jözu
呼格 -ynhi -ynhi -ym -ym -wī -wi -wīm -wīm -jö -jö -jöm -jöm
対格 -yç -üs -yf -yt -wīç -wī -wīgip -wīgø -jöħ -jœy -jözip -jözœ
与格 -yl -ül -yla -yve -wīl -wīge -wīgi -wīgung -jöl -jöze -jözi -jözung
令格 -ym -üm -ywsh -ywm -wīm -wīm -wīgshim -wīgwim -jöm -jöm -jœsshim -jöspim
所有格 -ynhir -ynhir -yshir -ybir -wīgir -wīgir -wīgshir -wīgwir -jözir -jözir -jœsshir -jöspir
属格 -ynh -ynh -ysh -yb -wing -wing -wīgsh -wīgwa -jœz -jœz -jœsshe -jöspa
処格 -yqe -yr -ür -ür -wīqe -wīr -wīgur -wīgur -jöqe -jör -jözur -jözur
奪格 -yge -ys -üs -üs -wīge -wīge -wīgus -wīgus -jöge -jöge -jözus -jözus
向格 -yzhe -ysh -üsh -üsh -wīzhe -wīzhe -wīgush -wīgush -jözhe -jözhe -jözush -jözush
具格 -yt -ynt -yqy -yng -wīgat -wī -wīgit -wīng -jözat -jœy -jözit -jöng
共格 -yng -yç -yshy -ywo -wīgang -wing -wīgja -wīgwo -jözang -jœz -jözha -jözwo
様格 -yli -yl -yla -yil -wīli -wīl -wīgil -wīgul -jöli -jöl -jözil -jözul
変格 -yvi -yf -yva -yis -wīvi -wīf -wīgif -wīguf -jövi -jöf -jözif -jözuf
永体 不活動成体
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -es -es -esh -eis -œl -œy -œf -œs
主格 -ek -esha -ei -œk -œsh -ös
呼格 -enøs -enøs -emuz -emuz -œl -œy -œf -œs
対格 -eħ -jes -ef -et -œħ -øs -œf -œt
与格 -el -jel -ela -eve -œl -øl -œla -œve
令格 -em -jem -øsh -øm -œm -øm -œshim -œbim
所有格 -esir -esir -eshir -ebir -œlir -œlir -œshir -œbir
属格 -es -es -esh -eb -œl -œl -œsh -œb
処格 -eqe -er -ër -ër -œqe -œr -ör -ör
奪格 -ege -es -ës -ës -œge -œs -ös -ös
向格 -ezhe -esh -ësh -ësh -œzhe -œsh -ösh -ösh
具格 -et -eit -eqy -eis -œt -œit -œqy -œs
共格 -eng -ei -eshy -ewo -œng -œi -œshy -œwå
様格 -eli -el -ela -eil -œli -œl -œla -œyl
変格 -evi -eu -eva -eis -œvi -œf -œva -œys
  • dazh- 祭司、司祭
  • dœnq'- 患者
  • shüg- 兵士
  • xhemn- 戦士

成体には上記の形の他に、成体両性を-isとするもう一つの形式が存在する。成体両性が-isの場合、男性形は-ud、女性形は-eishになる。

成体 成体男性 成体女性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -isk -is -üsh -ēf -ūk -ud -ūs -ūng -eik -eish -eis -eing
主格 -isk -ēs -üp -wez -ūk -ūda -ūp -ūdo -eik -eisha -eip -eishy
呼格 -is -is -üm -wan -ūt -ūt -ūm -ūm -ei -ei -eisham -eisham
対格 -īç -is -üp -wei -ūħ -ūs -ūf -ūdø -eiç -eje -eif -eishø
与格 -īl -īs -üla -wēve -ūl -ūde -ulla -ūve -eil -eishe -eishla -eive
令格 -īm -īm -ysshim -effim -ūm -ūm -ūxhim -ūdwim -eim -eim -isshim -eishpim
所有格 -īsir -īsir -ysshir -effir -ūdir -ūdir -ūdshir -ūdwir -eishir -eishir -isshir -eishpir
属格 -is -is -üsh -ēf -ūd -ūd -ūxha -ūdwa -eish -eish -issha -eishpa
処格 -īqe -īre -üshyr -ēfur -ūqe -ūre -ūdur -ūdur -eiqe -eire -eishyr -eishyr
奪格 -īge -īge -üshys -ēfus -ūge -ūge -ūdus -ūdus -eige -eige -eishys -eishys
向格 -īzhe -īzhe -üshysh -ēfush -ūzhe -ūzhe -ūdush -ūdush -eizhe -eizhe -eishysh -eishysh
具格 -īsat -īs -üsh -ēf -ūdat -ūdit -ūng -eishat -ei -eishit -eing
共格 -īsang -is -üsha -ēfwa -ūdang -ud -ūdja -ūdwa -eishang -eish -eishja -eishwa
様格 -īli -īl -üshil -ēful -ūli -ūdal -ūdil -ūdul -eishali -eishal -eishil -eishyl
変格 -īvi -īf -üshif -ēfuf -ūvi -ūdu -ūdif -ūduf -eishavi -eishu -eishif -eishyf
  • baðris ゾンビ
  • mjōris 民間人
  • tågris ピエロ
  • gandris 他人

上記曲用はは成体以外の-isで終わる名詞もとる。この場合、不定数無格は-iskでなく-isとなる。

不定数 単数 双数 複数
無格 -is -is -üsh -ēf
主格 -isk -ēs -üp -wez
呼格 -is -is -üm -wan
対格 -īç -is -üp -wei
与格 -īl -īs -üla -wēve
令格 -īm -īm -ysshim -effim
所有格 -īsir -īsir -ysshir -effir
属格 -is -is -üsh -ēf
処格 -īqe -īre -üshyr -ēfur
奪格 -īge -īge -üshys -ēfus
向格 -īzhe -īzhe -üshysh -ēfush
具格 -īsat -īs -üsh -ēf
共格 -īsang -is -üsha -ēfwa
様格 -īli -īl -üshil -ēful
変格 -īvi -īf -üshif -ēfuf
  • agufis 城(不活動成体)
  • madlis 胎児(潜在体)
  • malis 迷宮(熟体)
  • temis 黄金(永体)
  • ðamis 闇(永体)
  • zudnis 東(抽象体)
生物型

人間以外の生物(動物や昆虫、植物)がとる曲用。人間以外は亜成体・熟体のサブクラス(男性・女性)を区別しない。

潜在体 幼体 亜成体
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -æz -ær -æsh -æħå -y -im -el -isk -år -åm -œng
主格 -æk -æza -æsha -ægår -ik -ija -ish -igår -åk -åra -åsh -ågår
呼格 -e -e -æm -æm -ipa -ipa -im -im -åm -åm
対格 -æħ -æis -æpø -æt -iç -is -ipø -it -åħ -œs -åpø -åt
与格 -æl -æil -ævin -æve -il -il -ivin -ive -ål -œl -åvin -åve
令格 -æm -æim -æshim -æbim -im -im -ishim -ibim -åm -œm -åshim -åbim
所有格 -æsir -æsir -æshir -æbir -imir -imir -ishir -ibir -åsir -åsir -åshir -åbir
属格 -æsh -æb -im -im -ish -ib -åsh -åb
処格 -æqe -ær -ör -ör -iqe -ir -ijæn -ijæn -åqe -år -åur -åur
奪格 -æge -æs -ös -ös -ige -is -igha -igha -åge -ås -åus -åus
向格 -æzhe -æsh -ösh -ösh -izhe -ish -iħen -iħen -åzhe -åsh -åush -åush
具格 -æti -æt -æqy -æton -iti -it -iqy -iton -åti -åt -åqy -åton
共格 -ægi -æng -æshy -æson -igi -ing -ishy -ison -ågi -ång -åshy -åson
様格 -æli -æl -æla -ælon -ili -il -ila -ilon -åli -ål -åla -ålon
変格 -ævi -æu -æva -ævon -ivi -iu -iva -ivon -åvi -åu -åva -åvon
成体 成体男性 成体女性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -∅/-a -∅/-ar -am -eng -œt -œt -œtam -œting -er -er -(e)ram -(e)ring
主格 -ak -ash -agår -œtak -œtā -œtash -œggår -(e)rak -(e)rā -(e)rash -ergår
呼格 -am -am -œti -œti -œtam -œtam -(e)ri -(e)ri -(e)ram -(e)ram
対格 -aħ -es -apø -at -œtaħ -œtis -œp'ø -œtat -(e)raħ -(e)ris -erpø -(e)rat
与格 -al -el -avin -ave -œtal -œtil -œbvin -œbve -(e)ral -(e)ril -ervin -erve
令格 -am -em -ashim -abim -œtam -œtim -œqim -œdwim -(e)ram -(e)rim -ershim -erbim
所有格 -asir -asir -ashir -abir -œtasir -œtasir -œqir -œdwir -ersir -ersir -ershir -erbir
属格 -∅/-a -∅/-a -ash -ab -œt -œt -œqe -œdwa -er -er -ershe -erba
処格 -aqe -ar -ôr -ôr -œqqe -œtar -œtur -œtur -erqe -(e)rar -(e)rur -(e)rur
奪格 -age -as -ôs -ôs -œgge -œtas -œtus -œtus -erge -(e)ras -(e)rus -(e)rus
向格 -azhe -ash -ôsh -ôsh -œtzhe -œtash -œtush -œtush -erzhe -(e)rash -(e)rush -(e)rush
具格 -ati -at -aqy -aton -œtti -œtat -œqqy -œtton -erti -(e)rat -erqy -erton
共格 -agi -ang -ashy -ason -œggi -œtang -œtshy -œtson -ergi -(e)rang -ershy -erson
様格 -ali -al -ala -alon -œtli -œtal -œtla -œtlon -erli -(e)ral -erla -erlon
変格 -avi -au -ava -avon -œtwi -œto -œbva -œbvon -erwi -ero -erva -ervon
熟体 老体 不活動成体
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -ynh -yr -ym -yng -om -om -osh -of -o -ur -was
主格 -yk -ya -ysh -ygår -ok -wā -osha -ovø -uk -uwa -ush -us
呼格 -ynhi -ynhi -ym -ym -opa -opa -om -om -u -u -was
対格 -yç -üs -ypø -yt -oħ -wes -opø -ot -uħ -ujs -upø -ut
与格 -yl -ül -yvin -yve -ol -wel -ovin -ove -ul -ujl -uvin -uve
令格 -ym -üm -yshim -ybim -om -wem -oshim -obim -um -ujm -ushim -ubim
所有格 -ynhir -ynhir -yshir -ybir -omir -omir -oshir -obir -usir -usir -ushir -ubir
属格 -ynh -ynh -ysh -yb -om -om -osh -ob -us -us -ush -ub
処格 -yqe -yr -ür -ür -oqe -or -ojæn -ojæn -uqe -ur -ujæn -ujæn
奪格 -yge -ys -üs -üs -oge -os -ogha -ogha -uge -us -ugha -ugha
向格 -yzhe -ysh -üsh -üsh -ozhe -osh -oħen -oħen -uzhe -ush -uħen -uħen
具格 -yti -yt -yqy -yton -oti -ot -oqy -oton -uti -ut -uqy -uton
共格 -ygi -yng -yshy -yson -ogi -ong -oshy -oson -ugi -ung -ushy -uson
様格 -yli -yl -yla -ylon -oli -ol -ola -olon -uli -ul -ula -ulon
変格 -yvi -yf -yva -yvon -ovi -ou -ova -ovon -uvi -uf -uva -uvon
永体
不定数 単数 双数 複数
無格 -es -es -esh -eis
主格 -ek -era -esha -ei
呼格 -enøs -enøs -emuz -emuz
対格 -eħ -jes -epø -et
与格 -el -jel -evin -eve
令格 -em -jem -eshim -ebim
所有格 -esir -esir -eshir -ebir
属格 -es -es -esh -eb
処格 -eqe -er -ër -ër
奪格 -ege -es -ës -ës
向格 -ezhe -esh -ësh -ësh
具格 -eti -et -eqy -eton
共格 -egi -eng -eshy -eson
様格 -eli -el -ela -elon
変格 -evi -eu -eva -evon
  • 動物・昆虫
    • airig ウサギ
    • akant- 馬
    • caiħ- カニ
    • geuv- オオカミ
    • glīnh- ブタ
    • gôxhr- ヒグマ
    • guinh- ネコ
    • jæd- 鳥
    • kadask- トラ
    • kin ハチ
    • neuchug エビ
    • ngæmau, ngæmav- ウシ
    • sfākh- カエル
    • shåcūl アブ
    • smīk- 魚
  • 植物
    • betīt- 草
    • bæsn- タバコ
    • åxak 香草、ハーブ
  • 樹木
    • cūd- カエデ
    • deirh- 柳
    • egwād- セイヨウボダイジュ
    • fardoikr- ポプラ
    • zhyvël- 果樹
  • 食材
    • abl- イチゴの果実
    • xēl- 乳
    • xūp'- ミカンの果実
    • çëp'- チーズ

成体女性の-erのうち、括弧で囲まれたeは一部の名詞で消失し、語幹と語尾が融合する。geuver「雌のオオカミ」を例に示す。

不定数 単数 双数 複数
無格 geuver geuver geuvram geuvring
主格 geuvrak geuvrā geuvrash geuvergår
呼格 geuvri geuvri geuvram geuvram
対格 xheuvraħ xheuvris xheuverpø xheuvrat
与格 xheuvral xheuvril xheuvervin xheuverve
令格 xheuvram xheuvrim xheuvershim xheuverbim
所有格 gheuversir gheuversir gheuvershir gheuverbir
属格 gheuver gheuver gheuvershe gheuverba
処格 beuverqe beuvrar beuvrur beuvrur
奪格 beuverge beuvras beuvrus beuvrus
向格 beuverzhe beuvrash beuvrush beuvrush
具格 beuverti beuvrat beuverqy beuverton
共格 beuvergi beuvrang beuvershy beuverson
様格 beuverli beuvral beuverla beuverlon
変格 beuverwi beuvero beuverva beuvervon
物質型

無生物の名詞がとる曲用。幼体・亜成体・熟体・老体は生物型と同型である。不活動成体は熱性・冷性を区別できるが、必ずしも全ての名詞が区別するわけではない。

潜在体 幼体 亜成体
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -ør -øsh -øynh -y -im -el -isk -år -åm -œng
主格 -øk -øsha -øvy -ik -ija -ish -igår -åk -åra -åsh -ågår
呼格 -øsh -øynh -y -im -el -isk -år -åm -œng
対格 -øħ -ys -øf -øþ -iç -is -ipø -it -åħ -œs -åpø -åt
与格 -øl -yl -øla -øn -il -il -ivin -ive -ål -œl -åvin -åve
令格 -øm -ytm -øshim -øbim -im -im -ishim -ibim -åm -œm -åshim -åbim
所有格 -øsir -øsir -øshir -øbir -imir -imir -ishir -ibir -åsir -åsir -åshir -åbir
属格 -øsh -øb -im -im -ish -ib -åsh -åb
処格 -ør -øy -øu -iqe -ir -ijæn -ijæn -åqe -år -åur -åur
奪格 -øs -øn -øs -ige -is -igha -igha -åge -ås -åus -åus
向格 -øsh -øħ -øk -øk -izhe -ish -iħen -iħen -åzhe -åsh -åush -åush
具格 -øti -øt -øqy -øton -iti -it -iqy -iton -åti -åt -åqy -åton
共格 -øgi -øng -øshy -øson -igi -ing -ishy -ison -ågi -ång -åshy -åson
様格 -øli -øl -øla -ølon -ili -il -ila -ilon -åli -ål -åla -ålon
変格 -øvi -øu -øva -øvon -ivi -iu -iva -ivon -åvi -åu -åva -åvon
不活動成体 不活動成体熱性 不活動成体冷性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -∅/-o -∅/-or -ou -os -ær -eu -ês -ip -ip -ipo -ipas
主格 -uk -ush -us -æk -eu -æsh -æs -īk -īp -īsh -īs
呼格 -∅/-o -∅/-or -ou -os -ær -eu -as -ip -ip -ipo -ipas
対格 -uħ -ys -uf -uþ -æħ -es -æf -æþ -īç -ipis -īf -ipiþ
与格 -ul -yl -ula -un -æl -el -æla -æn -īl -ipil -ipla -ipin
令格 -um -ym -ushim -ubim -æm -em -æshim -æbim -īm -ipim -ipshim -ibbim
所有格 -usir -usir -ushir -ubir -æsir -æsir -æshir -æbir -ipir -ipir -ipshir -ibbir
属格 -u -u -ush -ub -ês -ês -æsh -æb -ip -ip -ipsha -ibba
処格 -ur -u -ui -ær -æi -æu -īr -ip -ipi -ipo
奪格 -us -un -yo -wo -æs -æn -æjo -æwo -īs -īn -ipjo -ipwo
向格 -ush -uħ -uk -uk -æsh -æħ -æk -æk -īsh -īç -īk -īk
具格 -uti -ut -uqy -uton -æti -æt -æqy -æton -ipti -īt -iqqy -ipton
共格 -ugi -ung -ushy -uson -ægi -æng -æshy -æson -ikki -īng -ipshy -ipson
様格 -uli -ul -ula -ulon -æli -æl -æla -ælon -ipli -īl -ipla -iplon
変格 -uvi -uf -uva -uvon -ævi -æu -æva -ævon -ibvi -īf -ibva -ibvon
熟体 老体 永体
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -ynh -yr -ym -yng -om -om -osh -of -al -ār -(a)lash -(a)lis
主格 -yk -ya -ysh -ygår -ok -wā -osha -ovø -(a)lak -(a)la -alsha -(a)li
呼格 -ynh -yr -ym -yng -om -om -osh -of -alnøs -alnøs -almuz -almuz
対格 -yç -üs -ypø -yt -oħ -wes -opø -ot -(a)laħ -(a)lis -(a)laf -(a)laþ
与格 -yl -ül -yvin -yve -ol -wel -ovin -ove -(a)lal -(a)lil -alla -(a)lan
令格 -ym -üm -yshim -ybim -om -wem -oshim -obim -(a)lam -(a)lim -alshim -albim
所有格 -ynhir -ynhir -yshir -ybir -omir -omir -oshir -obir -alir -alir -alshir -albir
属格 -ynh -ynh -ysh -yb -om -om -osh -ob -al -al -alsha -alba
処格 -yqe -yr -ür -ür -oqe -or -ojæn -ojæn -(a)lar -(a)la -(a)li -(a)lo
奪格 -yge -ys -üs -üs -oge -os -ogha -ogha -(a)las -(a)lan -ajo -alwo
向格 -yzhe -ysh -üsh -üsh -ozhe -osh -oħen -oħen -(a)lash -(a)laħ -(a)lak -(a)lak
具格 -yti -yt -yqy -yton -oti -ot -oqy -oton -alti -(a)lat -alqy -alton
共格 -ygi -yng -yshy -yson -ogi -ong -oshy -oson -algi -(a)lang -alshy -alson
様格 -yli -yl -yla -ylon -oli -ol -ola -olon -alli -(a)lal -alla -allon
変格 -yvi -yf -yva -yvon -ovi -ou -ova -ovon -alvi -alo -alwa -alwon
  • agn- 網
  • bang, bagg- 銅
  • bulg- 柱
  • dāzh- 箱
  • ferg- 銀
  • fåss- 皿
  • kipt- 氷
  • küz 矢
  • mjāk- 麻糸
  • nūn- 村
  • pardil 机
永神型

永体・神体の区別を基軸とし、永体が-en、神体が-inaで終わる汎クラス名詞の曲用。

永体 神体
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -en -en -ensh -enis -ina -ina -ima -iza
主格 -enk -eda -ensha -eni -inā -inā -imā -izā
呼格 -ennøs -ennøs -emmuz -emmuz -ignæ -ignæ -igmæ -iksæ
対格 -eħ -enis -emf -ent -jens -jens -imes -izes
与格 -el -enil -ella -emve -jēl -jēl -imel -izel
令格 -em -enim -enush -enum -jēm -jēm -imem -izem
所有格 -enir -enir -enshir -embir -inir -inir -immir -inzir
属格 -en -en -ensha -emba -ina -ina -imma -inza
処格 -enqe -ēr -enur -enur -yn -yn -ym -yz
奪格 -enge -ēs -enus -enus -ynas -ynas -ymas -yzas
向格 -enzhe -ēsh -enush -enush -ynash -ynash -ymash -yzash
具格 -ent -enit -enqy -enis -ynit -ynit -ymit -yzit
共格 -ēng -eni -enshy -enwa -yni -yni -ymi -yzi
様格 -elli -ēl -ella -enil -ynal -ynal -ymal -yzal
変格 -emvi -eno -emva -enis -unau -unau -ymau -yzau
  • ākhina 天使
  • bait- 星、恒星
  • nastina 聖地
  • osmina 大海
  • tūr- 桃源郷
  • ðirmina 冥界
成不型

成体・不活動成体の区別を基軸とし、成体が-ul、不活動成体が-asで終わる名詞の曲用。潜在体は動物型と同様の形をとる。亜成体・熟体はこの曲用形からは派生しない。

成体 不活動成体 潜在体
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -ul -ur -ush -ub -as -ār -ash -aspe -æz -ær -æsh -æħå
主格 -uk -ūl -ulsha -ulbhi -ak -ās -assha -asphi -æk -æza -æsha -ægår
呼格 -ule -ule -ūm -ūm -as -ār -ash -aspe -e -e -æm -æm
対格 -uħ -ys -uf -uþ -aħ -æs -af -aþ -æħ -æis -æpø -æt
与格 -ul -yl -ula -un -al -æl -ala -an -æl -æil -ævin -æve
令格 -um -ym -ushim -ubim -am -æm -ashim -abim -æm -æim -æshim -æbim
所有格 -ulir -ulir -ushir -ubir -asir -asir -ashir -abir -æsir -æsir -æshir -æbir
属格 -ul -ul -ush -ub -as -as -ash -ab -æsh -æb
処格 -ulqe -ūr -ulur -ulur -ar -a -ai -au -æqe -ær -ör -ör
奪格 -ulge -ūs -ulus -ulus -as -an -ajo -awo -æge -æs -ös -ös
向格 -ulzhe -ūsh -ulush -ulush -ash -aħ -ak -ak -æzhe -æsh -ösh -ösh
具格 -ulti -ūt -ulqy -ulton -ati -at -asty -aston -æti -æt -æqy -æton
共格 -ulgi -ūng -ulshy -ulson -agi -ang -asshy -asson -ægi -æng -æshy -æson
様格 -ulli -ūl -ulla -ullon -ali -al -ala -aslon -æli -æl -æla -ælon
変格 -ulvi -ūlo -ulva -ulvon -avi -au -ava -asfon -ævi -æu -æva -ævon
幼体 老体
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 -iþ -īr -ille -ikke -ôr -osh -ôf
主格 -ik -īþ -ish -iggår -ok -ôsha -ôvø
呼格 -iþe -iþe -im -im -awe -awe -om -om
対格 -iç -is -if -aþ -oħ -œs -of -oþ
与格 -il -il -ila -in -ol -œl -ola -on
令格 -im -im -ishim -ibim -om -œm -oshim -obim
所有格 -iþir -iþir -ishir -ibir -osir -osir -oshir -obir
属格 -iþ -iþ -ish -ib -os -os -osh -ob
処格 -iqe -ir -iþur -iþur -oqe -or -our -our
奪格 -ige -is -iþus -iþus -oge -os -ous -ous
向格 -izhe -ish -iþush -iþush -ozhe -osh -oush -oush
具格 -iti -it -iqy -iton -oti -ot -oqy -oton
共格 -igi -ing -ishy -ison -ogi -ong -oshy -oson
様格 -ili -il -ila -ilon -oli -ol -ola -olon
変格 -ivi -iu -iva -ivon -ovi -ou -ova -ovon
拡張格

拡張格はいずれも、基底前の格に接尾辞を接続することで形成する。接尾辞は全部で15種類あるが、それぞれの接尾辞がいくつかの基底格に接続することで様々な拡張格が派生していく。

接尾辞と対応する拡張格は下記の通りである。

呼格 属格 処格 奪格 向格 具格 共格 様格 変格
保有接辞 奉格 含格 拘格 反格 正格 違格
内面接辞 由格 内格 出格 入格 因格 受益格
表層接辞 接格 離格 着格 動機具格 動機共格
反面接辞 恨格 謂格 上格 上奪格 上向格 欠格 除格 理格 雖格
基幹接辞 下格 下奪格 下向格 仮定格 割格
間隙接辞 間格 間奪格 間向格
近傍接辞 傍格 傍奪格 傍向格 他格 係格 概格 迄格
近隣接辞 隣格 隣奪格 隣向格 依格 伴格 同等格 比較格
外周接辞 評格 似格 周格 周奪格 周向格
全体接辞 演格 同格 全格 全奪格 全向格 通格 異格
超越接辞 奏格 越格 越奪格 越向格 無用格 不能格 代格 役格
外縁接辞 沿格 沿奪格 沿向格 例示格 場合格
時間接辞 時格 始格 終格 中格
開始接辞 前格 前始格 前終格 前中格
終了接辞 後格 後始格 後終格 後中格

一つの接尾辞には大きく分けて3種類の形態。それらの形態は直前の音、すなわち基底格の語尾の種類(子音で終わるか、母音で終わるか等)に応じて変化する。

子音後形 母音後強形 母音後弱形
保有接辞 -or -dor -r
内面接辞 -ng -ng
表層接辞 -eu -meu -m
反面接辞 -sā -sā -s
基幹接辞 -uħ -ko -k
間隙接辞 -a -hæ -hæ
近傍接辞 -o -fo -f
近隣接辞 -we -be -be
外周接辞 -am -þam
全体接辞 -aħ -na -na
超越接辞 -(e)t -to -t
外縁接辞 -ynh -nh -nh
時間接辞 -el -næl -næl
開始接辞 -ut -våt -våt
終了接辞 -uþ -våþ -våþ

子音後形は子音の後に、母音後形は母音の後に用いられる。母音後形には強形と弱形の2種類があり、強形は基底格の語尾が1音節で構成される場合(例えば共性曲用子音型であれば不定数/単数呼格の-iなど)、弱形は2音節以上で構成される場合(共性曲用子音型であれば双数様格や双数変格など)に使用される。

ただし、以下のような例外も存在する。

  • 借用語彙曲用の処格・奪格・向格語尾は、末尾が母音で終わっている場合はその母音を消去した上で子音後形を、-nで終わっている場合は-nを消去した上で母音後弱形を、それぞれ用いる。
  • 反面接辞-sāが有声子音や帯気子音に接続する場合、無声化・無気化する。ただし-m, -ngに接続する場合はそれぞれ-misā, -nksāとなる。
不規則曲用
語尾の長音化
アクセント位置が語尾の直前にない場合、2音節以上の曲用語尾は頭が長母音化する。avan「神」(共性曲用子音型)を例に示すが、共性曲用に限らずすべての曲用がこの変化をとる。
不定数 単数 双数 複数
無格 avan avan avanesh avanēħå
主格 avanek avanā avanēsha avanēgår
呼格 avanegnæ avanegnæ avanegmæ avaneksæ
対格 ævanaħ ævanes ævanēpø ævanērun
与格 ævanal ævanel ævanēvin ævanēvøs
令格 ævanam ævanem ævanēshim ævanēbim
所有格 havanir havanir havanēshir havanēbir
属格 havan havan havanesh havaneb
処格 åvaner åvanar åvanër åvanër
奪格 åvanes åvanas åvanës åvanës
向格 åvanesh åvanash åvanësh åvanësh
具格 åvanet åvanat åvanēqy åvanœt
共格 åvaneng åvanang åvanēshy åvanœs
様格 åvanel åvanal åvanēla åvanœl
変格 åvaneu åvanau åvanēva åvanøu
語幹の母音消失
第一曲用子音型・第二曲用A型・第三曲用A型・第五曲用O型・第七曲用子音型など、原形(辞書形)が子音で終わる名詞の一部は、原形以外で語幹の母音の一部が消失する。辞書では「変化」欄に辞書形以外で用いる語幹の形が「通常語幹」として示されている。
  • aibhen「島」:aibn-
  • balem「帆」:balm-
  • domen「額」:domn-
  • meupen「半島」:meubn-
  • paran「乳首」:parn-
-ngで終わる名詞
語尾が-ngで終わる名詞は、ngがggに変化する。ただし、原形でngの直前にアクセントが無い場合、ngはgに変化する。
  • bang「銅」:単数主格baggū
  • cung「腸」:単数主格cuggā
  • stong「土地」:単数主格stoggā
語幹が長子音になる名詞

子音で終わる名詞の一部は、原形以外で末尾の子音が長子音化する。

  • hat「息子」:hatt-
  • mediþ「北」:mediþþ-
  • wexhet「山」:wexhett-
  • çyþ「角」:çyþþ-
融合型
共性曲用や地点曲用の名詞の一部は、双数形・複数形において語幹と語尾が融合する。fer「歯」、rep「片目」を例に曲用を示す。
fer「歯」
不定数 単数 双数 複数
無格 fer ferem ferāl feresk
主格 ferek ferā fersha fergår
呼格 ferepa ferepa ferem ferem
対格 firaħ fires firpø firrun
与格 firal firel firvin firvøs
令格 firam firem firshim firbim
所有格 frerir frerir frershir frerbir
属格 frer frer freresh frereb
処格 pferer pferar pferër pferër
奪格 pferes pferas pferës pferës
向格 pferesh pferash pferësh pferësh
具格 pferet pferat pferqy pferœt
共格 pfereng pferang pfershy pferœs
様格 pferel pferal pferla pferœl
変格 pfereu pferau pferva pferøu
rep「片目」
不定数 単数 双数 複数
無格 rep repem repāl repesk
主格 repek repā repsha repegår
呼格 repepa repepa repem repem
対格 ripaħ ripes rippø riprun
与格 ripal ripel ribvin ribvøs
令格 ripam ripem ripshim ribbim
所有格 rhepir rhepir rhepshir rhebbir
属格 rhep rhep rhepesh rhepeb
処格 røper røpar røpër røpër
奪格 røpes røpas røpës røpës
向格 røpesh røpash røpësh røpësh
具格 røpet røpat røpqy røpœt
共格 røpeng røpang røpshy røpœs
様格 røpel røpal røpla røpœl
変格 røpeu røpau røbva røpøu
二重母音で終わる名詞
原形が二重母音で終わる名詞は、辞書形以外の変化において後部のi、uが子音j、 vに変化する。それらの名詞の格変化は、基本的には辞書形が子音で終わる曲用となる。ただし、品詞転換規則によりその二重母音が長母音になる場合、その部分は子音型ではなく母音型の曲用をとる。共性曲用の名詞xhou「葉」を例に曲用を示す。主格語幹、接続語幹、連体語幹が子音型をとるのに対し、連用語幹が母音型となっている。
不定数 単数 双数 複数
無格 xhou xhovem xhovāl xhovesk
主格 xhovek xhovā xhovesha xhovegår
呼格 xhovepa xhovepa xhovem xhovem
対格 xhøvaħ xhøves xhøvepø xhøverun
与格 xhøval xhøvel xhøvevin xhøvevøs
令格 xhøvam xhøvem xhøveshim xhøvebim
所有格 qhovir qhovir qhoveshir qhovebir
属格 qhov qhov qhovesh qhoveb
処格 xhūqe xhūr xhūğur xhūğur
奪格 xhūge xhūs xhūğus xhūğus
向格 xhūzhe xhūsh xhūğush xhūğush
具格 xhūti xhūt xhūqy xhūton
共格 xhūgi xhūng xhūshy xhūson
様格 xhūli xhūl xhūla xhūlon
変格 xhūvi xhūf xhūva xhūvon

代名詞

代名詞は名詞の代わりとして用いることができるものである。分類上は名詞に属し、通常の名詞と同様に名詞クラスの区別や格変化をとる。ただし、どの名詞クラスにも該当するものや名詞クラスが不明なものに用いられる「不定性代名詞」も存在する。

代名詞には、人間に対して用いる「人称代名詞」、人間以外の生物に対して用いる「生物代名詞」、非生物に対して用いる「指示代名詞」の3種類が存在する。人称代名詞、および生物代名詞は成体・幼体・亜成体・熟体・老体・永体の6種類を区別し、指示代名詞は神体を除く9種類の名詞クラスを区別する。神体は指示代名詞を用いることが出来ない。

代名詞も通常の名詞と同様、格変化をとる。ただしその曲用は不規則なものばかりであり、分類上は双数や複数でありながら形態上は単数変化をとる代名詞、品詞転換が行われず、どの曲用形とも似つかない特殊な語尾をとる名詞など、様々な形態が存在する。

人称代名詞

人間に対して用いられる代名詞である。人称は「1人称」「2人称」「3人称」「不定称」「疑問称」の5種類が存在する。それぞれ以下のような特徴が存在する。

  • 2人称・3人称は名詞クラスを区別する。成体・幼体・亜成体・熟体・老体・永体の4種類が存在する。これは動詞の人称語尾にも見られる特徴である。3人称には更に、性を限定しない「不定性」が存在する。
  • 1人称・2人称は不定数が存在しない。こちらも動詞の人称語尾にも見られる特徴である。
  • 1人称の双数・複数は「除外形」と「包括形」を区別する。除外形は聞き手を含めない1人称、包括形は聞き手を含めた1人称を表す。
  • 3人称成体・亜成体・不活動成体は更にサブクラスも区別する。
  • 1人称は「通常形」「尊大形」「謙遜形」「略形」の4種類が存在する。それぞれ以下のような意味合いを持つ。
    • 通常形:通常の人称代名詞。
    • 尊大形:自らを尊ぶ言い方。王侯貴族や尊大な人間が用いる。
    • 謙遜形:へりくだる際に用いる。
    • 略形 :くだけた場面や、その代名詞が話の中で2回目以降に登場する際に用いる。
  • 2人称成体・3人称成体は「親称」「敬称」「蔑称」「略形」の4種類が存在する。それぞれ以下のような意味合いを持つ。
    • 親称:親しい相手に用いる。
    • 敬称:自身より目上の相手に用いる。
    • 蔑称:自身より目上の相手に用いる。
    • 略形:くだけた場面や、その代名詞が話の中で2回目以降に登場する際に用いる。
  • 2人称と3人称の幼体・亜成体・熟体・老体は「通常形」と「略形」の2種類を区別する。
  • 不定称は「誰か」、疑問称は「誰」を意味する。
  • 不定称・疑問称には「非限定形」「限定形」の2種類が存在する。前者は範囲を限定しない「誰か」、後者は限られた人間の範囲中の「誰か」を意味する。英語のwhatとwhichの関係に相当する。
  • 通常、1人称・2人称・3人称の曲用は汎クラス曲用人間型をとるが、一部の人称代名詞は不規則な変化をとる。特に1・2人称はほとんどが不規則変化である。双数形・複数形であっても第二曲用の単数形のような変化をとるものも多い。
  • 所有格はあまり用いられず、後述する所有限定詞を用いることが多い。

全ての人称代名詞を表示する。太字下線部は不規則曲用をとることを示す。代名詞の詳細や不規則曲用については後述する。

不定数 単数 双数 複数
1人称 除外形 通常形 ilêsh mavil veharong
尊大形 gnāla gnālas gnālong
謙遜形 nei īma jång
略形 il mau vrong
包括形 通常形 nexhīl benīxhil
尊大形 gnalla gnauba
謙遜形 nåixhil benåixhil
略形 kæxha blong
2人称 成体 親称 両性 nudei kamīr dixorda
男性 nuddei kamīr dixodda
女性 nuxhei kamīr dixorxha
敬称 両性 nedøn kamīr benīda
男性 nedød kamīr benidda
女性 nedønsh kamīr benīxha
蔑称 両性 nou novas novong
男性 zunou zunovas zunovong
女性 zhinou zhinovas zhinovong
略形 両性 nen kæm xor
男性 ned kæm xodda
女性 nensh kæm xorxha
亜成体 通常形 両性 swôl kadôb dijêbhe
男性 swålkhe kadôb dijökhe
女性 swôlhje kadôb dijēçe
略形 両性 swål kåb jæb
男性 swåkh kåb jækh
女性 swålh kåb jæç
熟体 通常形 両性 tagūnhe kaxhyz digīþ
男性 taguige kaxhyz digīd
女性 tagynze kaxhyz digīsh
略形 両性 tånhe kæxhe giþ
男性 tågge kæxhe gid
女性 tånze kæxhe gish
幼体 通常形 tilhång didme dixōt
略形 tilh din xot
老体 通常形 ixång disme dixōs
略形 xil dis xos
永体 ertholes ertholem ertholeis
3人称 成体 親称 両性 mëzisk mëzis mëzüsh mëzēf
男性 mëzūk mëzud mëzūs mëzūng
女性 mëzeik mëzeish mëzeis mëzeing
敬称 両性 besh messa tumīr mestam
男性 bexha mesta tumīr zolhëna
女性 bessha messha tumīr aizhin
蔑称 両性 ustak usta ustas ustong
男性 zojak zoi zojas zojong
女性 zhī zhī zhīsh zhīng
略形 両性 resa mes tøm man
男性 œmūk œmud œmūs œmūng
女性 œmeik œmeish œmeis œmeing
亜成体 通常形 両性 dôbåk dôbå dôbåm dôbœng
男性 dôbauk dôbauk dôbaus dôbaung
女性 dôbaik dôbaiç dôbais dôbaing
略形 両性 œmåk œmå œmåm œmœng
男性 œmauk œmauk œmaus œmaung
女性 œmaik œmaiç œmais œmaing
熟体 通常形 両性 xhüzynh xhüzyr xhüzym xhüzyng
男性 xhüzwīk xhüzwing xhüzwīs xhüzwīng
女性 xhüzjök xhüzjœz xhüzjös xhüzjöng
略形 両性 œmynh œmyr œmym œmyng
男性 œmwīk œmwing œmwīs œmwīng
女性 œmjök œmjœz œmjös œmjöng
幼体 通常形 nœnty nœntim nœntel nœntisk
略形 œty œtim œtel œtisk
老体 通常形 nœnsom nœnsom nœnsom nœnsong
略形 œsom œsom œsom œsong
永体 kwårtholes kwårtholer kwårtholem kwårtholeis
不定性 wai wai wajas wajong
不定称 非限定形 dhærak dhæra dhæras dhærong
限定形 dhurak dhura dhuras dhurong
疑問称 非限定形 p'ærak p'æra p'æras p'ærong
限定形 p'urak p'ura p'uras p'urong

不規則変化は下記の通り。

1人称通常形
除外形 包括形
単数 双数 複数 双数 複数
無格 ilêsh mavil veharong nexhīl benīxhil
主格 læsshā mavyp vehargā nexhīlā benīxhilā
呼格 ilêshæ mavilæ veharæ nexhīlæ benīxhilæ
対格 zhêsh mævil vihar nhexhīl benhīxhil
与格 zhæsshai mævilai viharai nhexhīlai benhīxhilai
令格 zhæsshæm mævilæm viharæm nhexhīlæm benhīxhilæm
所有格 ilhêshir whavilir feharir þexhīlir beþīxhilir
属格 ilhêsh whavil fehar þexhīl beþīxhil
処格 ilöshar umvilur bveharur nøxhīlur benüxhilur
奪格 ilöshas umvilus bveharus nøxhilus benüxhilus
向格 ilœshash umvilush bveharush nøxhīlush benüxhilush
具格 ilöshit umvilit bveharing nøxhīlit benüxhiling
共格 ilösh umvil bvehar nøxhīla benüxhila
様格 ilöshal umvilal bveharil nøxhīlal benüxhilil
変格 ilöshau umvilau bveharis nøxhīlau benüxhilis
1人称略形
除外形 包括形
単数 双数 複数 双数 複数
無格 il mau vrong kæxha blong
主格 lai mavā vroggā kæxhā bloggā
呼格 ilæ mavæ vroggæ kæxhæ bloggæ
対格 zhæi meu vrøng qæxhæ bloggæ
与格 zhai mævai vrøggai qæxhai bløggai
令格 zhæm mævæm vrøggæm qæxhæm bløggæm
所有格 ilhir whavir froggir khæxhir bhloggir
属格 ilshe whau frong khæxhe bhlong
処格 ylar umåvur vruggur pæxhur vloggur
奪格 ylas umåvus vruggus pæxhus vloggus
向格 ylash umåvush vruggush pæxhush vloggush
具格 ylit umåvit vrugging pæxhit vlogging
共格 yla umåva vrung pæxha vlong
様格 ylal umåval vruggil pæxhal vloggil
変格 ylau umåvau vruggis pæxhau vloggis
2人称成体両性
親称 敬称 略形
単数 双数 複数 単数 双数 複数 単数 双数 複数
無格 nudei kamīr dixorda nedøn kamīr benīda nen kæm xor
主格 nudjā kamīrā dixordā nedønā kamīrā benīdā nenā kæmā xorā
呼格 nudæ kamīri dixordæ nednæ kamīri benīdæ nenæ kæmi xoræ
対格 nhydæ qamīres dixjor nheune qamīres benhīde nhē qæmes xjor
与格 nhydai qamīrel dixjorai nheunai qamīrel benhīdai nhai qæmel xjorai
令格 nhydæm qamīrem dixjoræm nheunæm qamīrem benhīdæm nhem qæmem xjoræm
所有格 þudejir khamīrir dichordir þedønir khamīrir beþīdair þenir khæmir chorir
属格 þudei khamīr dichorda þedøn khamīr beþīda þen khæm chor
処格 nudjar pamīrar dixurdur nødønar pamīrar benüdur nønar pæmar xurur
奪格 nudjas pamīras dixurdus nødønas pamīras benüdus nønas pæmas xurus
向格 nudjash pamīrash dixurdush nødønash pamīrash benüdush nønash pæmash xurush
具格 nudjit pamīrat dixurding nødønit pamīrat benüding nønit pæmat xuring
共格 nudja pamīrang dixurda nødøna pamīrang benüda nøna pæmang xura
様格 nudjal pamīral dixurdil nødønal pamīral benüdil nønal pæmal xuril
変格 nudjau pamīrau dixurdis nødønau pamīrau benüdis nønau pæmau xuris
2人称成体男性
親称 敬称 略形
単数 双数 複数 単数 双数 複数 単数 双数 複数
無格 nuddei kamīr dixodda nedønda kamīr benidda ned kæm xodda
主格 nuddjā kamīrā dixoddā nedøndā kamīrā beniddā nendā kæmā xoddā
呼格 nuddæ kamīri dixoddæ nedøndæ kamīri beniddæ nendæ kæmi xoddæ
対格 nhyddæ qamīres dixjodde nhønde qamīres benhidde nhende qæmes xjodde
与格 nhyddai qamīrel dixjoddai nhøndai qamīrel benhiddai nhendai qæmel xjoddai
令格 nhyddæm qamīrem dixjoddæm nhøndæm qamīrem benhiddæm nhendæm qæmem xjoddæm
所有格 þuddejir khamīrir dichoddir þedøndir khamīrir beþiddair þendir khæmir choddir
属格 þuddei khamīr dichodda þedønda khamīr beþidda þend khæm chodda
処格 nuddjar pamīrar dixuddur nødøndar pamīrar benyddur nøndar pæmar xuddur
奪格 nuddjas pamīras dixuddus nødøndas pamīras benyddus nøndas pæmas xuddus
向格 nuddjash pamīrash dixuddush nødøndash pamīrash benyddush nøndash pæmash xuddush
具格 nuddjit pamīrat dixudding nødøndit pamīrat benydding nøndit pæmat xudding
共格 nuddja pamīrang dixudda nødønda pamīrang benydda nønda pæmang xudda
様格 nuddjal pamīral dixuddil nødøndal pamīral benyddil nøndal pæmal xuddil
変格 nuddjau pamīrau dixuddis nødøndau pamīrau benyddis nøndau pæmau xuddis
2人称成体女性
親称 敬称 略形
単数 双数 複数 単数 双数 複数 単数 双数 複数
無格 nuxhei kamīr dixorxha nedønsh kamīr benīxha nensh kæm xorxha
主格 nuxhjā kamīrā dixorxhā nedønshā kamīrā benīxhā nenshā kæmā xorxhā
呼格 nuxhæ kamīri dixorxhæ nedønshæ kamīri benīxhæ nenshæ kæmi xorxhæ
対格 nhyxhæ qamīres dixjorxhe nhønshe qamīres benhīxhe nhenshe qæmes xjorxhe
与格 nhyxhai qamīrel dixjorxhai nhønshai qamīrel benhīxhai nhenshai qæmel xjorxhai
令格 nhyxhæm qamīrem dixjorxhæm nhønshæm qamīrem benhīxhæm nhenshæm qæmem xjorxhæm
所有格 þuxhejir khamīrir dichorxhir þedønshir khamīrir beþīxhair þenshir khæmir chorxhir
属格 þuxhei khamīr dichorxha þedønsh khamīr beþīxha þensh khæm chorxha
処格 nuxhjar pamīrar dixurxhur nødønshar pamīrar benüxhur nønshar pæmar xurxhur
奪格 nuxhjas pamīras dixurxhus nødønshas pamīras benüxhus nønshas pæmas xurxhus
向格 nuxhjash pamīrash dixurxhush nødønshash pamīrash benüxhush nønshash pæmash xurxhush
具格 nuxhjit pamīrat dixurxhing nødønshit pamīrat benüxhing nønshit pæmat xurxhing
共格 nuxhja pamīrang dixurxha nødønsha pamīrang benüxha nønsha pæmang xurxha
様格 nuxhjal pamīral dixurxhil nødønshal pamīral benüxhil nønshal pæmal xurxhil
変格 nuxhjau pamīrau dixurxhis nødønshau pamīrau benüxhis nønshau pæmau xurxhis
3人称成体略形
不定数 単数 双数 複数
無格 resa mes tøm man
主格 resak mejā tømā manā
呼格 res mei tømæ manæ
対格 resaħ mis cøm mæn
与格 resal misai cømai mænai
令格 resam misæm cømæm mænæm
所有格 rhessir whessir thømir whanir
属格 rhesa whes thøm whan
処格 reqqe umesar tømur umanur
奪格 reske umesas tømus umanus
向格 resshe umesash tømush umanush
具格 rest umesit tømit umanit
共格 resk umes tøma uman
様格 resli umesal tømal umanil
変格 resfi umesau tømau umanis
生物代名詞

人間以外の生物を表す代名詞。全て規則変化のため下記表では原形(不定数無格)のみ示す。

不定数
3人称 成体 両性 dauna
男性 daunœt
女性 dauner
幼体 dœnty
亜成体 dœmbå
熟体 dœnxhynh
老体 dœnsom
永体 rifannmes
不定性 zhô
不定称 非限定形 dhædone
限定形 dhudone
疑問称 非限定形 p'ædone
限定形 pudone
指示代名詞

非生物に対して用いられる代名詞。3人称の場合、指示代名詞は対象の場所に応じて「近称」「中称」「遠称」「不視称」の4種類が存在する。近称はすぐ近くのもの、中称は近くには無いが歩いて届く所にあるもの、遠称はすぐには届かないが目で見える範囲にあるもの、不視称は見えない所にあるものを示す。また、不視称はこれまでに話題に出てきたものを指し示す際にも用いられる。

指示代名詞には呼格・処格・奪格・向格が存在しない。場所を示す際は後述する指示場所詞を用いる。下記の表はいずれも不定数無格を示している。

近称 中称 遠称 不視称
3人称 成体 ðavan ðakas ðatesh þæha
不活動成体 両性 ðavos ðakos ðatøs þæho
熱性 ðavës ðakës ðatüs þæhê
冷性 ðavøps ðakøps ðatyps þæhip
潜在体 vazø kazø tezø þæhø
亜成体 dåve dåke dåte þæhå
熟体 xhyve xhyke xhyte þæhynh
幼体 dive dike dite þæhy
老体 zive zike zite þæhom
永体 rimves rifkes riftes riffes
抽象体 ævaþ ækaþ ætaþ æþaþ
不定性 save sake sate saþ
不定称 非限定形 dhæng
限定形 dhung
疑問称 非限定形 p'æng
限定形 p'ung
3人称成体、および不活動成体の不視称以外は不規則に変化する。品詞転換による語幹の変化が起きないのが特徴的である。
成体
近称 中称 遠称
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 ðavan van lon vjan ðakas kas liksa beksa ðatesh tesh leqa beqa
主格 ðave'a ve'a lija vjā ðakā likas bekas ðate'a te'a litesh betesh
対格 ðaves ves loni vjanþ ðakais kais liki bekiþ ðateis teis leqi beqiþ
与格 ðavel vel lonin vjans ðakail kail likin bekins ðateil teil leqin beqins
令格 ðavem vem lonim vjanim ðakaim kaim likim bekim ðateim teim leqim beqim
所有格 ðavanir vanir lonir vjanir ðakasir kasir liksir beksir ðateshir teshir leqir beqir
属格 ðavan van lon vjan ðakas kas liksa beksa ðatesh tesh leqa beqa
具格 ðavat vat lonqy vjanton ðaksat ksat liksat beksat ðaqat qat leqat beqat
共格 ðavang vang lonshy vjanson ðaksang ksang liksang beksang ðaqang qang leqang beqang
様格 ðaval val lolla vjallon ðaksal ksal liksal beksal ðaqal qal leqal beqal
変格 ðavau vau lomva vjamvon ðaksau ksau liksau beksau ðaqau qau leqau beqau
不活動成体両性
不活動 近称 中称 遠称
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 ðavos vos xhil xhem ðakos kos k'il k'em ðatøs tøs gnil gnem
主格 ðavwa vwā xhlai xhoi ðakwā kwā k'ilā k'emā ðatwê twê gnīlā gnēmā
対格 ðavau vau xhilut xhøþ ðakau kau k'ilut k'wiþ ðateu teu gnīlut gnēmiþ
与格 ðavoi voi xhilun xhøn ðakoi koi k'ilun k'win ðatui tui gnīlun gnēmin
令格 ðavoim voim xhilim xhemim ðakoim koim k'ilim k'wim ðatuim tuim gnīlim gnēmim
所有格 ðavosir vosir xhilir xhemir ðakosir kosir k'ilir k'emir ðatøsir tøsir gnīlir gnēmir
属格 ðavos vos xhil xhem ðakos kos k'il k'em ðatøs tøs gnīl gnēm
具格 ðavut vut xhilqy xhenton ðakut kut k'ilqy k'enton ðatut tut gnilqy gnenton
共格 ðavung vung xhilshy xhenson ðakung kung k'ilshy k'enson ðatung tung gnilshy gnenson
様格 ðavul vul xhilla xhemblon ðakul kul k'illa k'emblon ðatul tul gnilla gnemblon
変格 ðavuf vuf xhilva xhemvon ðakuf kuf k'ilva k'emvon ðatuf tuf gnillva gnemvon
不活動成体熱性
近称 中称 遠称
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 ðavës vës xheu xhês ðakës kës k'eu k'ês ðatüs tüs gneu gnês
主格 ðavoja voja xhæsh xhæs ðakoja koja k'æsh k'æs ðateja teja gnæsh gnæs
対格 ðavë xhæf xhæþ ðakë k'æf k'æþ ðatü gnæf gnæþ
与格 ðavøy vøy xhæla xhæn ðakøy køy k'æla k'æn ðatüje tüje gnæla gnæn
令格 ðavëm vëm xhæshim xhæbim ðakëm këm k'æshim k'æbim ðatüm tüm gnæshim gnæbim
所有格 ðavësir vësir xhæshir xhæbir ðakësir kësir k'æshir k'æbir ðatüsir tüsir gnæshir gnæbir
属格 ðavës vës xhæsh xhæb ðakës kës k'æsh k'æb ðatüs tüs gnæsh gnæb
具格 ðavët vët xhæqy xhæton ðakët kët k'æqy k'æton ðatët tët gnæqy gnæton
共格 ðavëng vëng xhæshy xhæson ðakëng këng k'æshy k'æson ðatëng tëng gnæshy gnæson
様格 ðavël vël xhæla xhælon ðakël kël k'æla k'ælon ðatël tël gnæla gnælon
変格 ðavëf vëf xhæva xhævon ðakëf këf k'æva k'ævon ðatëf tëf gnæva gnævon
不活動成体冷性
近称 中称 遠称
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
無格 ðavøps vøps xhipo xhipas ðakøps køps k'ipo k'ipas ðatyps typs gnipo gnipas
主格 ðavøpa vøpa xhīsh xhīs ðakøpa køpa k'īsh k'īs ðatypa typa gnīsh gnīs
対格 ðavøp vøp xhīf xhipiþ ðakøp køp k'īf k'ipiþ ðatyp typ gnīf gnipiþ
与格 ðavøpi vøpi xhipla xhipin ðakøpi køpi k'ipla k'ipin ðatypi typi gnipla gnipin
令格 ðavøpim vøpim xhipshim xhibbim ðakøpim køpim k'ipshim k'ibbim ðatypim typim gnipshim gnibbim
所有格 ðavøpsir vøpsir xhipshir xhibbir ðakøpsir køpsir k'ipshir k'ibbir ðatypsir typsir gnipshir gnibbir
属格 ðavøps vøps xhipsha xhibba ðakøps køps k'ipsha k'ibba ðatyps typs gnipsha gnibba
具格 ðavøpt vøpt xhiqqy xhipton ðakøpt køpt k'iqqy k'ipton ðatøpt tøpt gniqqy gnipton
共格 ðavøpung vøpung xhipshy xhipson ðakøpung køpung k'ipshy k'ipson ðatøpung tøpung gnipshy gnipson
様格 ðavøpul vøpul xhipla xhiplon ðakøpul køpul k'ipla k'iplon ðatøpul tøpul gnipla gniplon
変格 ðavøpuf vøpuf xhibva xhibvon ðakøpuf køpuf k'ibva k'ibvon ðatøpuf tøpuf gnibva gnibvon

特殊指示代名詞は下記の通り。

  • 指示代名詞の一種であり、場所や方向などの意味を示す際に用いられる。
  • 指示場所詞:場所を示す(ここ、そこ、あそこ) →地点曲用(クラスは様々)
  • 指示方向詞:方向を示す(こっち、そっち、あっち) →抽象体
  • 指示内容詞:内容を示す(このこと、そのこと、あのこと) →抽象体
  • 指示人称詞:人間を示す(この人、その人、あの人) →汎クラス(人間)
指示場所詞 指示方向詞 指示内容詞 指示人称詞
近称 vatinh varhet våphaþ varis, vamüsh, vacēf
中称 katinh karhet kåphaþ karis, kamüsh, kacēf
遠称 tetinh terhet tøphaþ teris, temüsh, tecēf
不視称 ngeinh ngerhet ngøphaþ ngeris, ngemüsh, ngecēf
不定称 ædtinh æthret ædhwaþ ædhris, ædmüsh, æccēf
疑問称 æptinh æphret æpphaþ æbris, æmmüsh, æpcēf

動詞

類型

動詞の類別として、第Ⅰ類動詞~第Ⅶ類動詞の7種類が存在する。これは動詞の活用形に応じた分類であるが、ほとんどの動詞は語尾を見ればどの類に属する動詞か区別することができる。

それぞれの類の特徴は以下の通り。

  • 第Ⅰ類 … 語尾が-ō, -an, -ū。他動詞の活動動詞。
  • 第Ⅱ類 … 語尾が-ô, -ö。他動詞の達成動詞。
  • 第Ⅲ類 … 語尾が-ē, -ü, -ī。他動詞の到達動詞であり、包括相・進行相・断続相・起動相を取らない。
  • 第Ⅳ類 … 語尾が-en。自動詞の活動動詞・達成動詞であり、態を取らない。
  • 第Ⅴ類 … 語尾が-oi。自動詞の到達動詞であり、態・包括相・進行相・断続相・起動相を取らない。
  • 第Ⅵ類 … 語尾が-ā。自動詞の移動動詞であり、態を取らず、他の類とは活用形が大きく異なる。
  • 第Ⅶ類 … 語尾が-on。他動詞の状態動詞であり、反復相・未然相・完了相・起動相を取らない。

これらは、時相体系に応じて以下の3種類に分類される。

  • 線動詞  … 第Ⅰ類・第Ⅱ類・第Ⅳ類・第Ⅵ類
  • 点動詞  … 第Ⅲ類・第Ⅴ類
  • 状態動詞 … 第Ⅶ類

また、以下の特徴も併せ持つ。

  • 第Ⅱ類は全ての動詞が不規則変化となる。
  • 第Ⅲ・Ⅴ類は原形(=辞書形)で動作が完結した状態を示す
  • 第Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ類は態を区別せず、それ以外は使役を通常区別しない(接頭辞によって区別する)
  • 第Ⅵ類動詞は語幹の代わりに方向接辞が活用する
  • 第Ⅶ類動詞は目的語をとる状態動詞であり、区別する時制の数が最も少ない

構成要素

ネサルゼルデ語の動詞は、叙法詞・接頭辞・語幹・語幹接尾辞・活用語尾の5つで構成される。この内太字で示した語幹と活用語尾は全ての動詞が持ち、その他は活用によっては存在しない。叙法詞は動詞本体から離れた位置に置かれることもあり、動詞部分とは分かち書きされる。

叙法詞
話者の主観や心理状態を示し、法の意味を限定する。
接頭辞
使役化(第Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅶ類)、方向性(方向接辞の付加)。第Ⅵ類動詞はこの方向接辞によって時相が決定される。
語幹
動詞の基礎となる部分。後続する語幹接尾辞によって屈折する。
語幹接尾辞
時相・態・規範法以外の法を区別する。時相は後述する活用語尾との組み合わせによって最終的に決定される。
活用語尾
時相・主語(と場合によっては目的語)の人称・クラス(成体・亜成体・熟体・不活動成体はサブクラスも区別)・数を区別する。

時相

時相は「時制」と「相」を組み合わせた概念である。時制は下記の通り。

  • 現在  … 現在起きた事象
  • 過去  … 現在より前、過去に起きた事象
  • 未来  … 現在より後、未来に起きた事象
  • 近過去 … 現在よりわずかに直前の出来事。起動相・完結相・定常相のみこの時制をとり、これらの相は現在時制をとらない。
  • 近未来 … 現在よりわずかに直後の出来事。起動相・完結相・定常相のみこの時制をとり、これらの相は現在時制をとらない。

相は下記の通り。

  • 包括相 … 動作全体に着目する
  • 反復相 … 動作が繰り返し起きていること(反復や習慣)を示す
  • 進行相 … 動作が続いていることを示す
  • 断続相 … 動作が起きたり止まったりを繰り返していることを示す
  • 未然相 … 動作がまだ起きていない場面に着目する
  • 完了相 … 動作が既に終わっている場面に着目する
  • 起動相 … 動作が始まった瞬間を示す
  • 完結相 … 動作が終わった瞬間を示す
  • 定常相 … 動作が非常に長期間続いていることを示す

時制と相を組み合わせ、以下のような時相が決定される。相は現在・過去・未来時制のみ取ることができる相と、近過去・近未来・過去・未来のみ取ることができる相に大別される。

第Ⅰ類・第Ⅱ類・第Ⅳ類・第Ⅵ類の時相
全ての時相をとる。
現在 過去 未来
近過去 近未来
包括相 現在 過去 未来
反復相 反復 半過去 半未来
進行相 進行 過去進行 未来進行
断続相 断続 過去断続 未来断続
未然相 未然 過去未来 大未来
完了相 完了 大過去 前未来
起動相 起動 将然 過去起動 未来起動
完結相 完結 終焉 単純過去 単純未来
定常相 定常 経験 継続 未来継続
第Ⅲ類・第Ⅴ類の時相
包括相・進行相・断続相・起動相が存在しない。
現在 過去 未来
近過去 近未来
反復相 反復 半過去 半未来
未然相 未然 過去未来 大未来
完了相 完了 大過去 前未来
完結相 完結 終焉 単純過去 単純未来
定常相 定常 経験 継続 未来継続
第Ⅶ類の時相
進行相・反復相・断続相・未然相・完了相・起動相が存在しない。
現在 過去 未来
近過去 近未来
包括相 現在 過去 未来
完結相 完結 終焉 単純過去 単純未来
定常相 定常 経験 継続 未来継続

各時相の意味を例文をもとに示す。

現在
その動作が現在起きていることや、その動作そのものを示す。第Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ・Ⅵ・・Ⅶ類では最も基本的な時相であり、原形で示される。
過去
その動作が過去に起きていたことを示す。単に過去に動作が起きたことのみを示す時相であり、その動作が完了しているか否かは示されない。
未来
その動作が未来に起きることを示す。
反復
現在その動作が繰り返し起きていることを示す。現在の習慣も示す。
半過去
過去にその動作が繰り返し起きていたことを示す。過去の習慣も示す。
半未来
未来にその動作が繰り返し起きることを示す。未来の習慣も示す。
進行
現在その動作が継続中であり、まだ終わっていないことを示す。
過去進行
過去にその動作が継続中だったことを示す。多くの場合、「その動作を完了させることが出来ず、現在も完了しないままである」というニュアンスを含む。
未来進行
未来にその動作が継続中であることを示す。「現在は動作を開始していないが未来にその動作が始まり、それは未来のある時点においても継続中であること」という意味と、「現在継続中なことが未来のある時点においても継続中であること」という意味の2種類を示す。
断続
現在その動作が起きたり止んだりしていることを示す。反復と意味は似ているが、反復は一度に完了する動作を繰り返しているのに対し、断続は1つの動作が完了するまでに何度も中断していることを示す。
過去断続
過去にその動作が起きたり止んだりしていたことを示す。半過去と意味は似ているが、半過去は一度に完了する動作を繰り返しているのに対し、未来断続は1つの動作が完了するまでに何度も中断していることを示す。
未来断続
未来にその動作が起きたり止んだりすることを示す。半未来と意味は似ているが、半未来は一度に完了する動作を繰り返しているのに対し、未来断続は1つの動作が完了するまでに何度も中断していることを示す。
未然
現在から見た未来を示す。未来に起こる「確定した予定」を示すこともある。
過去未来
過去から見た未来、すなわち過去の時点では起きなかったが現在までに起きた(もしくは起きようとしていた)ことを示す。過去を示す時相の従属節や、後格・後始格・後終格と共に用いられることが多い。
大未来
未来から見た未来、すなわち未来の時点では起きず、それより先の未来で起きる(もしくは起きようとしている)ことを示す。未来を示す時相の従属節や、後格・後始格・後終格と共に用いられることが多い。
完了
動作が現在までに既に完了していることを示す。完了後の様子に着目する時相である。英語の現在完了と意味は似ているが、経験や継続などの意味は含まない。
大過去
過去の時点で終了していたことを示す。過去を示す時相の従属節や、前格・前始格・前終格と共に用いられることが多い。
前未来
未来の時点で終了していることを示す。未来を示す時相の従属節や、前格・前始格・前終格と共に用いられることが多い。
起動
動作が開始した瞬間を示す。
将然
動作がまもなく開始することを示す。起動の直前の状態である。
過去起動
過去のある時点において動作が開始した瞬間を示す。
未来起動
未来のある時点において動作が開始する瞬間を示す。
完結
動作が終了した瞬間を示す。第Ⅲ・Ⅵ類では最も基本的な時相であり、原形で示される。
終焉
動作がまもなく終了することを示す。完結の直前の状態である。
単純過去
過去にのある時点において動作が終了した瞬間を示す。
単純未来
未来のある時点において動作が終了する瞬間を示す。
定常
動作が過去から未来までずっと続くことを示す。「動作が決して止まらない」というニュアンスを含む。格言的な内容を示すこともある。
経験
動作をした経験があることを示す。
継続
動作が過去から現在まで続いていることを示す。「過去のある時点で始まった動作が、現在もつつがなく進行中である」というニュアンスがある。
未来継続
動作が現在から未来まで続くことを示す。「現在始まった動作が、未来のある時点においてもつつがなく進行中である」というニュアンスがある。

語幹と活用語尾は時相に応じて以下のように組み合わせる。類によって形成方法が異なる。

Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ・Ⅵ Ⅲ・Ⅴ
現在 現在語幹 + 主語尾 恒常語幹 + 主語尾
過去 過去語幹 + 主語尾 恒常語幹 + 完了語尾
未来 未来語幹 + 主語尾 恒常語幹 + 未然語尾
反復 現在語幹 + 副語尾 現在語幹 + 主語尾
半過去 過去語幹 + 副語尾 過去語幹 + 主語尾
半未来 未来語幹 + 副語尾 未来語幹 + 主語尾
進行 現在語幹 + I型主語尾
過去進行 過去語幹 + I型主語尾
未来進行 未来語幹 + I型主語尾
断続 現在語幹 + I型副語尾
過去断続 過去語幹 + I型副語尾
未来断続 未来語幹 + I型副語尾
未然 現在語幹 + 未然語尾 現在語幹 + 未然語尾
過去未来 過去語幹 + 未然語尾 過去語幹 + 未然語尾
大未来 未来語幹 + 未然語尾 未来語幹 + 未然語尾
完了 現在語幹 + 完了語尾 現在語幹 + 完了語尾
大過去 過去語幹 + 完了語尾 過去語幹 + 完了語尾
前未来 未来語幹 + 完了語尾 未来語幹 + 完了語尾
起動 瞬間語幹 + I型主語尾
将然 瞬間語幹 + I型副語尾
過去起動 瞬間語幹 + I型完了語尾
未来起動 瞬間語幹 + I型未然語尾
完結 瞬間語幹 + 主語尾 瞬間語幹 + 主語尾 瞬間語幹 + 主語尾
終焉 瞬間語幹 + 副語尾 瞬間語幹 + 副語尾 瞬間語幹 + 副語尾
単純過去 瞬間語幹 + 完了語尾 瞬間語幹 + 完了語尾 瞬間語幹 + 完了語尾
単純未来 瞬間語幹 + 未然語尾 瞬間語幹 + 未然語尾 瞬間語幹 + 未然語尾
定常 永続語幹 + 主語尾 永続語幹 + 主語尾 永続語幹 + 主語尾
経験 永続語幹 + 副語尾 永続語幹 + 副語尾 永続語幹 + 副語尾
継続 永続語幹 + 完了語尾 永続語幹 + 完了語尾 永続語幹 + 完了語尾
未来継続 永続語幹 + 未然語尾 永続語幹 + 未然語尾 永続語幹 + 未然語尾

規範法のみ時相の体系が異なる。規範法は過去・近未来時制を取らず、また未然相・完了相・定常相を取らない。Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ・Ⅵ・Ⅶ類は未来進行と未来起動、未来と単純未来を区別することができない。

Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ・Ⅵ Ⅲ・Ⅴ
現在 現在語幹 + 規範語尾 恒常語幹 + 規範語尾
未来 永続語幹 + 規範語尾 永続語幹 + 規範語尾
反復 過去語幹 + 規範語尾 現在語幹 + 規範語尾
半未来 未来語幹 + 規範語尾 永続語幹 + 規範語尾
進行 現在語幹 + I型規範語尾
未来進行 永続語幹 + I型規範語尾
断続 過去語幹 + I型規範語尾
未来断続 未来語幹 + I型規範語尾
起動 瞬間語幹 + I型規範語尾
未来起動 永続語幹 + I型規範語尾
完結 瞬間語幹 + 規範語尾 瞬間語幹 + 規範語尾 瞬間語幹 + 規範語尾
単純未来 永続語幹 + 規範語尾 永続語幹 + 規範語尾 永続語幹 + 規範語尾

能動態・中動態・受動態・相互態・交互態の5種類が存在する。語幹接尾辞で表現される。第Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ類動詞は態を持たない。

能動態
自身から他者に向けた動作を示す。最も基本的な態であり、原形で示される。
中動態
自身から自身に向けた動作を示す。また、他動詞の自動詞化を示すこともある。ネサルゼルデ語の動詞はほとんどが他動詞原形であり、その自動詞化はほとんどが中動態で示される。なお、原形が自動詞となる第Ⅳ・Ⅴ類動詞は文法としての態を持たず、その他動詞形は後述する使役で示される。
受動態
他者から自身に向けた動作を示す。動作主体は令格もしくは与格で示される。
相互態
互いに互いへ向けた動作をとり合っていることを示す。その相手(=随伴者)は共格で示される。
交互態
互いに互いへ向けた動作を交互に行っていることを示す。相互態は相手と同じ行動を同時にとっているのに対し、交互態は片方ずつ交互に動作をとり合っていることを示す。

使役

使役は「〜させる」という意味を持たせる文法である。動詞の使役化は、類型に応じて2種類の方法が存在する。

  • 第Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅶ類 … 接頭辞el-
  • 第Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ類 … 語幹接尾辞-(e)l

使役主体は主格で、動作主体は令格で示される。

可能や希望など、話者の主観を示す文法である。

通常、法は語幹接尾辞で表現されるが、叙法詞を使用して法の持つ意味を限定・拡張することも出来る。叙法詞にはria, çys, vē, p'or, lea, høða, ütの7種類が存在し、いずれも文頭に置かれる。

直説法
事実をそのまま示す法。通常の平叙文や疑問文などに用いる最も一般的な形である。
能力法
可能を示す。能力法は可能の中でも「生来的、能力的に可能」であることを示す。
可能法
能力法と同じく可能を示す。ただし能力法と異なり、その時の状況に即して可能であることを示す。
希望法
願望や希望、希求などを示す。強い希望から漠然とした願望まで意味は広く、後述する叙法詞を用いて意味を限定することが多い。
規範法
命令や義務、指令、要請など、他者へ行為を依頼する際に用いられる。通常、主語を示さない場合は命令を、主語を示す場合は義務を示す。
叙法詞

話者の主観や心理状態を示す副詞であり、法の意味を拡張する。叙法詞は分類上副詞に含まれるが、通常の副詞と異なり必ず文頭に置かれる。

叙法詞は2つの役割がある。1つ目は動作の確率・確度を示す叙法詞である。その動作が行われている可能性や、状態動詞の場合はどれほどその状態になっているか(状態の進行度)を示す。以下の叙法詞が該当する。

  • lhøs … 確率100%。「必ず」「いつも」
  • nar … 確率99%。「~するはずだ」「ほぼ欠かさず~する」
  • gøsh … 確率90%。「大抵」
  • wis … 確率80%。「頻繁に」
  • izhy … 確率70%。「しばしば」
  • pan … 確率50%。「多分」「半々くらいで」
  • åk … 確率30%。「時々」
  • manå … 確率20%。「たまに」
  • nekta … 確率10%。「稀に」
  • cuvo … 確率1%。「ごく稀に~する」「ほとんど~しない」
  • ktœl … 確率0%。「全く~ない」「決して~しない」

2つ目は心理状態である。話者の心理状態を示し、法の意味を拡張する。以下の叙法詞が該当する。

  • rjā … 強意を示す
    • 直説法:当然・必然(「~するはずだ」)
    • 能力法・可能法:確信した可能(「~できるはずだ」)
    • 希望法:強い希望(「絶対に~したい」)
    • 規範法:強い命令/義務(「絶対に~しろ/しなければならない」)
  • çys … 「迅速に」「さっさと」などの意味を付加する
    • 直説法:「すぐに~する」
    • 能力法・可能法:主観的な可能(「~できるはずだ」)
    • 希望法:(「今すぐ~したい」)
    • 規範法:勧告・催促(「さっさと~しろ」)
    • 「今すぐ、すぐに」という意味の形容詞çüsに由来する
  • vê … 客観的な視点を付加する
    • 直説法:客観視(「客観的に見て~する」)
    • 能力法・可能法:客観的に見た可能
    • 希望法:客観的な義務(「客観的に見て~しなければならない」)
    • 規範法:指令・指示・弱い命令(「~しなさい」)
  • p'or … 弱化を示す
    • 直説法:(「~かもしれない」)
    • 能力法・可能法:可能性(「~できるかもしれない」)
    • 希望法:希求(「~したいなあ」)
    • 規範法:許可(「~してよい」)
  • lê … 漠然を示す
    • 直説法:漠然(「漠然と~する」)
    • 能力法・可能法:あやふやな可能(「多分~できるだろう」)
    • 希望法:漠然とした願望(「~だったらなあ」)
    • 規範法:丁寧な許可(「~しても構いません」)
  • høða … 丁寧を示す
    • 直説法:意味は変化しないが丁寧な物言いになる
    • 希望法:通常では手の届かない願望(「(もし)~だったらなあ」)
    • 規範法:要請(「~して下さい」)
  • üt … 謙遜を示す。
    • 直説法:意味は変化しないが謙虚な物言いになる
    • 希望法:祈願(「~しますように」)
    • 規範法:嘆願(「~して下さいませ」)

これら2種類の叙法詞は互いに組み合わせることができる。

rjā çys p'or høða üt
lhøs rjalhøs çës vælhøs p'orøs laus høðaus ylløs
nar rjānar çynar vênar p'onar lænar hødar ydar
gøsh rjāgøsh çygøsh vêgøsh p'orøsh lægøsh hødøsh ygøsh
wis rjāwis çyswis vêwis p'orwis læwis høðwis ütwis
izhy rīzhy çysshy væizhy p'orzhy læizhy høizhy üxhy
pan rjāpan çyspan vêpan p'orpan læpan hødan yp'an
åk rjôk çysåk vök p'oråk lök høðåk ütåk
manå rjamnå çymnå væmnå p'åmnå læmnå hødanå ydnå
nekta rjankta çynkta vænkta p'orekta lænkta hødekta ydekta
cuvo rjasfo çyssuvo væsfo p'orpo læsfo høc'uvo yc'uvo
ktœl rjaktœl çyktœl væktœl p'oktœl læktœl høðaktœl yttœl

証拠性

動詞が示す動作の情報源や他者との関わり方、それに伴う話者の主観を示す。「実際に見た内容」「他者への報告」「他者への評価」「他者から得た情報」「自らの知識による想像」という5種類の叙法と、「事実」「不確実なこと」「仮定」という3種類の話者主観を組み合わせた、合計15種類の証拠性が存在する。

事実 不確実 仮定
実際に見た内容 事実性 見解性 仮定性
他者への報告 報告性 推告性 予告性
他者への評価 評価性 推定性 仮評性
他者から得た情報 伝聞性 仄聞性 分析性
自らの知識による想像 断定性 推量性 蓋然性
  • 事実性:事実内容(基本形)
  • 見解性:事実に対する意見(~だろう)
  • 仮定性:仮定・場合(もし〜ならば、~の場合、~だとすると)
  • 報告性:事実の報告(~するよ)
  • 推告性:不確実なことの報告(~かもしれないよ)
  • 予告性:推量や仮定の報告(~だろうよ)
  • 評価性:事実の評価(~するものだ)
  • 推定性:不確かな評価(~するものだろう)
  • 仮評性:評価の仮定(~するものだとしたら)
  • 伝聞性:情報から導かれる事実(〜だそうだ)
  • 仄聞性:不確かな情報の伝達(~だそうだ)
  • 分析性:情報から導かれる推量(〜だろう)
  • 断定性:知識から導かれる事実(〜なはずだ)
  • 推量性:不確かな知識による推量(~かもしれない)
  • 蓋然性:知識から導かれる推量(〜だろう)

規範法のみ、これらの証拠性を区別しない。

方向性

動作の向かう方向を示す。基本的には接頭辞で方向性を表現する。

  • bi-:向こうへ, 離れて, 奥へ
  • for-:こちらへ, 近づいて, 手前へ
  • shi-:上へ
  • gus-:下へ
  • lar-:外側へ, 中から外へ
  • wha-:内側へ, 外から中へ
  • mi-:前へ
  • þæ-:後ろへ
  • møne-:中心へ向かって
  • kø-:中心から離れて

第Ⅵ類動詞は方向動詞とも呼ばれ、この方向接辞が文法事項として重要な役割を果たす。他の類では語幹を変化させるところを、第Ⅵ類動詞は方向接辞を変化させることで表現する。

否定接辞・否定語幹

基本的に動作の否定は否定接辞を用いる。否定接辞は、語幹部が1音節または短母音の2音節の場合、接中辞-ek'-を用いる。それ以外の語幹の場合、接頭辞k'e-を用いる。

一部の動詞は「否定語幹」と呼ばれる特殊な語幹を用いる。多くは接中辞-ek'-が語幹と融合した形だが、全く異なる語幹を用いるものもある。以下に変化例を示す。

  • dœron「知っている」:dœrk'-
  • emekū「揺らす」:emekk'-
  • fisô「包む」:fisk'-
  • estē「得る」:esk'-

準動詞

動詞から他の品詞の役割に派生する文法である。以下の種類が存在する。

  • 動名詞 … 動詞の名詞化
  • 動形容詞 … 動詞の形容詞化、特に日本語における連体形と同様の機能を示すこともある
  • 動副詞 … 動詞の副詞化

例えば「書く」taskōの場合、動名詞t'askaþは「書くこと」という意味に、動形容詞thaskumはそれぞれ「書くための」という意味に、動副詞tåskeは「書きながら」という意味になる(ただし、これらはあくまでも一例であり、活用形によって別の意味を示すこともある。詳細は後述)。

接続形

複数の動詞を連結させる場合、動詞に接続形を後置することで表現する。

  • Çüþpøl fuiwe zhishūþ. 私は卵を買い忘れた。

上の例文のうち、”Çüþpøl fuiwe”が動詞句である。Çüþpølは「~し忘れる」という意味、fuiweは「買う」という意味である。

連動詞はいくつでも接続することが可能である。その際、先頭の動詞以外はすべて接続形をとる。

活用一覧

動詞の活用は主に、語幹部分の活用と語尾部分の活用に分けられる。両者は分けて解説されることが多いが、基本的に動詞はこの2つを組み合わせて活用する。

語幹・語幹接尾辞

語幹の活用によって時相・態・法を区別する。動詞における「語幹」とは、原形(=辞書形)から語末の母音を抜いた形となる。この語幹が動詞の基本形である。

語幹は語幹接尾辞によって活用する。原形となる語幹は類ごとに異なり、第Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ・Ⅴ類は現在語幹、第Ⅲ・Ⅴ類は瞬間語幹、第Ⅶ類は恒常語幹が原形である。いずれの類も能動態・直説法を示す語幹が原形となる。また、語幹接尾辞は語幹と融合して屈折語幹を形成する可能性がある。どの語幹接尾辞で屈折語幹が発生するかどうかに明確な規則はなく、動詞ごとにどの語幹接尾辞で屈折が発生するのかを一つ一つ覚えていく必要がある。

また、第Ⅵ類動詞は時相を意味する語幹接尾辞が存在せず、代わりに方向接辞が活用する。

各類ごとに語幹接尾辞の規則は若干異なっている。括弧書きは屈折語幹により接尾辞部分の母音が消失する可能性を示している(後述)。

直説法 時相 現在語幹 -∅ -∅ -(a)m -∅ -(a)m -∅
過去語幹 -(i)g -(e)p -s -(u)t -s
未来語幹 -r -r -r -(i)v -(i)v
瞬間語幹 -s -∅ -∅ -s -∅ -s
永続語幹 -(e)th -(e)th -(e)th -r -r -r
中動語幹 -(i)v -(i)v -(i)v -(i)v
受動語幹 -(u)t -(u)t -(u)t -(u)t
受動過去語幹 -ah -s -ah
相互語幹 -ykh -ykh -ykh -ykh
交互語幹 -œdh -œdh -œdh -œdh
使役語幹 -(e)l -(e)l -(e)l
能力法 時相 現在語幹 -ōt -ōt -ōm -ōt -ōm -ōt
過去語幹 -oig -opp -sōt -out -sōt
未来語幹 -rōt -rōt -rōt -oiv -oiv
瞬間語幹 -sōt -ōt -ōt -sōt -ōt -sōt
永続語幹 -otth -otth -otth -rōt -rōt -rōt
中動語幹 -oiv -oiv -oiv -oiv
受動語幹 -out -out -out -out
受動過去語幹 -ōth -sōt -ōth
相互語幹 -oikh -oikh -oikh -oikh
交互語幹 -œdd -œdd -œdd -œdd
使役語幹 -otl -otl -otl
可能法 時相 現在語幹 -īz -īz -īzm -īz -īzm -īz
過去語幹 -īg -īsp -sīz -üt -sīz
未来語幹 -rīz -rīz -rīz -īv -īv
瞬間語幹 -sīz -īz -īz -sīz -īz -sīz
永続語幹 -īsth -īsth -īsth -rīz -rīz -rīz
中動語幹 -īv -īv -īv -īv
受動語幹 -üt -üt -üt -üt
受動過去語幹 -īzah -sīz -īzah
相互語幹 -ükh -ükh -ükh -ükh
交互語幹 -üdh -üdh -üdh -üdh
使役語幹 -īzl -īzl -īzl
希望法 時相 現在語幹 -āb -āb -abm -āb -abm -āb
過去語幹 -aig -abp -sāb -aut -sāb
未来語幹 -rāb -rāb -rāb -aiv -aiv
瞬間語幹 -sāb -āb -āb -sāb -āb -sāb
永続語幹 -auth -auth -auth -rāb -rāb -rāb
中動語幹 -aiv -aiv -aiv -aiv
受動語幹 -aut -aut -aut -aut
受動過去語幹 -ābh -sāb -ābh
相互語幹 -aikh -aikh -aikh -aikh
交互語幹 -audh -audh -audh -audh
使役語幹 -ābl -ābl -ābl

※…母音変化や語幹部分の子音変化など様々に屈折する(後述)

語幹接尾辞が長音節の場合、語幹の長母音や二重母音は短母音化する。例えばcōğô「戻す」の能力法語幹はcoğōt-となる。

上表以外で、屈折語幹を形成できない語幹接尾辞を二つ接続しなければならない場合(いずれも態接尾辞と時相接尾辞を組み合わせる際に必要となる)、態接尾辞の代わりに態表示詞と呼ばれる副詞を動詞の前後に前置する。

  • 中動態:nhiva
  • 受動態:bot
  • 相互態:ykha
  • 交互態:wecʼa
  • 使役態:hel

例えば、tüdhū「曲げる」は中動語幹も過去語幹も屈折しない。この動詞において「それは曲がった」(中動態過去)はnhiva tüdhigufもしくはtüdhiguf nhivaとなる。

前項の内容はあくまでも規則変化だが、ネサルゼルデ語の動詞はほとんどが何らかの不規則変化を起こすものである。

屈折語幹が形成されるかどうかは動詞ごとに覚える必要があるが、屈折パターンには一定の規則がある。

-s, -r語幹
直前の子音が変化する場合がある。
  • -s, -rの直前がç, jの場合、それらはiに変化する。
  • -sの直前が有声音・放出音の場合、その子音は無声化する。
  • -sの直前がc, q, x, c', z, q, qh, xh, q', sh, zhの場合、融合し-ss-となる。
  • -sの直前がth, þの場合、その子音はchになる。
  • -sの直前がd, t', ðの場合、その子音を含めてdzに変化する。
  • -sの直前がm, nh, ngの場合、それぞれmps, nsh, nksになる。
  • -rの直前が放出音の場合、その子音は有声破裂音となる。
  • -rの直前の子音がlh, lの場合、それぞれrrh, rrになる。
  • -rの直前の子音がm, n, nh, ngの場合、それぞれmbr, ndr, nxhr, ngrになる。
  • -rの直前の子音がgnの場合、gdrになる。
以下の動詞は不規則な変化である。
  • foiwī「買う」:過去語幹fous-, 未来語幹four-
  • jōwhon「愛する」:瞬間語幹jous-, 永続語幹jour-
単純融合
語幹接尾辞の母音が消失し、語幹と語尾の子音が結合するタイプ。
  • -ep(Ⅱ類過去語幹)
    • kūp'ö「直す」:kupp-
    • xōk'ö「盗む」:xopp-
    • nōxhô「送る」:noshp-
    • kāfö「刈る」:kapf-
  • -eth(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ類永続語幹)
    • bjolhī「触る」:bølth-
    • axūbē「射る」:axūpth-
    • dēsô「包む」:desth-
  • -el(Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ類使役語幹)
    • kendoi「着く」:kedl-
    • benôþen「雨が降る」:benåtl-
    • dëfen「行く、向かう」:dëvl-(※語幹部分が不規則に有声化する)
  • -am(Ⅲ・Ⅴ類現在語幹)
    • bōtē「取る、持つ」:bōdm-
    • pôþē「否定する」:pôdm-
    • foiwī「買う」:fømm-
ウムラウト融合
語幹接尾辞の母音の消失と共に語幹母音がウムラウト化し、語幹と語尾の子音が結合するタイプ。i-ウムラウトとu-ウムラウトが存在する。
  • -iv(中動語幹・Ⅳ・Ⅴ類未来語幹)
    • cölhan「語る」中動語幹:cylv-
    • lēkī「出す」中動語幹:likf-
    • dågôben「噴火する」未来語幹:dågœbv-
  • -ig(Ⅰ類過去語幹)
    • mērū「見る」:mirg-
    • dexaivō「教える」:dexefk-
    • ※語幹がnで終わる動詞は語幹にウムラウトが発生せず、語尾が-xhとなる。
      • fōnō「感じる」:fonxh-
      • kānō「読む」:kanxh-
    • ※その他、更に不規則な変化も存在する。
      • foggū「育てる」:過去語幹fonhig-, 中動語幹fonhiv-
  • -ut(受動語幹・Ⅳ類過去語幹)
    • qāthē「与える」:qått-
    • rötō「破く」:rœtth-
一部は語幹末の子音が消失する場合がある。
  • axūbē「射る」:中動語幹axuiv-, 受動語幹axūt-
第Ⅱ類動詞瞬間語幹
第Ⅱ類動詞の瞬間語幹は現在語幹と語幹接尾辞が同じだが、これは基本の瞬間語幹が全く別の語幹を取ることによるものである。何種類かの規則が存在するが、ほとんどの第Ⅱ類動詞が補充形を用いる不規則変化をとる。以下にいくつかのパターンを示す。
  • 語頭に-r-を挿入
    • dēsô「覆う」:drēs-
    • xenkhô「分ける」:xrenkh-
    • xōk'ö「盗む」:xrōk'-
  • 語尾に-azを接続
    • çüt'ö「消す」:çüt'az-
    • nhīk'ô「掴む」:nhīk'az-
  • 語幹末子音の有声化
    • kāfö「刈る」:kāv-
    • ðēmythö「握る」:ðēmydh-
    • zaktô「収納する」:zagd-
    • cōwhô「息を吐く」:couv-
  • 語末子音の重音化
    • ðūnö「割る」:ðunn-
    • kōzhô「取る、外す」:koizh-
    • sagdô「横たえる」:sand-
    • çüðô「忘れる」:çynð-
  • 語幹の長母音化
    • kazağö「捕まえる」:kāzağ-
  • 補充形
    • despōtô「着る」:hanth-
    • hōþö「切る」:cēk-
    • twēdö「食べる」:tout'-
    • cāqô「試す」:canð-
  • その他
    • trāzhö「刺す」:træig-(第Ⅰ類動詞過去語幹-igを接続)
第Ⅱ類動詞の瞬間語幹は、いずれも更に語幹接尾辞を接続することが出来る。
その他の不規則変化
上記の屈折語幹を除く不規則変化を示す。
  • iウムラウト語幹の不規則
    • fōnō「感じる」:過去語幹fonxh-
    • foggō「育てる」:過去語幹fonhig-, 中動語幹fonhiv-
  • 過去語幹の不規則(他の類でありながら第Ⅰ類動詞のような変化をとる)
    • foisô「覆う」:fwesk-
    • twēdœ「食べる」:deig-
    • brōsen「歩く」:bresk-
  • 補充形・その他
    • muxhoi「死ぬ」:過去語幹shōg-
    • abithō「焼く」:過去語幹authig-, 中動語幹authiv-
    • taskō「書く」:過去語幹caig-
    • bergī「殺す」:中動語幹birv-, 受動語幹rinxh-
    • fōgen「来る」:使役語幹k'aul-

第Ⅵ類動詞は使役と法以外に語幹が変化せず、過去語幹、永続語幹などの区別は方向接辞の屈折によって行われる。

現在 過去 未来 瞬間 永続
方向なし ta- ar- as- ā-/a-
bi- bi- tui-/ty- bir- bis- phi-
for- for- twor- fror- fos- hor-
shi- shi- qi- shir- shis- hash(i)-
gus- gus- tūs- gur- guis-/gys- khus-
lar- lar- twar- rar- las- lhar-
wha- wha- thwā-/thwa- whar- whas- ha-
mi- mi- tyn- mir- mis- whi-
þea- þæ- t'æ þær- þæs- thæ-
møne- møne- tøne- møner- mønes- whøne-
kø- kø- t'ø- kør- køs- khø-
bêt'an「波を起こす」、mērū「見る」の2つの動詞の語幹変化例を示す。前者は屈折語幹がほとんど発生しない動詞、後者はほとんどの語幹接尾辞が語幹と融合する動詞である。
bêt'an「波を起こす」の語幹活用
能動態 中動態 受動態 相互態 交互態
直説法 現在語幹 bêt'- bêt'iv- bêt'ut- bêt'ykh- bêt'œdh-
過去語幹 bêt'ig- nhiva bêt'ig- bêt'ah- ykha bêt'ig- wædha bêt'ig-
未来語幹 bêdr- bêdriv- bêdrut- bêdrykh- bêdrœdh-
瞬間語幹 bêdz- bêdziv- bêdzut- bêdzykh- bêdzœdh-
永続語幹 bêt'eth- nhiva bêt'eth- bot bêt'eth- ykha bêt'ig- wædha bêt'ig-
能力法 現在語幹 bæt'ōt- bæt'oiv- bæt'out- bæt'oikh- bæt'œdd-
過去語幹 bæt'oig- nhiva bæt'oig- bæt'ōth- ykha bæt'oig- wædha bæt'oig-
未来語幹 bædrōt- bædroiv- bædrout- bædroikh- bædrœdd-
瞬間語幹 bædzōt- bædzoiv- bædzout- bædzoikh- bædzœdd-
永続語幹 bæt'otth- nhiva bæt'otth- bot bæt'otth- ykha bæt'otth- wædha bæt'oig-
可能法 現在語幹 bæt'īz- bæt'īv- bæt'üt- bæt'ükh- bæt'üdh-
過去語幹 bæt'īg- nhiva bæt'īg- bæt'īzah- ykha bæt'īg- wædha bæt'īg-
未来語幹 bædrīz- bædrīv- bædrüt- bædrükh- bædrüdh-
瞬間語幹 bædzīz- bædzīv- bædzüt- bædzükh- bædzüdh-
永続語幹 bæt'īsth- nhiva bæt'īsth- bot bæt'īsth- ykha bæt'īsth- wædha bæt'īsth-
希望法 現在語幹 bæt'āb- bæt'aiv- bæt'aut- bæt'aikh- bæt'audh-
過去語幹 bæt'aig- nhiva bæt'aig- bæt'ābh- ykha bæt'aig- wædha bæt'aig-
未来語幹 bædrāb- bædraiv- bædraut- bædraikh- bædraudh-
瞬間語幹 bædzāb- bædzaiv- bædzaut- bædzaikh- bædzaudh-
永続語幹 bæt'auth- nhiva bæt'auth- bot bæt'auth- ykha bæt'auth- wædha bæt'auth-
mērū「見る」の語幹活用
能動態 中動態 受動態 相互態 交互態
直説法 現在語幹 mēr- mirv- mørt- mērykh- mērœdh-
過去語幹 mirg- mirgiv-/mirvig- mērah-/mirgut-/mørtig- mirgykh- mirgœdh-
未来語幹 merr- merriv- merrut- merrykh- merrœdh-
瞬間語幹 mers- mersiv- mersut- mersykh- mersœdh-
永続語幹 merth- merthiv-/mirveth- merthut-/mørteth- merthykh- merthœdh-
能力法 現在語幹 merōt- meroiv- merout- meroikh- merœdd-
過去語幹 mirgōt- mirgoiv- merōth-/mirgout- mirgoikh- mirgœdd-
未来語幹 merrōt- merroiv- merrout- merroikh- merrœdd-
瞬間語幹 mersōt- mersoiv- mersout- mersoikh- mersœdd-
永続語幹 merthōt- mierthoiv- merthout- merthoikh- merthœdd-
可能法 現在語幹 merīz- merīv- merüt- merükh- merüdh-
過去語幹 mirgīz- mirgīv- merīzah-/mirgüt- mirgükh- mirgüdh-
未来語幹 merrīz- merrīv- merrüt- merrükh- merrüdh-
瞬間語幹 mersīz- mersīv- mersüt- mersükh- mersüdh-
永続語幹 merthīz- merthīv- merthüt- mierthükh- merthüdh-
希望法 現在語幹 merāb- meraiv- meraut- meraikh- meraudh-
過去語幹 mirgāb- mirgaiv- merābh-/mirgaut- mirgaikh- mirgaudh-
未来語幹 merrāb- merraiv- merraut- merraikh- merraudh-
瞬間語幹 mersāb- mersaiv- mersaut- mersaikh- mersaudh-
永続語幹 merthāb- merthaiv- merthaut merthaikh- merthaudh-
活用語尾

動詞の原形における「活用語尾」とは、語末の母音を指す。この母音が左記の文法範疇に応じて様々に形が変化する。活用語尾は辞書形の語尾を見れば活用方法を判別することができる。

  • O型(第Ⅰ類)
  • An型(第Ⅰ類)
  • U型(第Ⅰ類)
  • Ô型(第Ⅱ類)
  • Ö型(第Ⅱ類)
  • E型(第Ⅲ類)
  • Ü型(第Ⅲ類)
  • I型(第Ⅲ類)
  • En型(第Ⅳ類)
  • Oi型(第Ⅴ類)
  • A型(第Ⅵ類)
  • On型(第Ⅶ類)

活用語尾は事実性と他の証拠性で形態が大きく異なり、特に区別する人称名詞クラスが大きく異なる。事実性の活用語尾は人称・数・名詞クラスを以下のように区別する。

  • 1人称(単数・双数・複数)
  • 1人称包括形(双数・複数)
  • 2人称
    • 成体(単数・双数・複数)
    • 成体男性(単数・双数・複数)
    • 成体女性(単数・双数・複数)
    • 亜成体(単数・双数・複数)
    • 亜成体男性(単数・双数・複数)
    • 亜成体女性(単数・双数・複数)
    • 熟体(単数・双数・複数)
    • 熟体男性(単数・双数・複数)
    • 熟体女性(単数・双数・複数)
    • 幼体(単数・双数・複数)
    • 老体(単数・双数・複数)
    • 永体(単数・双数・複数)
  • 3人称
    • 成体(不定数・単数・双数・複数)
    • 成体男性(不定数・単数・双数・複数)
    • 成体女性(不定数・単数・双数・複数)
    • 亜成体(不定数・単数・双数・複数)
    • 亜成体男性(不定数・単数・双数・複数)
    • 亜成体女性(不定数・単数・双数・複数)
    • 熟体(不定数・単数・双数・複数)
    • 熟体男性(不定数・単数・双数・複数)
    • 熟体女性(不定数・単数・双数・複数)
    • 不活動成体(不定数・単数・双数・複数)
    • 不活動成体熱性(不定数・単数・双数・複数)
    • 不活動成体冷性(不定数・単数・双数・複数)
    • 潜在体(不定数・単数・双数・複数)
    • 幼体(不定数・単数・双数・複数)
    • 老体(不定数・単数・双数・複数)
    • 永体(不定数・単数・双数・複数)
    • 神体(不定数・単数・双数・複数)
    • 抽象体(不定数)
  • 不定称(不定数・単数・双数・複数)

事実性以外の証拠性は名詞クラスを区別せず、人称と数のみ以下のように区別する。

  • 1人称(単数・双数・複数)
  • 1人称包括形(双数・複数)
  • 2人称成体/亜成体・熟体(単数・双数・複数)
  • 2人称他(単数・双数・複数)
  • 3人称成体/亜成体・熟体(不定数・単数・双数・複数)
  • 3人称他(不定数・単数・双数・複数)
  • 不定称(不定数・単数・双数・複数)

使用する人称語尾には以下の法則が存在する。

  • 主語に異なる人称が2つ以上存在する場合、一致する活用語尾は 1人称 > 2人称 > 3人称 の順に優先される。たとえば「私と彼」が主語の場合、人称語尾は1人称除外形双数となる。なお、1人称と2人称が主語の場合は1人称包括形を用いる。たとえば「私とあなた」が主語の場合、人称語尾は1人称包括形双数となる。
  • 3人称で主語に異なる名詞クラスが2つ以上存在する場合、一致する活用語尾は 成体 > 不活動成体 > その他 となる。成体・不活動成体以外の名詞クラスが複数存在する場合、どの人称語尾を用いるかは話者に委ねられている。なお、名詞クラスが不明の場合、生物であれば成体を、非生物であれば不活動成体を、生物か非生物かも不明であれば不定人称を用いる。

活用語尾には「主語尾」「副語尾」「未然語尾」「完了語尾」「規範語尾」の5種類が存在する。

事実性の活用語尾には活用方法に応じて「常用語尾」「一般語尾」の二つに分類される。前者は後者に比べて不規則な変化をとる他、目的格に応じた変則的な語尾を有する。

常用語尾に該当する人称は以下の通りであり、これ以外の人称が一般語尾に分類される。

  • 1人称単数
  • 2人称成体単数
  • 3人称成体単数
  • 不定人称単数
  • 1人称複数
  • 2人称成体複数
  • 3人称成体複数
  • 不定称複数

活用語尾は第Ⅲ・Ⅴ類とそれ以外で形態が若干異なる。前者を瞬間型、後者を非瞬間型と称する。

瞬間型の例としてO型の活用を示す。

主語尾 副語尾
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外 -øl -omøl -ove -øsh -omøs -ohar
包括 -oxhil -omøng -oxhis -ovir
2人称 成体 両性 -on -oper -oxor -odœ -opesh -onhī
男性 -onu -oper -oxro -odøu -opesh -onhī
女性 -onhe -oper -oxre -odœ -opesh -onhī
亜成体 両性 -oja -opir -ojê -oxhy -opish -onhü
男性 -ujåp -opir -ojeu -uxhyp -opish -onhü
女性 -oish -opir -ojē -oxhysh -opish -onhü
熟体 両性 -osfe -opir -ogiþ -oftœ -opish -oginh
男性 -osfu -opir -ogid -oftøu -opish -oginh
女性 -osfi -opir -ogish -oftö -opish -oginh
幼体 -ot'i -opeħ -oxot -odœt -opē -onhit
老体 -oxi -opeħ -oxos -odœs -opē -onhis
永体 -ogher -opeħ -other -oghesh -opē -othesh
3人称 成体 両性 -obe -os -oter -om -obi -o -otesh -u
男性 -obud -op -oter -omo -obyd -upt -otesh -u
女性 -obī -ōsh -oter -ome -obysh -onsh -otesh -u
亜成体 両性 -obå -oman -otir -omī -obœ -omek -otish -omæi
男性 -obåp -omat -otir -omī -obœp -omøng -otish -omæi
女性 -obåi -omar -otir -omī -obœi -omik -otish -omæi
熟体 両性 -obenh -op'in -otir -op'ī -obinh -op'ek -otish -op'æi
男性 -obunh -op'it -otir -op'ī -obynh -op'øng -otish -op'æi
女性 -obīnh -op'ir -otir -op'ī -obynh -op'ik -otish -op'æi
不活動成体 両性 -olhe -olhe -oter -opfī -olhi -olhi -otesh -opfæi
熱性 -olhī -olhī -oter -opfī -olhæi -olhæi -otesh -opfæi
冷性 -oc'e -oc'e -oter -opfī -oc'i -oc'i -otesh -opfæi
潜在体 -ojo -ojo -oteħ -owhī -ohøs -ohøs -otē -owhæi
幼体 -othe -ot'y -oteħ -omut -othi -ost -otē -out
老体 -othe -osk -oteħ -omus -othi -ons -otē -ous
永体 -oħe -oþe -oteħ -ovī -oçi -oþi -otē -ovæi
神体 -oħe -ochai -oteħ -othai -oçi -ochæi -otē -othæi
抽象体 -oħe -oçi
不定人称 -or -ofe -ofe -ong -ong -ong -ong
未然語尾 完了語尾
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外 -øla -omal -ova -øsha -omas -orha
包括 -oxhal -omang -oxhas -ovang
2人称 成体 両性 -ona -opar -onai -odœn -opash -onhā
男性 -onap -opar -onau -odū -opash -onhā
女性 -onhē -opar -onai -odē -opash -onhā
亜成体 両性 -ojā -opår -ojang -oxhā -opåsh -onhang
男性 -ujô -opår -ojyng -uxhō -opåsh -onhang
女性 -øshē -opår -ojæng -øxhē -opåsh -onhang
熟体 両性 -osfā -opår -oxhaþ -oftœn -opåsh -oxhinh
男性 -oswō -opår -oxhåd -oftū -opåsh -oxhinh
女性 -osfē -opår -oxhesh -oftē -opåsh -oxhinh
幼体 -oc'ā -opaħ -oc'ai -odœnt -opā -onhat
老体 -ozhā -opaħ -ozhē -odœns -opā -onhas
永体 -oghar -opaħ -othar -oghash -opā -othash
3人称 成体 両性 -oba -oza -otar -oma -obo -oi -otash -otam
男性 -obåd -opa -otar -omå -obod -opī -otash -otam
女性 -obåsh -ōsha -otar -omœ -obosh -oshī -otash -otam
亜成体 両性 -obån -onā -otår -omåi -obœn -omyk -otåsh -omü
男性 -obåmp -odā -otår -omåi -obœmp -omynh -otåsh -omü
女性 -obånsh -orā -otår -omåi -obœnsh -omyk -otåsh -omü
熟体 両性 -obyk -onē -otår -op'åi -obü -op'yk -otåsh -op'ü
男性 -obyk -odē -otår -op'åi -obü -op'ynh -otåsh -op'ü
女性 -obyk -orē -otår -op'åi -obü -op'yk -otåsh -op'ü
不活動成体 両性 -olha -olha -otar -opfåi -olho -olho -otash -opfü
熱性 -olhåi -olhåi -otar -opfåi -olhü -olhü -otash -opfü
冷性 -oc'a -oc'a -otar -opfåi -oc'o -oc'o -otash -opfü
潜在体 -ojö -ojö -otaħ -owhåi -ohas -ohas -otā -owhü
幼体 -otha -ot'wa -otaħ -omåit -otho -oit -otā -otant
老体 -otha -oska -otaħ -omåis -otho -ois -otā -otans
永体 -oħa -oþa -otaħ -ovåi -oħo -oþo -otā -ovü
神体 -oħa -ochā -otaħ -othā -oħo -ochau -otā -othau
抽象体 -oħa -oħo
不定人称 -ora -ora -ofa -ofa -oga -oga -oga -oga

他の型は、上記表の母音を当該型の母音へ置き換えればよい。ただし、1人称除単数でi-ウムラウトが発生している点に注意が必要である。また、En型、An型、On型のように原形語尾がnで終わる動詞は、以下の通り活用する(En型主語尾を例とする)。

  • i-ウムラウトの発生する1人称除単数は、原形からnを消した上にiを足してから活用語尾を接続する
    • 1人称単数:-eil(副語尾-eish 未然語尾-eila 完了語尾-eisha)
  • 活用語尾が1音節未満の場合、原形からnを消して活用語尾を接続する
    • 3人称成体:-es
    • 3人称成体男性:-ep
  • 活用語尾が1音節以上の場合、基本的に原形にそのまま活用語尾を接続する
    • 2人称成体:-enxor
    • 3人称不活動成体冷性:-onc'e
  • ただし、nの後に接続できない子音が活用語尾の先頭にある場合、以下2パターンのいずれかの形式をとる
    • nを消した上で先頭を長母音化(En型であればē)して活用語尾を接続する
      • 3人称抽象体単数:-ēħe
    • 活用語尾の先頭子音を長子音化する
      • 3人称不活動成体:-ellhe

非瞬間型の例としてE型の活用を示す。

主語尾 副語尾
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外 -el -emøl -eve -esh -emøs -ehar
包括 -exhil -emøng -exhis -evir
2人称 成体 両性 -ene -eper -exor -edœ -epesh -enhī
男性 -enu -eper -exro -edøu -epesh -enhī
女性 -enhe -eper -exre -edœ -epesh -enhī
亜成体 両性 -eja -epir -ejê -exhy -epish -enhü
男性 -ejåp -epir -ejeu -exhyp -epish -enhü
女性 -eish -epir -ejē -exhysh -epish -enhü
熟体 両性 -esfe -epir -egiþ -eftœ -epish -eginh
男性 -esfu -epir -egid -eftøu -epish -eginh
女性 -esfi -epir -egish -eftö -epish -eginh
幼体 -et'i -epeħ -exot -edœt -epē -enhit
老体 -exi -epeħ -exos -edœs -epē -enhis
永体 -egher -epeħ -ether -eghesh -epē -ethesh
3人称 成体 両性 -ebe -es -eter -em -ebi -ete -etesh -en
男性 -ebud -ep -eter -emo -ebyd -epte -etesh -en
女性 -ebī -ēsh -eter -eme -ebysh -etensh -etesh -en
亜成体 両性 -ebå -eman -etir -emī -ebœ -emek -etish -emæi
男性 -ebåp -emat -etir -emī -ebœp -emøng -etish -emæi
女性 -ebåi -emar -etir -emī -ebœi -emik -etish -emæi
熟体 両性 -ebenh -ep'in -etir -ep'ī -ebinh -ep'ek -etish -ep'æi
男性 -ebunh -ep'it -etir -ep'ī -ebynh -ep'øng -etish -ep'æi
女性 -ebīnh -ep'ir -etir -ep'ī -ebynh -ep'ik -etish -ep'æi
不活動成体 両性 -elhe -elhe -eter -epfī -elhi -elhi -etesh -epfæi
熱性 -elhī -elhī -eter -epfī -elhæi -elhæi -etesh -epfæi
冷性 -ec'e -ec'e -eter -epfī -ec'i -ec'i -etesh -epfæi
潜在体 -ejo -ejo -eteħ -ewhī -ehøs -ehøs -etē -ewhæi
幼体 -ethe -et'y -eteħ -emut -ethi -etet -etē -enot
老体 -ethe -esk -eteħ -emus -ethi -etes -etē -enos
永体 -eħe -eþe -eteħ -evī -eçi -eþi -etē -evæi
神体 -eħe -echai -eteħ -ethai -eçi -echæi -etē -ethæi
抽象体 -eħe -eçi
不定人称 -er -efe -efe -eng -eng -eng -eng
未然語尾 完了語尾
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外 -ela -emal -eva -esha -emas -erha
包括 -exhal -emang -exhas -evang
2人称 成体 両性 -ena -epar -enai -edœn -epash -enhā
男性 -enap -epar -enau -edū -epash -enhā
女性 -enhē -epar -enai -edē -epash -enhā
亜成体 両性 -ejā -epår -ejang -exhā -epåsh -enhang
男性 -ejô -epår -ejyng -exhō -epåsh -enhang
女性 -eshē -epår -ejæng -exhē -epåsh -enhang
熟体 両性 -esfā -epår -exhaþ -eftœn -epåsh -exhinh
男性 -eswō -epår -exhåd -eftū -epåsh -exhinh
女性 -esfē -epår -exhesh -eftē -epåsh -exhinh
幼体 -ec'ā -epaħ -ec'ai -edœnt -epā -enhat
老体 -ezhā -epaħ -ezhē -edœns -epā -enhas
永体 -eghar -epaħ -ethar -eghash -epā -ethash
3人称 成体 両性 -eba -eza -etar -ema -ebo -eta -etash -etam
男性 -ebåd -epa -etar -emå -ebod -epta -etash -etam
女性 -ebåsh -ēsha -etar -emœ -ebosh -etansh -etash -etam
亜成体 両性 -ebån -enā -etår -emåi -ebœn -emyk -etåsh -emü
男性 -ebåmp -edā -etår -emåi -ebœmp -emynh -etåsh -emü
女性 -ebånsh -erā -etår -emåi -ebœnsh -emyk -etåsh -emü
熟体 両性 -ebyk -enē -etår -ep'åi -ebü -ep'yk -etåsh -ep'ü
男性 -ebyk -edē -etår -ep'åi -ebü -ep'ynh -etåsh -ep'ü
女性 -ebyk -erē -etår -ep'åi -ebü -ep'yk -etåsh -ep'ü
不活動成体 両性 -elha -elha -etar -epfåi -elho -elho -etash -epfü
熱性 -elhåi -elhåi -etar -epfåi -elhü -elhü -etash -epfü
冷性 -ec'a -ec'a -etar -epfåi -ec'o -ec'o -etash -epfü
潜在体 -ejö -ejö -etaħ -ewhåi -ehas -ehas -etā -ewhü
幼体 -etha -et'wa -etaħ -emåit -etho -etat -etā -etant
老体 -etha -eska -etaħ -emåis -etho -etas -etā -etans
永体 -eħa -eþa -etaħ -evåi -eħo -eþo -etā -evü
神体 -eħa -echā -etaħ -ethā -eħo -echau -etā -ethau
抽象体 -eħa -eħo
不定人称 -era -era -efa -efa -ega -ega -ega -ega
規範語尾は人称や名詞クラスを一切区別せず、命令対象(すなわち2人称)の数のみを区別する。以下のような変化を取る。
不定数 単数 双数 複数
O型 -ok -owa -osh -ob
An型 -ank -ana -ansh -amp
U型 -uk -ua -ush -ub
Ô型 -åk -åwa -åsh -åb
Ö型 -øk -ø'a -øsh -øb
E型 -ek -e'a -esh -eb
Ü型 -yk -yā -ysh -yb
I型 -ik -ija -ish -ib
En型 -enk -ena -ensh -emp
Oi型 -oik -oja -oish -oib
A型 -ak -ash -ab
On型 -onk -ona -onsh -omp
第Ⅰ類動詞U型・第Ⅲ類動詞I型の一部の語尾は、語幹と語尾をつなぐ母音が消失し、語幹と語尾が融合する場合がある。その際、U型はuウムラウト、I型はiウムラウトを起こす。その変化の仕方は一つ一つ異なり、究極的には1つずつ覚えていくしかない。

U型の例としてmērū「見る」の活用を示す。省略語幹は語幹のēがuウムラウト化しmør-となっている。

  主語尾 副語尾
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外 mēryl mørmøl mørve mērysh mørmøs mēruhar
包括 mørxhil mørmøng mørxhis mørvir
2人称 成体 両性 mērun mørper mørxor mørdœ mørpesh mørnhī
男性 mørnu mørper mørxro mørdøu mørpesh mørnhī
女性 mørnhe mørper mørxre mørdœ mørpesh mørnhī
亜成体 両性 mēruja mørpir mērujê mørxhy mørpish mørnhü
男性 mērujåp mørpir mērujeu mørxhyp mørpish mørnhü
女性 mēruish mørpir mērujē mørxhysh mørpish mørnhü
熟体 両性 mērusfe mørpir mørgiþ mēruftœ mørpish mørginh
男性 mērusfu mørpir mørgid mēruftøu mørpish mørginh
女性 mērusfi mørpir mørgish mēruftö mørpish mørginh
幼体 mørt'i mørpeħ mørxot mørdœt mørpē mørnhit
老体 mørxi mørpeħ mørxos mørdœs mørpē mørnhis
永体 mørgher mørpeħ mørther mørghesh mørpē mørthesh
3人称 成体 両性 mørbe mørs mørter mērum mørbi mēru mørtesh mēru
男性 mørbud mørp mørter mørmo mørbyd mērupt mørtesh mēru
女性 mørbī mērūsh mørter mørme mørbysh mērunsh mørtesh mēru
亜成体 両性 mørbå mørman mørtir mørmī mørbœ mørmek mørtish mørmæi
男性 mørbåp mørmat mørtir mørmī mørbœp mørmøng mørtish mørmæi
女性 mørbåi mørmar mørtir mørmī mørbœi mørmik mørtish mørmæi
熟体 両性 mørbenh mørp'in mørtir mørp'ī mørbinh mørp'ek mørtish mørp'æi
男性 mørbunh mørp'it mørtir mørp'ī mørbynh mørp'øng mørtish mørp'æi
女性 mørbīnh mørp'ir mørtir mørp'ī mørbynh mørp'ik mørtish mørp'æi
不活動成体 両性 mørlhe mørlhe mørter mørpfī mørlhi mørlhi mørtesh mørpfæi
熱性 mørlhī mørlhī mørter mørpfī mørlhæi mørlhæi mørtesh mørpfæi
冷性 mørc'e mørc'e mørter mørpfī mørc'i mørc'i mørtesh mørpfæi
潜在体 mērujo mērujo mørteħ mēruwhī mēruhøs mēruhøs mørtē mēruwhæi
幼体 mørthe mērut'y mørteħ mørmut mørthi mērust mørtē mērūt
老体 mørthe mērusk mørteħ mørmus mørthi mēruns mørtē mērūs
永体 mēruħe mēruþe mørteħ mørvī mēruçi mørþi mørtē mørvæi
神体 mēruħe mēruchai mørteħ mørthai mēruçi mørchæi mørtē mørthæi
抽象体 mēruħe mēruçi
不定人称 mērū mērur mørfe mørfe mērung mērung mērung mērung
  未然語尾 完了語尾
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外 mēryla mørmal mørva mērysha mørmas mērurha
包括 mørxhal mørmang mørxhas mørvang
2人称 成体 両性 mørna mørpar mørnai mørdœn mørpash mørnhā
男性 mørnap mørpar mørnau mørdū mørpash mørnhā
女性 mørnhē mørpar mørnai mørdē mørpash mørnhā
亜成体 両性 mērujā mørpår mērujang mørxhā mørpåsh mørnhang
男性 mērujô mørpår mērujyng mørxhō mørpåsh mørnhang
女性 mēryshē mørpår mērujæng mēryxhē mørpåsh mørnhang
熟体 両性 mērusfā mørpår mørxhaþ mēruftœn mørpåsh mørxhinh
男性 mēruswō mørpår mørxhåd mēruftū mørpåsh mørxhinh
女性 mērusfē mørpår mørxhesh mēruftē mørpåsh mørxhinh
幼体 mørc'ā mørpaħ mørc'ai mørdœnt mørpā mørnhat
老体 mørzhā mørpaħ mørzhē mørdœns mørpā mørnhas
永体 mørghar mørpaħ mørthar mørghash mørpā mørthash
3人称 成体 両性 mørba mēruza mørtar mørma mørbo mērui mørtash mørtam
男性 mørbåd mørpa mørtar mørmå mørbod mørpī mørtash mørtam
女性 mørbåsh mērūsha mørtar mørmœ mørbosh mørshī mørtash mørtam
亜成体 両性 mørbån mørnā mørtår mørmåi mørbœn mørmyk mørtåsh mørmü
男性 mørbåmp mørdā mørtår mørmåi mørbœmp mørmynh mørtåsh mørmü
女性 mørbånsh mørrā mørtår mørmåi mørbœnsh mørmyk mørtåsh mørmü
熟体 両性 mørbyk mørnē mørtår mørp'åi mørbü mørp'yk mørtåsh mørp'ü
男性 mørbyk mørdē mørtår mørp'åi mørbü mørp'ynh mørtåsh mørp'ü
女性 mørbyk mørrē mørtår mørp'åi mørbü mørp'yk mørtåsh mørp'ü
不活動成体 両性 mørlha mørlha mørtar mørpfåi mørlho mørlho mørtash mørpfü
熱性 mørlhåi mørlhåi mørtar mørpfåi mørlhü mørlhü mørtash mørpfü
冷性 mørc'a mørc'a mørtar mørpfåi mørc'o mørc'o mørtash mørpfü
潜在体 mērujö mērujö mørtaħ mēruwhåi mēruhas mēruhas mørtā mēruwhü
幼体 mørtha mērut'wa mørtaħ mørmåit mørtho mēruit mørtā mørtant
老体 mørtha mēruska mørtaħ mørmåis mørtho mēruis mørtā mørtans
永体 mēruħa mørþa mørtaħ mørvåi mēruħo mørþo mørtā mørvü
神体 mēruħa mørchā mørtaħ mørthā mēruħo mørchau mørtā mørthau
抽象体 mēruħa mēruħo
不定人称 mørra mørra mørfa mørfa mørga mørga mørga mørga

I型の例としてpōk'ī「打つ」の活用を示す。省略語幹は語幹のōがiウムラウト化しpøk-, pøg-となっている。

  主語尾 副語尾
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外 pōk'il pøgmøl pøkfe pōk'ilsh pøgmøs pōk'ihar
包括 pōk'ixhil pøgmøng pōk'ixhis pøkfir
2人称 成体 両性 pøgne pōk'iper pōk'ixor pōk'idœ pōk'ipesh pøgnhī
男性 pøgnu pōk'iper pōk'ixro pōk'idøu pōk'ipesh pøgnhī
女性 pøgnhe pōk'iper pōk'ixre pōk'idœ pōk'ipesh pøgnhī
亜成体 両性 pōk'ija pōk'ipir pōk'ijê pōk'ixhy pōk'ipish pøgnhü
男性 pōk'ijåp pōk'ipir pōk'ijeu pōk'ixhyp pōk'ipish pøgnhü
女性 pōk'iish pōk'ipir pōk'ijē pōk'ixhysh pōk'ipish pøgnhü
熟体 両性 pōk'isfe pōk'ipir pøggiþ pøkftœ pōk'ipish pøgginh
男性 pōk'isfu pōk'ipir pøggid pøkftøu pōk'ipish pøgginh
女性 pōk'isfi pōk'ipir pøggish pøkftö pōk'ipish pøgginh
幼体 pøkt'i pōk'ipeħ pōk'ixot pōk'idœt pōk'ipē pøgnhit
老体 pōk'ixi pōk'ipeħ pōk'ixos pōk'idœs pōk'ipē pøgnhis
永体 pøggher pōk'ipeħ pøkther pøgghesh pōk'ipē pøkthesh
3人称 成体 両性 pōk'ibe pōk'is pøkter pōk'im pōk'ibi pøkte pøktesh pōk'in
男性 pōk'ibud pōk'ip pøkter pøgmo pōk'ibyd pōk'ipte pøktesh pōk'in
女性 pōk'ibī pōk'īsh pøkter pøgme pōk'ibysh pøktensh pøktesh pōk'in
亜成体 両性 pōk'ibå pøgman pøktir pøgmī pōk'ibœ pøgmek pøktish pøgmæi
男性 pōk'ibåp pøgmat pøktir pøgmī pōk'ibœp pøgmøng pøktish pøgmæi
女性 pōk'ibåi pøgmar pøktir pøgmī pōk'ibœi pøgmik pøktish pøgmæi
熟体 両性 pōk'ibenh pōk'ip'in pøktir pōk'ip'ī pōk'ibinh pōk'ip'ek pøktish pōk'ip'æi
男性 pōk'ibunh pōk'ip'it pøktir pōk'ip'ī pōk'ibynh pōk'ip'øng pøktish pōk'ip'æi
女性 pōk'ibīnh pōk'ip'ir pøktir pōk'ip'ī pōk'ibynh pōk'ip'ik pøktish pōk'ip'æi
不活動成体 両性 pōk'ilhe pōk'ilhe pøkter pōk'ipfī pōk'ilhi pōk'ilhi pøktesh pōk'ipfæi
熱性 pōk'ilhī pōk'ilhī pøkter pōk'ipfī pōk'ilhæi pōk'ilhæi pøktesh pōk'ipfæi
冷性 pøkc'e pøkc'e pøkter pōk'ipfī pøkc'i pøkc'i pøktesh pōk'ipfæi
潜在体 pōk'ijo pōk'ijo pøkteħ pōk'iwhī pōk'ihøs pōk'ihøs pøktē pōk'iwhæi
幼体 pøkthe pøkt'y pøkteħ pøgmut pøkthi pøktet pøktē pøgnot
老体 pøkthe pøksk pøkteħ pøgmus pøkthi pøktes pøktē pøgnos
永体 pōk'iħe pōk'iþe pøkteħ pøkfī pōk'içi pōk'iþi pøktē pøkfæi
神体 pōk'iħe pøkchai pøkteħ pøkthai pōk'içi pøkchæi pøktē pøkthæi
抽象体 pōk'iħe pōk'içi
不定人称 pōk'ī pōk'ir pøkfe pøkfe pōk'ing pōk'ing pōk'ing pōk'ing
  未然語尾 完了語尾
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外 pøgla pøgmal pøkfa pøksha pøgmas pōk'irha
包括 pōk'ixhal pøgmang pōk'ixhas pøkfang
2人称 成体 両性 pøgna pōk'ipar pøgnai pōk'idœn pōk'ipash pøgnhā
男性 pøgnap pōk'ipar pøgnau pōk'idū pōk'ipash pøgnhā
女性 pøgnhē pōk'ipar pøgnai pōk'idē pōk'ipash pøgnhā
亜成体 両性 pōk'ijā pōk'ipår pōk'ijang pōk'ixhā pōk'ipåsh pøgnhang
男性 pōk'ijô pōk'ipår pōk'ijyng pōk'ixhō pōk'ipåsh pøgnhang
女性 pøkshē pōk'ipår pōk'ijæng pōk'ixhē pōk'ipåsh pøgnhang
熟体 両性 pōk'isfā pōk'ipår pōk'ixhaþ pøkftœn pōk'ipåsh pōk'ixhinh
男性 pøkswō pōk'ipår pōk'ixhåd pøkftū pōk'ipåsh pōk'ixhinh
女性 pōk'isfē pōk'ipår pōk'ixhesh pøkftē pōk'ipåsh pōk'ixhinh
幼体 pøkc'ā pōk'ipaħ pøkc'ai pōk'idœnt pōk'ipā pøgnhat
老体 pōk'izhā pōk'ipaħ pōk'izhē pōk'idœns pōk'ipā pøgnhas
永体 pøgghar pōk'ipaħ pøkthar pøgghash pōk'ipā pøkthash
3人称 成体 両性 pōk'iba pōk'iza pøktar pøgma pōk'ibo pøkta pøktash pøktam
男性 pōk'ibåd pōk'ipa pøktar pøgmå pōk'ibod pōk'ipta pøktash pøktam
女性 pōk'ibåsh pōk'īsha pøktar pøgmœ pōk'ibosh pøktansh pøktash pøktam
亜成体 両性 pōk'ibån pøgnā pøktår pøgmåi pōk'ibœn pøgmyk pøktåsh pøgmü
男性 pōk'ibåmp pōk'idā pøktår pøgmåi pōk'ibœmp pøgmynh pøktåsh pøgmü
女性 pōk'ibånsh pōk'irā pøktår pøgmåi pōk'ibœnsh pøgmyk pøktåsh pøgmü
熟体 両性 pōk'ibyk pøgnē pøktår pōk'ip'åi pōk'ibü pōk'ip'yk pøktåsh pōk'ip'ü
男性 pōk'ibyk pōk'idē pøktår pōk'ip'åi pōk'ibü pōk'ip'ynh pøktåsh pōk'ip'ü
女性 pōk'ibyk pōk'irē pøktår pōk'ip'åi pōk'ibü pōk'ip'yk pøktåsh pōk'ip'ü
不活動成体 両性 pōk'ilha pōk'ilha pøktar pōk'ipfåi pōk'ilho pōk'ilho pøktash pōk'ipfü
熱性 pōk'ilhåi pōk'ilhåi pøktar pōk'ipfåi pōk'ilhü pōk'ilhü pøktash pōk'ipfü
冷性 pøkc'a pøkc'a pøktar pōk'ipfåi pøkc'o pøkc'o pøktash pōk'ipfü
潜在体 pōk'ijö pōk'ijö pøktaħ pōk'iwhåi pōk'ihas pōk'ihas pøktā pōk'iwhü
幼体 pøktha pōk'it'wa pøktaħ pøgmåit pøktho pøktat pøktā pøktant
老体 pøktha pōk'iska pøktaħ pøgmåis pøktho pøktas pøktā pøktans
永体 pōk'iħa pōk'iþa pøktaħ pøkfåi pōk'iħo pōk'iþo pøktā pøkfü
神体 pōk'iħa pøkchā pøktaħ pøkthā pōk'iħo pøkchau pøktā pøkthau
抽象体 pōk'iħa pōk'iħo
不定人称 pōk'ira pōk'ira pøkfa pøkfa pøgga pøgga pøgga pøgga

事実性以外の活用は、規範法を持たないため規範語尾は存在せず、人称変化も事実性とくらべて非常に少ない。瞬間型・非瞬間型ともに同じ活用であり、下表ではO型を例に活用を示す。下表のうち、2人称はAとBに分かれているが、Aは成体・亜成体・熟体、Bはそれ以外であることを示している。

報告性 評価性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
主語尾 1人称 -ølê -oblê -ovê -ølis -oblis -ovis
1人称包括 -oxhlê -omøgê -oxhlis -omøgis
2人称A -onê -oprê -oxê -onis -opris -oxis
2人称B -ojê -oprê -oxê -ojis -opris -oxis
3人称A -obê -ozê -otrê -omê -obis -ozis -otris -omis
3人称B -oħê -ohê -otrê -opfê -oħis -ohis -otris -opfis
不定人称 -orê -orê -ofê -ofê -oris -oris -ofis -ofis
副語尾 1人称 -øshê -onsê -orhê -øshis -onsis -orhis
1人称包括 -oxhisê -ovirê -oxhisis -oviris
2人称A -odê -opshê -onhê -odis -opshis -onhis
2人称B -oxhê -opshê -onhê -oxhis -opshis -onhis
3人称A -okê -otê -osshê -uwê -okis -otis -osshis -uwis
3人称B -okê -otê -osshê -uwê -okis -otis -osshis -uwis
不定人称 -ogê -ogê -ogê -ogê -ogis -ogis -ogis -ogis
未然語尾 1人称 -ølai -omalê -ovai -ølais -omalis -ovais
1人称包括 -oxhalê -omagê -oxhalis -omagis
2人称A -onai -oparê -oxai -onais -oparis -oxais
2人称B -ojai -oparê -oxai -ojais -oparis -oxais
3人称A -obai -ozai -otarê -omai -obais -ozais -otaris -omais
3人称B -oħai -ohai -otarê -opfai -oħais -ohais -otaris -opfais
不定人称 -orai -orai -ofai -ofai -orais -orais -ofais -ofais
完了語尾 1人称 -øshai -omasê -orhai -øshais -omasis -orhais
1人称包括 -oxhasê -ovagê -oxhasis -ovagis
2人称A -odnê -opashê -onhai -odnis -opashis -onhais
2人称B -oxhnê -opashê -onhai -oxhnis -opashis -onhais
3人称A -okai -otai -otashê -odmê -okais -otais -otashis -odmis
3人称B -okai -otai -otashê -odmê -okais -otais -otashis -odmis
不定人称 -ogai -ogai -ogai -ogai -ogais -ogais -ogais -ogais
伝聞性 断定性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
主語尾 1人称 -ølū -oblū -ovū -ølus -oblus -ovus
1人称包括 -oxhlū -omøgū -oxhlus -omøgus
2人称A -onū -oprū -oxū -onus -oprus -oxus
2人称B -ojū -oprū -oxū -ojus -oprus -oxus
3人称A -obū -ozū -otrū -omū -obus -ozus -otrus -omus
3人称B -oħū -ohū -otrū -opfū -oħus -ohus -otrus -opfus
不定人称 -orū -orū -ofū -ofū -orus -orus -ofus -ofus
副語尾 1人称 -øshū -onsū -orhū -øshus -onsus -orhus
1人称包括 -oxhisū -ovirū -oxhisus -ovirus
2人称A -odū -opshū -onhū -odus -opshus -onhus
2人称B -oxhū -opshū -onhū -oxhus -opshus -onhus
3人称A -okū -otū -osshū -uwū -okus -otus -osshus -uwus
3人称B -okū -otū -osshū -uwū -okus -otus -osshus -uwus
不定人称 -ogū -ogū -ogū -ogū -ogus -ogus -ogus -ogus
未然語尾 1人称 -ølau -omalū -ovau -ølaus -omalus -ovaus
1人称包括 -oxhalū -omagū -oxhalus -omagus
2人称A -onau -oparū -oxau -onaus -oparus -oxaus
2人称B -ojau -oparū -oxau -ojaus -oparus -oxaus
3人称A -obau -ozau -otarū -omau -obaus -ozaus -otarus -omaus
3人称B -oħau -ohau -otarū -opfau -oħaus -ohaus -otarus -opfaus
不定人称 -orau -orau -ofau -ofau -oraus -oraus -ofaus -ofaus
完了語尾 1人称 -øshau -omasū -orhau -øshaus -omasus -orhaus
1人称包括 -oxhasū -ovagū -oxhasus -ovagus
2人称A -odnū -opashū -onhau -odnus -opashus -onhaus
2人称B -oxhnū -opashū -onhau -oxhnus -opashus -onhaus
3人称A -okau -otau -otashū -odmū -okaus -otaus -otashus -odmus
3人称B -okau -otau -otashū -odmū -okaus -otaus -otashus -odmus
不定人称 -ogau -ogau -ogau -ogau -ogaus -ogaus -ogaus -ogaus
見解性 推告性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
主語尾 1人称 -ølde -obelde -ofte -øldei -obeldei -oftei
1人称包括 -oxhilde -omøgde -oxhildei -omøgdei
2人称A -onde -operde -oxod -ondei -operdei -oxodei
2人称B -oide -operde -oxod -oidei -operdei -oxodei
3人称A -opte -oste -oterde -ompte -optei -ostei -oterdei -omptei
3人称B -odhe -odhe -oterde -opfte -odhei -odhei -oterdei -opftei
不定人称 -orde -orde -ofte -ofte -ordei -ordei -oftei -oftei
副語尾 1人称 -øshte -onste -ordhe -øshtei -onstei -ordhei
1人称包括 -oxhiste -ovirde -oxhistei -ovirdei
2人称A -odde -opeshte -onhid -oddei -opeshtei -onhidei
2人称B -osthe -opeshte -onhid -osthei -opeshtei -onhidei
3人称A -okte -otte -osshite -ude -oktei -ottei -osshitei -udei
3人称B -okte -otte -osshite -ude -oktei -ottei -osshitei -udei
不定人称 -ogde -ogde -ogde -ogde -ogdei -ogdei -ogdei -ogdei
未然語尾 1人称 -ølda -omalde -ofta -øldai -omaldei -oftai
1人称包括 -oxhalde -omagde -oxhaldei -omagdei
2人称A -onda -oparde -oxoda -ondai -opardei -oxodai
2人称B -oida -oparde -oxoda -oidai -opardei -oxodai
3人称A -opta -osta -otarde -ompta -optai -ostai -otardei -omptai
3人称B -odha -odha -otarde -opfta -odhai -odhai -otardei -opftai
不定人称 -orda -orda -ofta -ofta -ordai -ordai -oftai -oftai
完了語尾 1人称 -øshta -omaste -ordha -øshtai -omastei -ordhai
1人称包括 -oxhaste -ovagde -oxhastei -ovagdei
2人称A -odande -opashte -onhida -odandei -opashtei -onhidai
2人称B -oxhinde -opashte -onhida -oxhindei -opashtei -onhidai
3人称A -okta -otta -otashte -otampte -oktai -ottai -otashtei -otamptei
3人称B -okta -otta -otashte -otampte -oktai -ottai -otashtei -otamptei
不定人称 -ogda -ogda -ogda -ogda -ogdai -ogdai -ogdai -ogdai
推定性 仄聞性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
主語尾 1人称 -øldis -obeldis -oftis -øldë -obeldë -oftë
1人称包括 -oxhildis -omøgdis -oxhildë -omøgdë
2人称A -ondis -operdis -oxodis -ondë -operdë -oxodë
2人称B -oidis -operdis -oxodis -oidë -operdë -oxodë
3人称A -optis -ostis -oterdis -omptis -optë -ostë -oterdë -omptë
3人称B -odhis -odhis -oterdis -opftis -odhë -odhë -oterdë -opftë
不定人称 -ordis -ordis -oftis -oftis -ordë -ordë -oftë -oftë
副語尾 1人称 -øshtis -onstis -ordhis -øshtë -onstë -ordhë
1人称包括 -oxhistis -ovirdis -oxhistë -ovirdë
2人称A -oddis -opeshtis -onhidis -oddë -opeshtë -onhidë
2人称B -osthis -opeshtis -onhidis -osthë -opeshtë -onhidë
3人称A -oktis -ottis -osshitis -udis -oktë -ottë -osshitë -udë
3人称B -oktis -ottis -osshitis -udis -oktë -ottë -osshitë -udë
不定人称 -ogdis -ogdis -ogdis -ogdis -ogdë -ogdë -ogdë -ogdë
未然語尾 1人称 -øldas -omaldis -oftas -øldô -omaldë -oftô
1人称包括 -oxhaldis -omagdis -oxhaldë -omagdë
2人称A -ondas -opardis -oxodas -ondô -opardë -oxodô
2人称B -oidas -opardis -oxodas -oidô -opardë -oxodô
3人称A -optas -ostas -otardis -omptas -optô -ostô -otardë -omptô
3人称B -odhas -odhas -otardis -opftas -odhô -odhô -otardë -opftô
不定人称 -ordas -ordas -oftas -oftas -ordô -ordô -oftô -oftô
完了語尾 1人称 -øshtas -omastis -ordhas -øshtô -omastë -ordhô
1人称包括 -oxhastis -ovagdis -oxhastë -ovagdë
2人称A -odandis -opashtis -onhidas -odandë -opashtë -onhidô
2人称B -oxhindis -opashtis -onhidas -oxhindë -opashtë -onhidô
3人称A -oktas -ottas -otashtis -otamptis -oktô -ottô -otashtë -otamptë
3人称B -oktas -ottas -otashtis -otamptis -oktô -ottô -otashtë -otamptë
不定人称 -ogdas -ogdas -ogdas -ogdas -ogdô -ogdô -ogdô -ogdô
推量性 仮定性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
主語尾 1人称 -øldøs -obeldøs -oftøs -ølfo -obelfo -offo
1人称包括 -oxhildøs -omøgdøs -oxhilfo -omøkfo
2人称A -ondøs -operdøs -oxodøs -omfo -operfo -oxof
2人称B -oidøs -operdøs -oxodøs -ojfo -operfo -oxof
3人称A -optøs -ostøs -oterdøs -omptøs -obfo -osfo -oterfo -omfo
3人称B -odhøs -odhøs -oterdøs -opftøs -ōfo -ōfo -oterfo -oppfo
不定人称 -ordøs -ordøs -oftøs -oftøs -orfo -orfo -offo -offo
副語尾 1人称 -øshtøs -onstøs -ordhøs -øshfo -onsfo -orhwo
1人称包括 -oxhistøs -ovirdøs -oxhisfo -ovirfo
2人称A -oddøs -opeshtøs -onhidøs -odwo -opeshfo -onhif
2人称B -osthøs -opeshtøs -onhidøs -oxhfo -opeshfo -onhif
3人称A -oktøs -ottøs -osshitøs -udøs -okfo -otwo -osshifo -ufo
3人称B -oktøs -ottøs -osshitøs -udøs -okfo -otwo -osshifo -ufo
不定人称 -ogdøs -ogdøs -ogdøs -ogdøs -okfo -okfo -okfo -okfo
未然語尾 1人称 -øldås -omaldøs -oftås -ølfa -omalfo -offa
1人称包括 -oxhaldøs -omagdøs -oxhalfo -omakfo
2人称A -ondås -opardøs -oxodås -omfa -oparfo -oxofa
2人称B -oidås -opardøs -oxodås -ojfa -oparfo -oxofa
3人称A -optås -ostås -otardøs -omptås -obfa -osfa -otarfo -omfa
3人称B -odhås -odhås -otardøs -opftås -ōfa -ōfa -otarfo -oppfa
不定人称 -ordås -ordås -oftås -oftås -orfa -orfa -offa -offa
完了語尾 1人称 -øshtås -omastøs -ordhås -øshfa -omafo -orhwa
1人称包括 -oxhastøs -ovagdøs -oxhafo -ovakfo
2人称A -odandøs -opashtøs -onhidås -odmfo -opahfo -onhifa
2人称B -oxhindøs -opashtøs -onhidås -oxhimfo -opahfo -onhifa
3人称A -oktås -ottås -otashtøs -otamptøs -okfa -otwa -otahfo -otamfo
3人称B -oktås -ottås -otashtøs -otamptøs -okfa -otwa -otahfo -otamfo
不定人称 -ogdås -ogdås -ogdås -ogdås -okfa -okfa -okfa -okfa
予告性 仮評性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
主語尾 1人称 -ølfoi -obelfoi -offoi -ølføs -obelføs -offøs
1人称包括 -oxhilfoi -omøkfoi -oxhilføs -omøkføs
2人称A -omfoi -operfoi -oxofi -omføs -operføs -oxoføs
2人称B -ojfoi -operfoi -oxofi -ojføs -operføs -oxoføs
3人称A -obfoi -osfoi -oterfoi -omfoi -obføs -osføs -oterføs -omføs
3人称B -ōfoi -ōfoi -oterfoi -oppfoi -ōføs -ōføs -oterføs -oppføs
不定人称 -orfoi -orfoi -offoi -offoi -orføs -orføs -offøs -offøs
副語尾 1人称 -øshfoi -onsfoi -orhwoi -øshføs -onsføs -orhwøs
1人称包括 -oxhisfoi -ovirfoi -oxhisføs -ovirføs
2人称A -odwoi -opeshfoi -onhifi -odwøs -opeshføs -onhiføs
2人称B -oxhfoi -opeshfoi -onhifi -oxhføs -opeshføs -onhiføs
3人称A -okfoi -otwoi -osshifoi -ufoi -okføs -otwøs -osshiføs -uføs
3人称B -okfoi -otwoi -osshifoi -ufoi -okføs -otwøs -osshiføs -uføs
不定人称 -okfoi -okfoi -okfoi -okfoi -okføs -okføs -okføs -okføs
未然語尾 1人称 -ølfai -omalfoi -offai -ølfas -omalføs -offas
1人称包括 -oxhalfoi -omakfoi -oxhalføs -omakføs
2人称A -omfai -oparfoi -oxofai -omfas -oparføs -oxofas
2人称B -ojfai -oparfoi -oxofai -ojfas -oparføs -oxofas
3人称A -obfai -osfai -otarfoi -omfai -obfas -osfas -otarføs -omfas
3人称B -ōfai -ōfai -otarfoi -oppfai -ōfas -ōfas -otarføs -oppfas
不定人称 -orfai -orfai -offai -offai -orfas -orfas -offas -offas
完了語尾 1人称 -øshfai -omasfoi -orhwai -øshfas -omasføs -orhwas
1人称包括 -oxhasfoi -ovakfoi -oxhasføs -ovakføs
2人称A -otamfoi -opashfoi -onhifai -otamføs -opashføs -onhifas
2人称B -oxhimfoi -opashfoi -onhifai -oxhimføs -opashføs -onhifas
3人称A -okfai -otwai -otashfoi -otamfoi -okfas -otwas -otashføs -otamføs
3人称B -okfai -otwai -otashfoi -otamfoi -okfas -otwas -otashføs -otamføs
不定人称 -okfai -okfai -okfai -okfai -okfas -okfas -okfas -okfas
分析性 蓋然性
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
主語尾 1人称 -ølfū -obelfū -offū -ølfus -obelfus -offus
1人称包括 -oxhilfū -omøkfū -oxhilfus -omøkfus
2人称A -omfū -operfū -oxofū -omfus -operfus -oxofus
2人称B -ojfū -operfū -oxofū -ojfus -operfus -oxofus
3人称A -obfū -osfū -oterfū -omfū -obfus -osfus -oterfus -omfus
3人称B -ōfū -ōfū -oterfū -oppfū -ōfus -ōfus -oterfus -oppfus
不定人称 -orfū -orfū -offū -offū -orfus -orfus -offus -offus
副語尾 1人称 -øshfū -onsfū -orhwū -øshfus -onsfus -orhwus
1人称包括 -oxhisfū -ovirfū -oxhisfus -ovirfus
2人称A -odwū -opeshfū -onhifū -odwus -opeshfus -onhifus
2人称B -oxhfū -opeshfū -onhifū -oxhfus -opeshfus -onhifus
3人称A -okfū -otwū -osshifū -ufū -okfus -otwus -osshifus -ufus
3人称B -okfū -otwū -osshifū -ufū -okfus -otwus -osshifus -ufus
不定人称 -okfū -okfū -okfū -okfū -okfus -okfus -okfus -okfus
未然語尾 1人称 -ølfô -omalfū -offô -ølfås -omalfus -offås
1人称包括 -oxhalfū -omakfū -oxhalfus -omakfus
2人称A -omfô -oparfū -oxofô -omfås -oparfus -oxofås
2人称B -ojfô -oparfū -oxofô -ojfås -oparfus -oxofås
3人称A -obfô -osfô -otarfū -omfô -obfås -osfås -otarfus -omfås
3人称B -ōfô -ōfô -otarfū -oppfô -ōfås -ōfås -otarfus -oppfås
不定人称 -orfô -orfô -offô -offô -orfås -orfås -offås -offås
完了語尾 1人称 -øshfô -omasfū -orhwô -øshfås -omasfus -orhwås
1人称包括 -oxhasfū -ovakfū -oxhasfus -ovakfus
2人称A -otamfū -opashfū -onhifô -otamfus -opashfus -onhifås
2人称B -oxhimfū -opashfū -onhifô -oxhimfus -opashfus -onhifås
3人称A -okfô -otwô -otashfū -otamfū -okfås -otwås -otashfus -otamfus
3人称B -okfô -otwô -otashfū -otamfū -okfås -otwås -otashfus -otamfus
不定人称 -okfô -okfô -okfô -okfô -okfås -okfås -okfås -okfås
事実性の常用語尾は、動詞の取る目的語(対格・与格)の意味を付加することができる。

以下の表は、縦軸が主語の人称、横軸が直接目的語の人称を示している。例えば表内の-venは「私達はあなたを~する」という意味を示す。主格と目的格の人称が一致する場合は中動態と同義であるため、中動態が用いられる。二段ある行は上段が非瞬間語尾、下段が瞬間語尾であることを示す。-∅は語尾に子音がないこと(=母音で終わること)を示している。

対格派生
なし 1単 1複 2成単 2成複 3成単 3成複 不定単 不定複
主語尾 1単 -l -len -lor -leu -lœ -llø -lef
1複 -ve -ven -vor -veu -vœ -vrø -vef
2成単 -n
-ne
-nil
-neil
-nwø
-nevø
-neu
-nēu
-nœ
-newe
-ndrø
-nerø
-nef
-nefø
2成複 -xor -xil -xwø -xeu -xœ -xrø -xef
3成単 -s -zil -zwø -zen -zor -zrø -zef
3成複 -m -mil -mvø -men -mor -mbrø -mef
不定単 -r -ril -rvø -ren -ror -reu -rœ -ref
不定複 -fe -fil -fwø -fen -for -feu -fœ -frø
副語尾 1単 -sh -shen -shor -sheu -shœ -shrø -shef
1複 -(h)ar -(h)ain -(h)aur -(h)areu -(h)awe -(h)arø -(h)aif
2成単 -dø -dil -dwø -deu -dœ -drø -def
2成複 -nhī -nhil -nhwø -nheu -nhœ -nxhrø -nhif
3成単 -∅
-te
-lø
-til
-vø
-twø
-nø
-ten
-hor
-tor
-rø
-trø
-fø
-tef
3成複 -∅
-n
-lø
-nel
-vø
-nwø
-nø
-nen
-hor
-nor
-rø
-ndrø
-fø
-nef
不定単
不定複
-ng -gil -bø -gen -gor -geu -gœ
未然語尾 1単 -la -lan -laur -lau -lwe -larø -laf
1複 -va -van -vaur -vau -vwe -varø -vaf
2成単 -na -nel -navø -nau -nwe -narø -naf
2成複 -nai -nail -nivø -najau -niwe -nirø -nifø
3成単 -za -zel -zavø -zan -zaur -zarø -zaf
3成複 -ma -mel -mavø -man -maur -marø -maf
不定単 -ra -rel -ravø -ran -raur -rau -rwe
不定複 -fa -fel -favø -fan -faur -fau -fwe
完了語尾 1単 -sha -shan -shaur -shau -shwe -sharø -shaf
1複 -rha -rhan -rhor -rhau -rhwe -rrhø -rhaf
2成単 -døn -dønil -døvø -døneu -dønœ -dørø -døfø
2成複 -nhia -nhīl -nhevø -nhau -nhewe -nherø -nhīf
3成単 -i
-ta
-ilø
-tel
-ivø
-tavø
-inø
-tan
-ihor
-taur
-irø
-tarø
-ifø
-taf
3成複 -tam -tamil -tomø -tamen -tamor -torø -tamef
不定単
不定複
-ga -gel -gavø -gan -gaur -gau -gawe
与格派生
なし 1単 1複 2成単 2成複 3成単 3成複 不定単 不定複
主語尾 1単 -l -let -lenh -lui -lü -lly -leng
1複 -ve -vet -venh -vui -vü -vry -veng
2成単 -n
-ne
-nyl
-neyl
-nwo
-nevy
-nui
-nūi
-nü
-newi
-ndry
-nery
-neng
-negy
2成複 -xor -xyl -xwo -xui -xü -xry -xeng
3成単 -s -zyl -zwo -zet -zenh -zry -zeng
3成複 -m -myl -mvo -met -menh -mbry -meng
不定単 -r -ryl -rvy -ret -renh -rui -rü -reng
不定複 -fe -fyl -fwo -fet -fenh -fui -fü -fry
副語尾 1単 -sh -shet -shenh -shui -shü -shry -sheng
1複 -(h)ar -(h)ait -(h)ainh -(h)arui -(h)awi -(h)ary -(h)aing
2成単 -dø -dyl -dwo -dui -dü -dry -deng
2成複 -nhī -nhyl -nhwo -nhui -nhü -nxhry -nhing
3成単 -∅
-te
-ly
-tyl
-vy
-two
-dy
-tet
-henh
-tenh
-ry
-try
-gy
-teng
3成複 -∅
-n
-ly
-nel
-vy
-nwo
-dy
-net
-henh
-nenh
-ry
-ndry
-gø
-neng
不定単
不定複
-ng -gyl -by -get -genh -gui -gü
未然語尾 1単 -la -lat -lainh -lau -lwi -lary -lang
1複 -va -vat -vainh -vau -vwi -vary -vang
2成単 -na -nel -navy -nau -nwi -nary -nang
2成複 -nai -nayl -nivy -najau -niwi -niry -nigy
3成単 -za -zel -zavy -zat -zainh -zary -zang
3成複 -ma -mel -mavy -mat -mainh -mary -mang
不定単 -ra -rel -ravy -rat -rainh -rau -rwi
不定複 -fa -fel -favy -fat -fainh -fau -fwi
完了語尾 1単 -sha -shat -shainh -shau -shwi -shary -shang
1複 -rha -rhat -rhenh -rhau -rhwi -rrhy -rhang
2成単 -døn -dønyl -dyvy -dønui -dønü -døry -døgy
2成複 -nhia -nhīl -nhevy -nhau -nhewi -nhery -nhīng
3成単 -i
-ta
-ily
-tel
-ivy
-tavy
-idy
-tat
-ihenh
-tainh
-iry
-tary
-igy
-tang
3成複 -tam -tamyl -tomy -tamet -tamenh -tory -tameng
不定単
不定複
-ga -gel -gavy -gat -gainh -gau -gawi
上記の目的格以外や、一般語尾を用いる場面で目的格の人称を示す場合、目的格接頭辞を動詞に付加する。目的格接頭辞は、直接目的語(対格)・間接目的語(与格)の代名詞として機能する。
目的格接頭辞
対格 与格
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外 lø- mølø- vør- ly- møly- vyr-
包括 nilø- bilø- nily- bily-
2人称 成体 両性 øn- pør- xør- ny- pyr- xyr-
男性 døn- pør- xøro- døn- pyr- xyro-
女性 shøn- pør- xøre- shøn- pyr- xyre-
亜成体 両性 ajø- pør- æjø- ajy- pyr- æjy-
男性 bjø- pør- æbjø- bjy- pyr- æbjy-
女性 shijø- pør- æshø- shijy- pyr- æshy-
熟体 両性 sfø- pør- æsfø- sfy- pyr- æsfy-
男性 sfø- pør- æsfø- sfy- pyr- æsfy-
女性 sfø- pør- æsfø- sfy- pyr- æsfy-
幼体 t'ø- pør- xotø- t'y- pyr- xoty-
老体 xø- pør- xosø- xy- pyr- xosy-
永体 ghør- pør- thør- jyr- pyr- thyr-
3人称 成体 両性 bø- sø- tør- mø- by- sy- tyr- my-
男性 bø- pø- tør- mø- by- py- tyr- my-
女性 bø- ishø- tør- mø- by- ishy- tyr- my-
亜成体 両性 bø- manø- tør- mijø- by- many- tyr- mæjy-
男性 bø- matø- tør- mijø- by- maty- tyr- mæjy-
女性 bø- marø- tør- mijø- by- mary- tyr- mæjy-
熟体 両性 bø- p'inø- tør- p'ijø- by- p'iny- tyr- p'æjy-
男性 bø- p'itø- tør- p'ijø- by- p'ity- tyr- p'æjy-
女性 bø- p'irø- tør- p'ijø- by- p'iry- tyr- p'æjy-
不活動成体 両性 lhø- lhø- tør- pfø- lhy- lhy- tyr- pfy-
熱性 lhø- lhø- tør- pfø- lhy- lhy- tyr- pfy-
冷性 c'ø- c'ø- tør- pfø- c'y- c'y- tyr- pfy-
潜在体 ojø- ojø- tør- whø- ojy- ojy- tyr- whæjy-
幼体 thø- stø- tør- mutø- thy- sty- tyr- muty-
老体 thø- zø- tør- musø- thy- zy- tyr- musy-
永体 ħø- þø- tør- vø- ky- þy- tyr- vy-
神体 ħø- nachø- tør- nathø- ky- nachy- tyr- nathy-
抽象体 ħø- ky-
不定人称 ør- ør- fø- fø- gy- gy- gy- gy-

末尾がrで終わる接頭辞は、動詞の語頭が二重子音で終わる場合に母音とrが交替する。

準動詞

動名詞、動形容詞、動副詞の3種類が存在するが、いずれも対応する品詞と同じ変化を取る。名詞の場合は格変化、形容詞の場合は修飾する名詞と一致した変化、といった具合である。

定動詞の語幹変化として「現在語幹」「過去語幹」「未来語幹」「瞬間語幹」「永続語幹」「中動語幹」「受動語幹」などが存在するが、これらは不定語幹、連体語幹、連用語幹それぞれにも存在する。ただし、定動詞の変化に比べると規則的な変化を取ることが多く、また不規則変化の多くも定動詞の変化と似たようなものである。準動詞語幹の形成方法には以下のような規則が存在する。

  • 定動詞の-s、-rの変化は、対応する準動詞語幹も同様の変化となる。
    • gītō「悩ませる」:瞬間gīc-, 不定瞬間ngīc-, 連体瞬間khīc-, 連用瞬間bīc-
    • bünē「呼ぶ」:瞬間byndr-, 不定瞬間myndr-, 連体瞬間phyndr-, 連用瞬間vyndr-
  • 定動詞で単純融合が起きる場合、対応する準動詞語幹は同様の単純融合となる。
  • 準動詞では接続語幹・連用語幹でウムラウト融合が怒らない。定動詞でウムラウト融合が起きる場合、対応する接続語幹・連用語幹は以下のような接尾辞の付いた形となる。
    • -(i)v → -ev
    • -(i)g → -eg
    • -(u)t → -ot
  • 定動詞で補充法を用いる場合、対応する準動詞語幹は補充法を子音交替、もしくは母音交替させた形となる。
    • hōþœ「切る」:瞬間cēk-, 不定瞬間c'ēk-, 連体瞬間sēk-, 連用瞬間cœk-

活用語尾について、定動詞に存在する「主語尾」「副語尾」「未然語尾」「完了語尾」「規範語尾」の5種類は、動名詞・動形容詞にも同様に見られる。ただし、定動詞のような人称・数に応じた変化はない。

動名詞

「コト型」「ヒト型」「トコ型」「モノ型」の3種類が存在する。それぞれ「~すること」「~する人」「~する場所」「~する物」という意味である。この内モノ型のみ語尾に転換語幹を用いる。コト型はAþ型(抽象体)、ヒト型は汎クラス曲用(人間)、トコ型は地点曲用-tinh型をとる。

第Ⅰ類 第Ⅱ類 第Ⅲ類 第Ⅳ類 第Ⅴ類 第Ⅵ類 第Ⅶ類
O型 An型 U型 Ö型 Ô型 E型 Ü型 I型 En型 Oi型 A型 On型
コト型 主語尾 -aþ -aþ -aþ -aþ -aþ -aþ -aþ -aþ -aþ -aþ -aþ -aþ
副語尾 -onaþ -anaþ -unaþ -œnaþ -ånaþ -enaþ -ynaþ -inaþ -enaþ -ønaþ -anaþ -onaþ
未然語尾 -olaþ -alaþ -ulaþ -œlaþ -ålaþ -elaþ -ylaþ -ilaþ -elaþ -ølaþ -alaþ -olaþ
完了語尾 -oghaþ -aghaþ -ughaþ -œghaþ -åghaþ -eghaþ -yghaþ -ighaþ -eghaþ -øghaþ -aghaþ -oghaþ
規範語尾 -ovaþ -avaþ -uvaþ -œvaþ -åvaþ -evaþ -yvaþ -ivaþ -evaþ -øvaþ -avaþ -ovaþ
I型主語尾 -ijaþ -ijaþ -ijaþ -ijaþ -ijaþ -ijaþ -ijaþ
I型副語尾 -inaþ -inaþ -inaþ -inaþ -inaþ -inaþ -inaþ
I型未然語尾 -ilaþ -ilaþ -ilaþ -ilaþ -ilaþ -ilaþ -ilaþ
I型完了語尾 -ighaþ -ighaþ -ighaþ -ighaþ -ighaþ -ighaþ -ighaþ
I型規範語尾 -ivaþ -ivaþ -ivaþ -ivaþ -ivaþ -ivaþ -ivaþ
ヒト型 主語尾 -is -is -is -is -is -is -is -is -is -is -is -is
副語尾 -onis -anis -unis -œnis -ånis -enis -ynis -inis -enis -ønis -anis -onis
未然語尾 -olis -alis -ulis -œlis -ålis -elis -ylis -ilis -elis -ølis -alis -olis
完了語尾 -ongis -angis -ungis -œngis -ångis -engis -yngis -ingis -engis -øngis -angis -ongis
規範語尾 -ovis -avis -uvis -œvis -åvis -evis -yvis -ivis -evis -øvis -avis -ovis
I型主語尾 -iris -iris -iris -iris -iris -iris -iris
I型副語尾 -inis -inis -inis -inis -inis -inis -inis
I型未然語尾 -ilis -ilis -ilis -ilis -ilis -ilis -ilis
I型完了語尾 -ingis -ingis -ingis -ingis -ingis -ingis -ingis
I型規範語尾 -ivis -ivis -ivis -ivis -ivis -ivis -ivis
トコ型 主語尾 -otinh -atinh -utinh -œtinh -åtinh -etinh -ytinh -itinh -etinh -øtinh -atinh -otinh
副語尾 -ontinh -antinh -untinh -œntinh -åntinh -entinh -yntinh -intinh -entinh -øntinh -antinh -ontinh
未然語尾 -oltinh -altinh -ultinh -œltinh -åltinh -eltinh -yltinh -iltinh -eltinh -øltinh -altinh -oltinh
完了語尾 -oktinh -aktinh -uktinh -œktinh -åktinh -ektinh -yktinh -iktinh -ektinh -øktinh -aktinh -oktinh
規範語尾 -oftinh -aftinh -uftinh -œftinh -åftinh -eftinh -yftinh -iftinh -eftinh -øftinh -aftinh -oftinh
I型主語尾 -itinh -itinh -itinh -itinh -itinh -itinh -itinh
I型副語尾 -intinh -intinh -intinh -intinh -intinh -intinh -intinh
I型未然語尾 -iltinh -iltinh -iltinh -iltinh -iltinh -iltinh -iltinh
I型完了語尾 -iktinh -iktinh -iktinh -iktinh -iktinh -iktinh -iktinh
I型規範語尾 -iftinh -iftinh -iftinh -iftinh -iftinh -iftinh -iftinh
モノ型はさらに「主格モノ型」「対格モノ型」「与格モノ型」「令格モノ型」「具格モノ型」に分類される。それぞれ、定動詞の時にどの格の意味になっっているかを示すものである。例えばjalvū「飲む」の対格モノ型は「飲み物」(=jalvūを定動詞で用いた際、飲む対象物が対格となる)、具格モノ型は「コップやグラスなど飲み物を入れる容器」(=jalvūを定動詞で用いた際、飲む手段が具格となる)という意味になる。

全ての動詞類型が同じ形式をとる。曲用形は共性曲用(意味によってクラスは様々に変動する)をとる。下表では不定数形のみ示す。

原形 接続語幹 連体語幹 連用語幹
主格モノ型 主語尾
副語尾 -an -æn -an -ån
未然語尾 -al -æl -al -ål
完了語尾 -ang -æng -ang -ång
規範語尾 -au -eu -au -åu
I型主語尾
I型副語尾 -en -in -en -øn
I型未然語尾 -ēl -īl -ēl -ël
I型完了語尾 -eng -ing -eng -øng
I型規範語尾 -ef -if -ef -øf
対格モノ型 主語尾 -aske -æske -aske -åske
副語尾 -anke -ænke -anke -ånke
未然語尾 -alke -ælke -alke -ålke
完了語尾 -agke -ægke -agke -ågke
規範語尾 -auske -euske -auske -ouske
I型主語尾 -eske -iske -eske -øske
I型副語尾 -enke -inke -enke -ønke
I型未然語尾 -elke -ilke -elke -ølke
I型完了語尾 -egke -igke -egke -øgke
I型規範語尾 -euske -üske -euske -øuske
与格モノ型 主語尾 -ālhe -êlhe -ālhe -ôlhe
副語尾 -adle -ædle -adle -ådle
未然語尾 -allhe -ællhe -allhe -ållhe
完了語尾 -aghle -æghle -aghle -åghle
規範語尾 -aulhe -eulhe -aulhe -åulhe
I型主語尾 -ēlhe -īlhe -ēlhe -ëlhe
I型副語尾 -edle -idle -edle -ødle
I型未然語尾 -ellhe -illhe -ellhe -øllhe
I型完了語尾 -eghle -ighle -eghle -øghle
I型規範語尾 -efle -ifle -efle -øfle
令格モノ型 主語尾 -āme -ême -āme -ôme
副語尾 -amme -æmme -amme -åmme
未然語尾 -alme -ælme -alme -ålme
完了語尾 -agme -ægme -agme -ågme
規範語尾 -aume -eume -aume -åume
I型主語尾 -ēme -īme -ēme -ëme
I型副語尾 -emme -imme -emme -ømme
I型未然語尾 -elme -ilme -elme -ølme
I型完了語尾 -egme -igme -egme -øgme
I型規範語尾 -ēve -īve -ēve -ëve
具格モノ型 主語尾 -āqe -êqe -āqe -ôqe
副語尾 -anqe -ænqe -anqe -ånqe
未然語尾 -alqe -ælqe -alqe -ålqe
完了語尾 -asshe -æsshe -asshe -åsshe
規範語尾 -auqe -euqe -auqe -åuqe
I型主語尾 -ēqe -īqe -ēqe -ëqe
I型副語尾 -enqe -inqe -enqe -ønqe
I型未然語尾 -elqe -ilqe -elqe -ølqe
I型完了語尾 -esshe -isshe -esshe -øsshe
I型規範語尾 -efshe -ifshe -efshe -øfshe
動形容詞

「連体型」「目的型」の2種類が存在する。前者は複文を形成する際に用いられ。「〜する○○」(○○は名詞)と表現する際に用いられる。後者は「〜するための」という意味である。なお、動形容詞の変化形は連体用法のみである。

第Ⅰ類 第Ⅱ類 第Ⅲ類 第Ⅳ類 第Ⅴ類 第Ⅵ類 第Ⅶ類
O型 An型 U型 Ö型 Ô型 E型 Ü型 I型 En型 Oi型 A型 On型
連体型 主語尾 -a -a -a -a -a -a -a -a -a -a -a -a
副語尾 -on -an -un -œn -ån -en -yn -in -en -øn -an -on
未然語尾 -ol -al -ul -œl -ål -el -yl -il -el -øl -al -ol
完了語尾 -ong -ang -ung -œng -ång -eng -yng -ing -eng -øng -ang -ong
規範語尾 -of -af -uf -œf -åf -ef -yf -if -ef -øf -af -of
I型主語尾 -i -i -i -i -i -i -i
I型副語尾 -in -in -in -in -in -in -in
I型未然語尾 -il -il -il -il -il -il -il
I型完了語尾 -ing -ing -ing -ing -ing -ing -ing
I型規範語尾 -if -if -if -if -if -if -if
連用型 主語尾 -um -um -um -um -um -um -um -um -um -um -um -um
副語尾 -onum -anum -unum -œnum -ånum -enum -ynum -inum -enum -ønum -anum -onum
未然語尾 -olum -alum -ulum -œlum -ålum -elum -ylum -ilum -elum -ølum -alum -olum
完了語尾 -oghum -aghum -ughum -œghum -åghum -eghum -yghum -ighum -eghum -øghum -aghum -oghum
規範語尾 -ovum -avum -uvum -œvum -åvum -evum -yvum -ivum -evum -øvum -avum -ovum
I型主語尾 -ium -ium -ium -ium -ium -ium -ium
I型副語尾 -inum -inum -inum -inum -inum -inum -inum
I型未然語尾 -ilum -ilum -ilum -ilum -ilum -ilum -ilum
I型完了語尾 -ighum -ighum -ighum -ighum -ighum -ighum -ighum
I型規範語尾 -ivum -ivum -ivum -ivum -ivum -ivum -ivum
動副詞

「現在型」「完了型」「目的型」の3種類が存在する。それぞれ「〜しながら/~するように」「〜してから/~した後で」「〜するために」という意味である。他の準動詞である動名詞や動形容詞と異なり、動副詞には時制が存在せず、限られた相のみを区別する。

Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ・Ⅵ Ⅲ・Ⅴ 意味
現在型 包括相 現在語幹 + -∅, -e 恒常語幹 + -∅, -e ~しながら
進行相 現在語幹 + -i ~している最中に
反復相 現在語幹 + -al 現在語幹 + -∅, -e 繰り返し~している最中に
断続相 現在語幹 + -æl 休み休み~している最中に
起動相 瞬間語幹 + -i ~し始めたと同時に
完結相 瞬間語幹 + -∅, -e 瞬間語幹 + -∅, -e ~し終えたと同時に
定常相 永続語幹 + -∅, -e 永続語幹 + -∅, -e 永続語幹 + -∅, -e ~するように
完了型 包括相 過去語幹 + -∅, -e 恒常語幹 + -a ~してから
反復相 過去語幹 + -al 過去語幹 + -∅, -e 繰り返し~してから
断続相 過去語幹 + -æl 休み休み~してから
起動相 瞬間語幹 + -ai ~し始めてから
完結相 瞬間語幹 + -a 瞬間語幹 + -a 瞬間語幹 + -a ~した時、~したら
目的型 包括相 未来語幹 + -∅, -e 恒常語幹 + -å ~するために
進行相 未来語幹 + -i ~し続けるために
反復相 未来語幹 + -al 未来語幹 + -∅, -e 繰り返し~するために
断続相 未来語幹 + -æl 休み休み
起動相 瞬間語幹 + -åi ~し始めるために
完結相 瞬間語幹 + -å 瞬間語幹 + -å 瞬間語幹 + -å ~し終えるために
定常相 永続語幹 + -å 永続語幹 + -å 永続語幹 + -å 常に~するために
接続形

複数の動詞を連結させる連動詞を形成する際に使用される形である。現在型、完了型、目的型の3種類あり、定動詞に接続する場合と準動詞に接続する場合で語尾が異なる。

定動詞に接続 準動詞に接続
現在型 接続語幹 + -∅/e 接続語幹 + -œ
完了形 接続語幹 + -al 接続語幹 + -ål
目的型 接続語幹 + -ar 接続語幹 + -år

現在形は通常の形、完了形は動作が既に終わっている状態、目的型は動作が行なわれる前の状態を示す。

  • Çyppœl pfoiwe zhishūrun. 私は卵を買い忘れた。
  • Çyppœl pfoiwal zhishūrun. 私は卵を買ったのを忘れた。
  • Çyppœl pfoiwar zhishūrun. 私は卵を買うことを忘れた(買うという目的を忘れた)。

形容詞の接続形も同様の変化である。

形容詞

性質や状態を示す単語である。ネサルゼルデ語の形容詞は単独で修飾語にも述語にもなることができる。

類型

辞書形の語尾に着目し、以下の4種類に分類される。

  • Um型 … 語尾が-umで終わる
  • Ir型 … 語尾が-irで終わる
  • 子音型 … 語尾が上記を除く子音で終わる
  • A型 … 語尾が-aで終わる
  • E型 … 語尾が-eで終わる
  • 母音型 … 語尾が上記を除く母音で終わる

用法

4種類の用法が存在し、それぞれ文中における役割が異なる。

連体用法
名詞を修飾する際に用いる。
  • Kāħo fūt'wo 硬い岩
叙述用法
述語となる際に用いる。
  • Fut'ullhe vo kāħū. この岩は硬い。
形名用法
名詞化した形容詞・不定語幹をとる。
  • vūt'aþ 硬いこと
副詞用法
副詞化した形容詞。連用語幹をとる。
  • Bēdoilhe vo kāħū pfūt'ī. この岩は固くなった。

持続性

形容詞の示す性質や状態が「どの期間持続しているか」を示す文法である。「恒常」「瞬間」「永続」の3種類が存在する。

  • 恒常 … 性質や状態が恒常的に続くことを示す。
  • 瞬間 … 性質や状態が一時的なことを示す。
  • 永続 … 性質や状態が永久的に続くことを示す。
Bæþþum cwez shybuyar lhøushī. 渋谷はいつも人で密集している。
Bæcchum cwez shybuyar dri-shøk. 今日に限って人が渋谷に密集している。
Bæþþrum cwez shybuyar. 渋谷は(永久に)人で密集している(だろう)。

一部の形容詞は、持続性によって意味が変化する。

  • erxhowönum:恒常・永続は「周到な」、瞬間は「準備ができた」
  • zhalum:恒常・永続は「不快な」、瞬間は「苛立っている」
  • xaħas:恒常・永続は「興味深い」、瞬間は「熱中している」

原級、過級、同等級、比較級、相対最上級、絶対最上級の5種類が存在する。それぞれの意味や用法は以下の通りである。

原級
通常の形であり、単純に性質や状態を示す際に用いる。
過級
「~すぎる」や「あまりにも~だ」など、程度が大きすぎることを示す。
同等級
「同じくらい~だ」という意味(同等比較)を意味する。
比較級
「より~だ」というように、比較して程度が大きいことを示す。
相対最上級
限られた個数の中で最もその性質や状態の程度が強いことを示す。
絶対最上級
あらゆるものの中で最もその性質や状態の程度が強いことを示す。

変化一覧

語幹

全ての用法において、形容詞は語幹変化を通じて持続性・級を区別する。特に叙述用法の場合、持続性は時制を表現する際に必要となる。

Um型 Ir型 子音/A/E/型 母音型 名詞連体格
動形容詞
原級 恒常 [語幹] [語幹] [語幹] [語幹] [語幹]
瞬間 [語幹]-s [語幹]-s [語幹]-s as-[語幹] as-[語幹]
永続 [語幹]-r [語幹]-r [語幹]-r år-[語幹] år-[語幹]
過級 恒常 [語幹]-ôd [語幹]-ôd [語幹]-ôd [語幹]-ğå då-[語幹]
瞬間 [語幹]-ôx [語幹]-ôx [語幹]-ôx as-[語幹]-ğå astå-[語幹]
永続 [語幹]-ôr [語幹]-ôr [語幹]-ôr år-[語幹]-ğå årdå-[語幹]
同等級 恒常 ul-[語幹] ul-[語幹] ul-[語幹] ul-[語幹] ul-[語幹]
瞬間 us-[語幹] us-[語幹] us-[語幹] us-[語幹] us-[語幹]
永続 ur-[語幹] ur-[語幹] ur-[語幹] ur-[語幹] ur-[語幹]
比較級 恒常 [語幹]-ir [語幹]-um [語幹]-(i)t [語幹]-ti ti-[語幹]
瞬間 [語幹]-irs [語幹]-uns as-[語幹]-(i)t as-[語幹]-ti asti-[語幹]
永続 [語幹]-irr [語幹]-urr år-[語幹]-(i)t år-[語幹]-ti årti-[語幹]
相対最上級 恒常 ul-[語幹]-ir ul-[語幹]-um ul-[語幹]-(i)t ul-[語幹]-ti tul-[語幹]
瞬間 ul-[語幹]-irs ul-[語幹]-uns us-[語幹]-(i)t us-[語幹]-ti tus-[語幹]
永続 ul-[語幹]-irr ul-[語幹]-urr ur-[語幹]-(i)t ur-[語幹]-ti tur-[語幹]
絶対最上級 恒常 [語幹]-aið [語幹]-aið [語幹]-aið [語幹]-tæð ðæ-[語幹]
瞬間 [語幹]-saið [語幹]-saið [語幹]-saið as-[語幹]-tæð astæ-[語幹]
永続 [語幹]-raið [語幹]-raið [語幹]-raið år-[語幹]-tæð årðæ-[語幹]
連体用法

名詞を修飾する際に用いる用法である。修飾する名詞と名詞クラス・数・格が一致する。

連体用法には「限定形」「説明形」の2種類が存在する。制限形は修飾する名詞をより抜く場合、説明形は修飾する名詞の性質や状態を説明する場合に用いられる。

Um型
限定形 説明形
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
成体 原形 -was -wa -wam -wing -(u)mas -(u)ma -umma -(u)ming
接続語幹 -wa -wai -ūda -wai -(u)ma -(u)mai -unda -(u)mai
連体語幹 -ūsa -ūsa -ūsha -ūba -unsa -unsa -unsha -umba
連用語幹 -wa -wa -war -war -(u)ma -(u)ma -(u)mar -(u)mar
亜成体 原形 -wås -wå -wåm -wing -(u)mås -(u)må -ummå -(u)ming
接続語幹 -wå -wåi -ūdå -wåi -(u)må -(u)måi -undå -(u)måi
連体語幹 -ūså -ūså -ūshå -ūbå -unså -unså -unshå -umbå
連用語幹 -wå -wå -wår -wår -(u)må -(u)må -(u)mår -(u)mår
熟体 原形 -wis -wi -wim -wing -(u)mys -(u)my -ummy -(u)ming
接続語幹 -wi -wī -ūdy -wī -(u)my -(u)mī -undy -(u)mī
連体語幹 -ūsy -ūsy -ūshy -ūby -unsy -unsy -unshy -umby
連用語幹 -wi -wi -wir -wir -(u)my -(u)my -(u)myr -(u)myr
不活動成体 原形 -wos -wo -ūs -(u)mos -(u)mo -(u)mu -uns
接続語幹 -ou -woi -ūdu -woi -(u)mu -(u)mui -undu -(u)mui
連体語幹 -ūso -ūso -ūsho -ūbo -unso -unso -unsho -umbo
連用語幹 -ou -ou -(u)mu -(u)mu -(u)mū -(u)mū
潜在体 原形 -wøs -wø -wøs -ūnhe -(u)møs -(u)mø -(u)møs -unnhe
接続語幹 -wø -wøy -ūdø -wøy -(u)mø -(u)møy -undø -(u)møy
連体語幹 -ūsø -ūsø -ūshø -ūbø -unsø -unsø -unshø -umbø
連用語幹 -wø -wø -wë -wë -(u)mø -(u)mø -(u)më -(u)më
幼体 原形 -wi -wim -wil -uk -ummi -ummi -(u)mel -unk
接続語幹 -wi -wī -ūde -wī -(u)mi -(u)mī -unde -(u)mī
連体語幹 -ūsi -ūsi -ūshi -ūbi -unsi -unsi -unshi -umbi
連用語幹 -wi -wi -wir -wir -(u)mi -(u)mi -(u)mir -(u)mir
老体 原形 -wo -wom -wom -wong -ummo -ummo -ummo -uggo
接続語幹 -wo -woi -ūdo -woi -(u)mo -(u)moi -undo -(u)moi
連体語幹 -ūso -ūso -ūsho -ūbo -unso -unso -unsho -umbo
連用語幹 -wo -wo -wor -wor -(u)mo -(u)mo -(u)mor -(u)mor
永体 原形 -wes -wer -wem -wis -(u)mes -(u)mer -umme -(u)mis
接続語幹 -we -wei -ūde -wei -(u)me -(u)mei -unde -(u)mei
連体語幹 -ūse -ūse -ūshe -ūbe -unse -unse -unshe -umbe
連用語幹 -we -we -wer -wer -(u)me -(u)me -(u)mer -(u)mer
神体 原形 -wa -wais -ūma -ūza -(u)ma -(u)mais -umma -unza
接続語幹 -wa -wai -ūta -wai -(u)ma -(u)mai -unda -(u)mai
連体語幹 -ūsa -ūsa -ūsha -ūba -unsa -unsa -unsha -umba
連用語幹 -wa -wa -wor -wor -(u)ma -(u)ma -(u)mur -(u)mur
Ir型
限定形 説明形
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
成体 原形 -jas -ja -jam -jeng -(i)ras -(i)ra -irma -(i)ring
接続語幹 -ja -jai -īda -jai -(i)ra -(i)rai -irda -(i)rai
連体語幹 -īsa -īsa -īsha -ība -irsa -irsa -irsha -irba
連用語幹 -ja -ja -jar -jar -(i)ra -(i)ra -(i)rar -(i)rar
亜成体 原形 -jås -jå -jåm -jøng -(i)rås -(i)rå -irmå -(i)ring
接続語幹 -jå -jåi -īdå -jåi -(i)rå -(i)råi -irdå -(i)råi
連体語幹 -īså -īså -īshå -ībå -irså -irså -irshå -irbå
連用語幹 -jå -jå -jår -jår -(i)rå -(i)rå -(i)rår -(i)rår
熟体 原形 -(j)ys -(j)y -(j)ym -(j)ing -(i)rys -(i)ry -irmy -(i)ring
接続語幹 -(j)y -(j)yi -īdy -(j)yi -(i)ry -(i)ryi -irdy -(i)ryi
連体語幹 -īsy -īsy -īshy -īby -irsy -irsy -irshy -irby
連用語幹 -(j)y -(j)y -(j)yr -(j)yr -(i)ry -(i)ry -(i)ryr -(i)ryr
不活動成体 原形 -jos -jo -īs -(i)ros -(i)ro -(i)ru -irs
接続語幹 -(j)u/-y -(j)ui/-ü -īdu -(j)ui/-ü -(i)ru -(i)rui -irdu -(i)rui
連体語幹 -īso -īso -īsho -ībo -irso -irso -irsho -irbo
連用語幹 -(j)u/-y -(j)u/-y -(i)ru -(i)ru -(i)rū -(i)rū
潜在体 原形 -jøs -jø -jøs -īnhe -(i)røs -(i)rø -(i)røs -irnhe
接続語幹 -jø -jøy -īdø -jøy -(i)rø -(i)røy -irdø -(i)røy
連体語幹 -īsø -īsø -īshø -ībø -irsø -irsø -irshø -irbø
連用語幹 -jø -jø -jë -jë -(i)rø -(i)rø -(i)rë -(i)rë
幼体 原形 -je -jem -(j)il -ik -irmi -irmi -(i)rel -irk
接続語幹 -je -(j)ī -īde -(j)ī -(i)ri -(i)rī -irde -(i)rī
連体語幹 -īsi -īsi -īshi -ībi -irsi -irsi -irshi -irbi
連用語幹 -je -je -jer -jer -(i)ri -(i)ri -(i)rir -(i)rir
老体 原形 -jo -īmo -jom -jong -irmo -irmo -irmo -irgo
接続語幹 -jo -joi -īdo -joi -(i)ro -(i)roi -irdo -(i)roi
連体語幹 -īso -īso -īsho -ībo -irso -irso -irsho -irbo
連用語幹 -jo -jo -jor -jor -(i)ro -(i)ro -(i)ror -(i)ror
永体 原形 -jes -jer -jem -jes -(i)res -(i)rer -irme -(i)ris
接続語幹 -je -jei -īde -jei -(i)re -(i)rei -irde -(i)rei
連体語幹 -īse -īse -īshe -ībe -irse -irse -irshe -irbe
連用語幹 -je -je -jer -jer -(i)re -(i)re -(i)rer -(i)rer
神体 原形 -ja -jais -īm -īza -(i)ra -(i)rais -irma -irza
接続語幹 -ja -jai -īt -jai -(i)ra -(i)rai -irda -(i)rai
連体語幹 -īsa -īsa -īsh -ība -irsa -irsa -irsha -irba
連用語幹 -ja -ja -(j)ur/-yr -(j)ur/-yr -(i)ra -(i)ra -(i)rur -(i)rur
A型・子音型
限定形 説明形
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
成体 原形 -as -∅/-a -am -ing -(a)las -(a)la -alma -(a)ling
接続語幹 -a -ai -eda -ai -(a)la -(a)lai -alda -(a)lai
連体語幹 -esa -esa -esha -eba -alsa -alsa -alsha -alba
連用語幹 -a -a -ar -ar -(a)la -(a)la -(a)lar -(a)lar
亜成体 原形 -ås -∅/-å -åm -ing -(a)lås -(a)lå -ålmå -(a)ling
接続語幹 -åi -edå -åi -(a)lå -(a)låi -åldå -(a)låi
連体語幹 -eså -eså -eshå -ebå -ålså -ålså -ålshå -ålbå
連用語幹 -år -år -(a)lå -(a)lå -(a)lår -(a)lår
熟体 原形 -ys -∅/-y -ym -ing -(a)lys -(a)ly -ylmy -(a)ling
接続語幹 -y -yi -edy -yi -(a)ly -(a)lī -yldy -(a)lī
連体語幹 -esy -esy -eshy -eby -ylsy -ylsy -ylshy -ylby
連用語幹 -y -y -yr -yr -(a)ly -(a)ly -(a)lyr -(a)lyr
不活動成体 原形 -os -o -u -es -(a)los -(a)lo -(a)lus
接続語幹 -u -ui -edu -ui -(a)lu -(a)lui -aldu -(a)lui
連体語幹 -eso -eso -esho -ebo -also -also -alsho -albo
連用語幹 -u -u -al -al -(a)lu -(a)lu
潜在体 原形 -øs -øs -enhe -(a)løs -(a)lø -(a)løs -alnhe
接続語幹 -øy -edø -øy -(a)lø -(a)løy -aldø -(a)løy
連体語幹 -esø -esø -eshø -ebø -alsø -alsø -alshø -albø
連用語幹 -(a)lø -(a)lø -(a)lë -(a)lë
幼体 原形 -i -im -al -ek -almi -almi -(a)lel -(a)lek
接続語幹 -i -ede -(a)li -(a)lī -alde -(a)lī
連体語幹 -esi -esi -eshi -ebi -alsi -alsi -alshi -albi
連用語幹 -i -i -ir -ir -(a)li -(a)li -(a)lir -(a)lir
老体 原形 -o -om -om -ong -almo -almo -almo -alngo
接続語幹 -o -oi -edo -oi -(a)lo -(a)loi -aldo -(a)loi
連体語幹 -eso -eso -esho -ebo -also -also -alsho -albo
連用語幹 -o -o -or -or -(a)lo -(a)lo -(a)lor -(a)lor
永体 原形 -es -er -em -is -(a)les -(a)ler -alme -(a)lis
接続語幹 -e -ei -ede -ei -(a)le -(a)lei -alde -(a)lei
連体語幹 -ese -ese -eshe -ebe -alse -alse -alshe -albe
連用語幹 -e -e -er -er -(a)le -(a)le -(a)ler -(a)ler
神体 原形 -a -ais -ema -eza -(a)la -(a)lais -alma -alza
接続語幹 -a -ai -eda -ai -(a)la -(a)lai -alda -(a)lai
連体語幹 -esa -esa -esha -eba -alsa -alsa -alsha -alba
連用語幹 -a -a -ur -ur -(a)la -(a)la -(a)lur -(a)lur
E型
限定形 説明形
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
成体 原形 -es -e -em -eng -(e)las -(e)la -elma -(e)ling
接続語幹 -e -ei -eda -ei -(e)la -(e)lai -elda -(e)lai
連体語幹 -esa -esa -esha -eba -elsa -elsa -elsha -elba
連用語幹 -e -e -er -er -(e)lo -(e)lo -(e)lor -(e)lor
亜成体 原形 -es -e -emo -eng -(e)los -(e)lo -elmo -(e)ling
接続語幹 -e -ei -edo -ei -(e)lo -(e)loi -eldo -(e)loi
連体語幹 -eso -eso -esho -ebo -elso -elso -elsho -elbo
連用語幹 -e -e -er -er -(e)lo -(e)lo -(e)lor -(e)lor
熟体 原形 -es -e -emy -eng -(e)lys -(e)ly -elmy -(e)ling
接続語幹 -e -ei -edy -ei -(e)ly -(e)lī -eldy -(e)lī
連体語幹 -esy -esy -eshy -eby -elsy -elsy -elshy -elby
連用語幹 -e -e -er -er -(e)ly -(e)ly -(e)lyr -(e)lyr
不活動成体 原形 -es -e -e -es -(e)los -(e)lo -(e)lus
接続語幹 -e -ei -edu -ei -(e)lu -(e)lui -eldu -(e)lui
連体語幹 -eso -eso -esho -ebo -elso -elso -elsho -elbo
連用語幹 -e -e -el -el -(e)lu -(e)lu
潜在体 原形 -es -e -es -enhe -(e)løs -(e)lø -(e)løs -elnhe
接続語幹 -e -ei -edø -ei -(e)lø -(e)løy -eldø -(e)løy
連体語幹 -esø -esø -eshø -ebø -elsø -elsø -elshø -elbø
連用語幹 -e -e -(e)lø -(e)lø -(e)lë -(e)lë
幼体 原形 -e -em -el -ek -elmi -elmi -(e)lel -(e)lek
接続語幹 -e -ei -ede -ei -(e)li -(e)lī -elde -(e)lī
連体語幹 -esi -esi -eshi -ebi -elsi -elsi -elshi -elbi
連用語幹 -e -e -er -er -(e)li -(e)li -(e)lir -(e)lir
老体 原形 -e -em -em -eng -elmo -elmo -elmo -elngo
接続語幹 -e -ei -edo -ei -(e)lo -(e)loi -eldo -(e)loi
連体語幹 -eso -eso -esho -ebo -elso -elso -elsho -elbo
連用語幹 -e -e -er -er -(e)lo -(e)lo -(e)lor -(e)lor
永体 原形 -es -er -em -es -(e)les -(e)ler -elme -(e)lis
接続語幹 -e -ei -ede -ei -(e)le -(e)lei -elde -(e)lei
連体語幹 -ese -ese -eshe -ebe -else -else -elshe -elbe
連用語幹 -e -e -er -er -(e)le -(e)le -(e)ler -(e)ler
神体 原形 -e -eis -ema -eza -(e)la -(e)lais -elma -elza
接続語幹 -e -ei -eda -ei -(e)la -(e)lai -elda -(e)lai
連体語幹 -esa -esa -esha -eba -elsa -elsa -elsha -elba
連用語幹 -e -e -er -er -(e)la -(e)la -(e)lur -(e)lur
母音型
限定形 説明形
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
成体 原形 -s -∅ -ma -ng -las -la -lima -ling
接続語幹 -∅ -i -da -i -la -lai -lida -lai
連体語幹 -sa -sa -sha -ba -lisa -lisa -lisha -liba
連用語幹 -∅ -∅ -r -r -la -la -lar -lar
亜成体 原形 -s -∅ -mo -ng -los -lo -limo -ling
接続語幹 -∅ -i -do -i -lo -loi -lido -loi
連体語幹 -så -så -shå -bå -liså -liså -lishå -libå
連用語幹 -∅ -∅ -r -r -lo -lo -lor -lor
熟体 原形 -s -∅ -my -ng -lys -ly -limy -ling
接続語幹 -∅ -i -dy -i -ly -lī -lidy -lī
連体語幹 -sy -sy -shy -by -lisy -lisy -lishy -liby
連用語幹 -∅ -∅ -r -r -ly -ly -lyr -lyr
不活動成体 原形 -s -∅ -∅ -s -los -lo -lī -lis
接続語幹 -∅ -i -du -i -lu -lui -lidu -lui
連体語幹 -so -so -sho -bo -liso -liso -lisho -libo
連用語幹 -∅ -∅ -l -l -lu -lu -lī -lī
潜在体 原形 -s -∅ -s -nhe -løs -lø -løs -linhe
接続語幹 -∅ -i -dø -i -lø -løy -lidø -løy
連体語幹 -sø -sø -shø -bø -lisø -lisø -lishø -libø
連用語幹 -∅ -∅ -lø -lø -lë -lë
幼体 原形 -∅ -m -li -k -limi -limi -lel -k
接続語幹 -∅ -i -de -i -li -lī -lide -lī
連体語幹 -si -si -shi -bi -lisi -lisi -lishi -libi
連用語幹 -∅ -∅ -r -r -li -li -lir -lir
老体 原形 -∅ -m -mo -ng -limo -limo -limo -lingo
接続語幹 -∅ -i -do -i -lo -loi -lido -loi
連体語幹 -so -so -sho -bo -liso -liso -lisho -libo
連用語幹 -∅ -∅ -r -r -lo -lo -lor -lor
永体 原形 -s -r -m -s -les -ler -lime -lis
接続語幹 -∅ -i -de -i -le -lei -lide -lei
連体語幹 -se -se -she -be -lise -lise -lishe -libe
連用語幹 -∅ -∅ -r -r -le -le -ler -ler
神体 原形 -∅ -is -ma -za -la -lais -lima -liza
接続語幹 -∅ -i -da -i -la -lai -lida -lai
連体語幹 -sa -sa -sha -ba -lisa -lisa -lisha -liba
連用語幹 -∅ -∅ -r -r -la -la -lur -lur

Um型・Ir型をとる形容詞の一部は、表内の括弧書きのuやiが省略され、語幹と語尾のmやrが融合する。この時の語幹を「縮約語幹」と呼ぶ。

  • luizum「美しい」:luizm-
  • khubum「太い」:khumm-
  • kushir「寒い」:kushr-
叙述用法

述語となる際に用いる用法であり、単独で動詞として機能する。ただし、態・法・使役・方向接辞は存在せず、時制は以下の4種類のみである。

  • 現在 … 語幹+主語尾
  • 推量 … 語幹+副語尾
  • 過去 … 語幹+未然語尾
  • 未来 … 語幹+完了語尾

Um型・Ir型は以下のような活用語尾をとる。

Um型
主語尾 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外形 -uil -ummøl -umve
包括形 -unxhil -ummøng
2人称 成体 両性 -un -umper -unxor
男性 -umnu -umper -unxro
女性 -umnhe -umper -unxre
亜成体 両性 -ūja -umpir -ūjê
男性 -ūjåp -umpir -ūjeu
女性 -uish -umpir -ūjē
熟体 両性 -unsfe -umpir -ugggiþ
男性 -unsfu -umpir -ugggid
女性 -unsfi -umpir -ugggish
幼体 -unt'i -umpeħ -unxot
老体 -unxi -umpeħ -unxos
永体 -ugggher -umpeħ -unther
3人称 成体 両性 -umbe -uns -unter -um
男性 -umbud -ump -unter -ummo
女性 -umbī -ūsh -unter -umme
亜成体 両性 -umbå -umman -untir -ummī
男性 -umbåp -ummat -untir -ummī
女性 -umbåi -ummar -untir -ummī
熟体 両性 -umbenh -ump'in -untir -ump'ī
男性 -umbunh -ump'it -untir -ump'ī
女性 -umbīnh -ump'ir -untir -ump'ī
不活動成体 両性 -ullhe -ullhe -unter -umpfī
熱性 -ullhī -ullhī -unter -umpfī
冷性 -unc'e -unc'e -unter -umpfī
潜在体 -ūjo -ūjo -unteħ -ūwhī
幼体 -unthe -unt'y -unteħ -ummut
老体 -unthe -unsk -unteħ -ummus
永体 -ūħe -unþe -unteħ -umvī
神体 -ūħe -unchai -unteħ -unthai
抽象体 -ūħe
不定人称 -um -ur -umfe -umfe
副語尾 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外形 -uish -umøs -ūhar
包括形 -unxhis -umvir
2人称 成体 両性 -undœ -umpesh -umnhī
男性 -undøu -umpesh -umnhī
女性 -undœ -umpesh -umnhī
亜成体 両性 -unxhy -umpish -umnhü
男性 -unxhyp -umpish -umnhü
女性 -unxhysh -umpish -umnhü
熟体 両性 -umftœ -umpish -ugginh
男性 -umftøu -umpish -ugginh
女性 -umftö -umpish -ugginh
幼体 -undœt -umpē -umnhit
老体 -undœs -umpē -umnhis
永体 -uggghesh -umpē -unthesh
3人称 成体 両性 -umbi -u -untesh -u
男性 -umbyd -umpt -untesh -u
女性 -umbysh -unsh -untesh -u
亜成体 両性 -umbœ -ummek -untish -ummæi
男性 -umbœp -ummøng -untish -ummæi
女性 -umbœi -ummik -untish -ummæi
熟体 両性 -umbinh -ump'ek -untish -ump'æi
男性 -umbynh -ump'øng -untish -ump'æi
女性 -umbynh -ump'ik -untish -ump'æi
不活動成体 両性 -ullhi -ullhi -untesh -umpfæi
熱性 -ullhæi -ullhæi -untesh -umpfæi
冷性 -unc'i -unc'i -untesh -umpfæi
潜在体 -ūhøs -ūhøs -untē -ūwhæi
幼体 -unthi -unst -untē -ūt
老体 -unthi -uns -untē -ūs
永体 -ūçi -unþi -untē -umvæi
神体 -ūçi -unchæi -untē -unthæi
抽象体 -ūçi
不定人称 -ung -ung -ung -ung
未然語尾 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外形 -uila -ummal -umva
包括形 -unxhal -ummang
2人称 成体 両性 -una -umpar -unai
男性 -unap -umpar -unau
女性 -umnhē -umpar -unai
亜成体 両性 -ūjā -umpår -ūjang
男性 -ūjô -umpår -ūjyng
女性 -uishē -umpår -ūjæng
熟体 両性 -unsfā -umpår -unxhaþ
男性 -unswō -umpår -unxhåd
女性 -unsfē -umpår -unxhesh
幼体 -unc'ā -umpaħ -unc'ai
老体 -unzhā -umpaħ -unzhē
永体 -uggghar -umpaħ -unthar
3人称 成体 両性 -umba -unza -untar -umma
男性 -umbåd -umpa -untar -ummå
女性 -umbåsh -ūsha -untar -ummœ
亜成体 両性 -umbån -unnā -untår -ummåi
男性 -umbåmp -undā -untår -ummåi
女性 -umbånsh -urrā -untår -ummåi
熟体 両性 -umbyk -unē -untår -ump'åi
男性 -umbyk -undē -untår -ump'åi
女性 -umbyk -urē -untår -ump'åi
不活動成体 両性 -ullha -ullha -untar -umpfåi
熱性 -ullhåi -ullhåi -untar -umpfåi
冷性 -unc'a -unc'a -untar -umpfåi
潜在体 -ūjö -ūjö -untaħ -ūwhåi
幼体 -untha -unt'wa -untaħ -umåit
老体 -untha -unska -untaħ -umåis
永体 -ūħa -unþa -untaħ -umvåi
神体 -ūħa -unchā -untaħ -unthā
抽象体 -ūħa
不定人称 -urra -urra -umfa -umfa
完了語尾 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外形 -uisha -ummas -urha
包括形 -unxhas -umvang
2人称 成体 両性 -undœn -umpash -umnhā
男性 -undū -umpash -umnhā
女性 -undē -umpash -umnhā
亜成体 両性 -unxhā -umpåsh -umnhang
男性 -unxhō -umpåsh -umnhang
女性 -uixhē -umpåsh -umnhang
熟体 両性 -umftœn -umpåsh -uxhinh
男性 -umftū -umpåsh -uxhinh
女性 -umftē -umpåsh -uxhinh
幼体 -undœnt -umpā -umnhat
老体 -undœns -umpā -umnhas
永体 -uggghash -umpā -unthash
3人称 成体 両性 -umbo -ui -untash -untam
男性 -umbod -umpī -untash -untam
女性 -umbosh -unshī -untash -untam
亜成体 両性 -umbœn -ummyk -untåsh -umü
男性 -umbœmp -ummynh -untåsh -umü
女性 -umbœnsh -ummyk -untåsh -umü
熟体 両性 -umbü -ump'yk -untåsh -ump'ü
男性 -umbü -ump'ynh -untåsh -ump'ü
女性 -umbü -ump'yk -untåsh -ump'ü
不活動成体 両性 -ullho -ullho -untash -umpfü
熱性 -ullhü -ullhü -untash -umpfü
冷性 -unc'o -unc'o -untash -umpfü
潜在体 -ūhas -ūhas -untā -ūwhü
幼体 -untho -uit -untā -untant
老体 -untho -uis -untā -untans
永体 -ūħo -unþo -untā -umvü
神体 -ūħo -unchau -untā -unthau
抽象体 -ūħo
不定人称 -ugga -ugga -ugga -ugga
Um型
主語尾 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外形 -il -irmøl -irve
包括形 -irxhil -irmøng
2人称 成体 両性 -in -irper -irxor
男性 -irnu -irper -irxro
女性 -irnhe -irper -irxre
亜成体 両性 -irja -irpir -irjê
男性 -yjåp -irpir -irjeu
女性 -īsh -irpir -irjē
熟体 両性 -irsfe -irpir -irgiþ
男性 -irsfu -irpir -irgid
女性 -irsfi -irpir -irgish
幼体 -irt'i -irpeħ -irxot
老体 -irxi -irpeħ -irxos
永体 -irgher -irpeħ -irther
3人称 成体 両性 -irbe -is -irter -im
男性 -irbud -ip -irter -irmo
女性 -irbī -īsh -irter -irme
亜成体 両性 -irbå -irman -irtir -irmī
男性 -irbåp -irmat -irtir -irmī
女性 -irbåi -irmar -irtir -irmī
熟体 両性 -irbenh -irp'in -irtir -irp'ī
男性 -irbunh -irp'it -irtir -irp'ī
女性 -irbīnh -irp'ir -irtir -irp'ī
不活動成体 両性 -irlhe -irlhe -irter -irpfī
熱性 -irlhī -irlhī -irter -irpfī
冷性 -irc'e -irc'e -irter -irpfī
潜在体 -irjo -irjo -irteħ -irhwī
幼体 -irthe -irt'y -irteħ -irmut
老体 -irthe -irsk -irteħ -irmus
永体 -īħe -irþe -irteħ -irvī
神体 -īħe -irchai -irteħ -irthai
抽象体 -īħe
不定人称 -ir -ir -irfe -irfe
副語尾 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外形 -irsh -irmøs -īhar
包括形 -irxhis -irvir
2人称 成体 両性 -irdœ -irpesh -irnhī
男性 -irdøu -irpesh -irnhī
女性 -irdœ -irpesh -irnhī
亜成体 両性 -irxhy -irpish -irnhü
男性 -yxhyp -irpish -irnhü
女性 -irxhysh -irpish -irnhü
熟体 両性 -iftœ -irpish -irginh
男性 -iftøu -irpish -irginh
女性 -iftö -irpish -irginh
幼体 -irdœt -irpē -irnhit
老体 -irdœs -irpē -irnhis
永体 -irghesh -irpē -irthesh
3人称 成体 両性 -irbi -i -irtesh -y
男性 -irbyd -ypt -irtesh -y
女性 -irbysh -insh -irtesh -y
亜成体 両性 -irbœ -irmek -irtish -irmæi
男性 -irbœp -irmøng -irtish -irmæi
女性 -irbœi -irmik -irtish -irmæi
熟体 両性 -irbinh -irp'ek -irtish -irp'æi
男性 -irbynh -irp'øng -irtish -irp'æi
女性 -irbynh -irp'ik -irtish -irp'æi
不活動成体 両性 -irlhi -irlhi -irtesh -irpfæi
熱性 -irlhæi -irlhæi -irtesh -irpfæi
冷性 -irc'i -irc'i -irtesh -irpfæi
潜在体 -īhøs -īhøs -irtē -irhwæi
幼体 -irthi -irst -irtē -üt
老体 -irthi -irns -irtē -üs
永体 -īçi -irþi -irtē -irvæi
神体 -īçi -irchæi -irtē -irthæi
抽象体 -īçi
不定人称 -ing -ing -ing -ing
未然語尾 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外形 -ila -irmal -irva
包括形 -irxhal -irmang
2人称 成体 両性 -irna -irpar -irnai
男性 -irnap -irpar -irnau
女性 -irnhē -irpar -irnai
亜成体 両性 -irjā -irpår -irjang
男性 -yjô -irpår -irjyng
女性 -irshē -irpår -irjæng
熟体 両性 -irsfā -irpår -irxhaþ
男性 -irswō -irpår -irxhåd
女性 -irsfē -irpår -irxhesh
幼体 -irc'ā -irpaħ -irc'ai
老体 -irzhā -irpaħ -irzhē
永体 -irghar -irpaħ -irthar
3人称 成体 両性 -irba -irza -irtar -irma
男性 -irbåd -irpa -irtar -irmå
女性 -irbåsh -īsha -irtar -irmœ
亜成体 両性 -irbån -irnā -irtår -irmåi
男性 -irbåmp -irdā -irtår -irmåi
女性 -irbånsh -irā -irtår -irmåi
熟体 両性 -irbyk -irnē -irtår -irp'åi
男性 -irbyk -irdē -irtår -irp'åi
女性 -irbyk -irrē -irtår -irp'åi
不活動成体 両性 -irlha -irlha -irtar -irpfåi
熱性 -irlhåi -irlhåi -irtar -irpfåi
冷性 -irc'a -irc'a -irtar -irpfåi
潜在体 -irjö -irjö -irtaħ -irhwåi
幼体 -irtha -irt'wa -irtaħ -irmåit
老体 -irtha -irska -irtaħ -irmåis
永体 -īħa -irþa -irtaħ -irvåi
神体 -īħa -irchā -irtaħ -irthā
抽象体 -īħa
不定人称 -ira -ira -irfa -irfa
完了語尾 不定数 単数 双数 複数
1人称 除外形 -irsha -irmas -irha
包括形 -irxhas -irvang
2人称 成体 両性 -irdœn -irpash -irnhā
男性 -irdū -irpash -irnhā
女性 -irdē -irpash -irnhā
亜成体 両性 -irxhā -irpåsh -irnhang
男性 -yxhō -irpåsh -irnhang
女性 -irxhē -irpåsh -irnhang
熟体 両性 -iftœn -irpåsh -irxhinh
男性 -iftū -irpåsh -irxhinh
女性 -iftē -irpåsh -irxhinh
幼体 -irdœnt -irpā -irnhat
老体 -irdœns -irpā -irnhas
永体 -irghash -irpā -irthash
3人称 成体 両性 -irbo -irtash -irtam
男性 -irbod -irpī -irtash -irtam
女性 -irbosh -irshī -irtash -irtam
亜成体 両性 -irbœn -irmyk -irtåsh -irmü
男性 -irbœmp -irmynh -irtåsh -irmü
女性 -irbœnsh -irmyk -irtåsh -irmü
熟体 両性 -irbü -irp'yk -irtåsh -irp'ü
男性 -irbü -irp'ynh -irtåsh -irp'ü
女性 -irbü -irp'yk -irtåsh -irp'ü
不活動成体 両性 -irlho -irlho -irtash -irpfü
熱性 -irlhü -irlhü -irtash -irpfü
冷性 -irc'o -irc'o -irtash -irpfü
潜在体 -īhas -īhas -irtā -irhwü
幼体 -irtho -īt -irtā -irtant
老体 -irtho -īs -irtā -irtans
永体 -īħo -irþo -irtā -irvü
神体 -īħo -irchau -irtā -irthau
抽象体 -īħo
不定人称 -irga -irga -irga -irga

A型・E型は、それぞれ動詞の同名の語尾と全く同じ語尾をとる。子音型はA型と同形である。母音型の場合、語幹に-thを接続した上で、動詞のE型と全く同じ活用語尾を用いる。ただし、語尾が1音節以上で構成される場合は語幹にそのまま人称語尾を接続する。

規範語尾は形容詞には存在しない。

形名用法

名詞化した形容詞である。動詞における動名詞と同様に「コト型(~なこと)」「モノ型(~なもの)」「ヒト型(~な人)」「トコ型(~な場所)」の4種類が存在する。

変化形は動名詞と全く同一である。形容詞の類型は以下の通り動詞の類型と対応する。

  • Um型 = 動詞U型
  • Ir型 = 動詞I型
  • 子音型/A型 = 動詞A型
  • E型 = 動詞E型
  • 母音型 = 語幹に-thを接続し動詞E型
副詞用法

副詞化した形容詞である。例えば「美しい」の副詞用法は「美しく」である。通常は連用語幹に-īを付加して表現するが、子音型、母音型は何も付加しない。

一部の形容詞は不規則に変化する。

  • daja「大きい」 → dåi「大きく」
  • ānir「~である(コピュラ)」 → vīnī「~でありながら」

限定詞

定冠詞・前置詞・所有限定詞・指示限定詞などが存在する。修飾する名詞の名詞クラス・数に応じて変化する。

定冠詞

定性を示す他、数の意味を拡張する。不定冠詞は存在せず、数詞等で代用される。

  • 不定数系
    • 不可算定冠詞  … 数えられないことを示す
    • 不明数定冠詞  … 数が不明なことを示す
  • 単数系
    • 唯数定冠詞   … 「ただ一つの~」という意味を示す
    • 一数定冠詞   … 単に一つであることを示す
    • 対単数定冠詞  … ペアのものが1つあることを示す
    • 集合単数定冠詞 … 集団が1つあることを示す
  • 双数系
    • 両数定冠詞   … ペアであることを示す
    • 二数定冠詞   … 単に二つであることを示す
  • 複数系
    • 少複数定冠詞  … 見ただけで数えられるほどの数を示す
    • 多複数定冠詞  … 見ただけでは数えられないほどの数を示す
    • 無数定冠詞   … 数え切れないほどあることを示す
    • 離散複数定冠詞 … 複数あるが、1つ1つが離れた位置にありその場では数え切れないことを示す
    • 対複数定冠詞  … ペアのものが複数あることを示す
    • 集合複数定冠詞 … 集団が複数あることを示す
定冠詞一覧
不定数 単数 双数
不可算 不明数 唯数 一数 対単数 集合単数 両数 二数
成体 両性 原形 gais ikse gar rus pøt ðang dja shynh
接続語幹 gai ik aða rui pøti ðeng djæ shynh
連体語幹 gæsa iksa gaza rusa pøca ðaksa disha shynsha
連用語幹 gai ik gar rus pøt ðang djar shynh
男性 原形 gais ikse gadu ruxu pøt ðang dit shynh
接続語幹 gai ik gudi ruxi pøti ðeng dit shynh
連体語幹 gæsa iksa guxa runxa pøca ðaksa dixa shynsha
連用語幹 gai ik gadu ruxu pøt ðang dir shynh
女性 原形 gais ikse gesh rush pøt ðang djesh shynh
接続語幹 gai ik gazhe ruzhe pøti ðeng djesh shynh
連体語幹 gæsa iksa gessha russha pøca ðaksa djessha shynsha
連用語幹 gai ik gesh rush pøt ðang djer shynh
亜成体 両性 原形 kwås likse kwår lus pøtå ðång xål shynh
接続語幹 kwô lik aðå lui pøtåi ðœng xål shynh
連体語幹 kwôså likså kwôzå luså pøsså ðåksa xålså shynshå
連用語幹 kwô lik kwår lus pøtå ðång xår shynh
男性 原形 kwås likse kwåp luxu pøtå ðång xout shynh
接続語幹 kwô lik aðåp luxi pøtåi ðœng xout shynh
連体語幹 kwôså likså påpså lunxå pøsså ðåksa xoucå shynshå
連用語幹 kwô lik kwåp luxu pøtå ðång xour shynh
女性 原形 kwås likse kwœsh lush pøtå ðång xish shynh
接続語幹 kwô lik pœshi luzhe pøtåi ðœng xish shynh
連体語幹 kwôså likså pœssho lusshå pøsså ðåksa xisshå shynshå
連用語幹 kwô lik kwœsh lush pøtå ðång xīr shynh
熟体 両性 原形 gles ekse gler ħagy pøty ðyng dynh shynh
接続語幹 glē ek aðy ħagi pøtī ðyng dynh shynh
連体語幹 glēsy eksy glēzy ħaksy pøsshy ðyksy dynsy shynshy
連用語幹 glē ek gler ħagy pøty ðyng dynh shynh
男性 原形 gles ekse gleu ħap'y pøty ðyng dyt shynh
接続語幹 glē ek aðyp ħap'i pøtī ðyng dyt shynh
連体語幹 glēsy eksy gleuzy ħapsy pøsshy ðyksy dypcy shynshy
連用語幹 glē ek gleu ħap'y pøty ðyng dyt shynh
女性 原形 gles ekse glei ħakshy pøty ðyng düsh shynh
接続語幹 glē ek glī ħakshi pøtī ðyng düsh shynh
連体語幹 glēsy eksy gleisy ħasshy pøsshy ðyksy dysshy shynshy
連用語幹 glē ek glei ħakshy pøty ðyng düsh shynh
不活動成体 両性 原形 øys feis gos fes pøta lha djo shynh
接続語幹 øk fek goi fei pøtai lhai didu shynh
連体語幹 økso fekso goso feso pøco lhaso dysho shynsho
連用語幹 øk fek gou feu pøto lhau døu shynh
熱性 原形 øys feis gōs fēs pøta lha dījo shynh
接続語幹 øk fek gōzi fēzi pøtai lhai düdu shynh
連体語幹 økso fekso gōso fēso pøco lhaso düsho shynsho
連用語幹 øk fek gōzu fēzo pøto lhau shynh
冷性 原形 øys feis goc'e fec'e pøta lha dic'e shynh
接続語幹 øk fek goc'i fec'i pøtai lhai distu shynh
連体語幹 økso fekso gosso fesso pøco lhaso dissho shynsho
連用語幹 øk fek goc'o fec'o pøto lhau dic'o shynh
潜在体 原形 gøys føys gøs føs pøtø lhø dja shynh
接続語幹 gøk føk gøy føy pøtøy lhøy didø shynh
連体語幹 gøkso føksø gøsø føsø pøcø lhasø dishø shynshø
連用語幹 gøk føk gøu føu pøto lhøu djō shynh
幼体 原形 çik wik cam zhy pøym üm xil shel
接続語幹 çik wik cai zhiç pøçi yçi xide shel
連体語幹 çiksi wiksi casi zhisi pøysi üsi xishi shelshi
連用語幹 çik wik ca zhy pøç xir shel
老体 原形 çik wik søm zhom pøym üm djosh shysh
接続語幹 çik wik søy zhoħ pøçi yçi dido shysh
連体語幹 çikso wikso søso zhoso pøyso üso disho shyssho
連用語幹 çik wik zho pøç djor shysh
永体 原形 þes þes gor fer pøta lha djam shym
接続語幹 þek þek gori feri pøtai lhai dinde shym
連体語幹 þesse þesse gorze ferze pøco lhaso dinse shynshe
連用語幹 þek þek gor fer pøto lhau dimer shym
神体 原形 shyr an shena ans pøta lha dima shyma
接続語幹 shyr an shene ani pøtai lhai dinda shyma
連体語幹 shyrsa ansa shensa ansa pøco lhaso dinsa shyma
連用語幹 shyr an shena ans pøto lhau dimar shyma
複数
少複数 多複数 無数 離散複数 対複数 集合複数
成体 両性 原形 nha su bal cæl ptëzhe ðæilhe
接続語幹 nhê sui bali cæli ptëzhi ðæilhi
連体語幹 nhaba suba balba cælam ptëzham ðæilhem
連用語幹 nhar sur balla cælar ptëzhar ðæilher
男性 原形 nhado sudo bado cæl ptëzhe ðæilhe
接続語幹 nhædo sydo bædo cæli ptëzhi ðæilhi
連体語幹 nhapto supto bapto cælem ptëzhem ðæilhem
連用語幹 nhardo surdo bardo cæler ptëzher ðæilher
女性 原形 nhasho susho basho cæl ptëzhe ðæilhe
接続語幹 nhæsho sysho bæsho cæli ptëzhi ðæilhi
連体語幹 nhapsho supsho bapsho cælem ptëzhem ðæilhem
連用語幹 nharzho surzho barsho cæler ptëzher ðæilher
亜成体 両性 原形 nilå sål bål cælå ptëzhå ðæilhå
接続語幹 nilœ såli båli cælœ ptëzhœ ðæilhœ
連体語幹 nilbå sålbå bålbå cælåm ptëzhåm ðæilhåm
連用語幹 nilår sår bållå cælår ptëzhår ðæilhår
男性 原形 nidå sådå bådå cælå ptëzhå ðæilhå
接続語幹 nidå sœdå bødå cælœ ptëzhœ ðæilhœ
連体語幹 niptå såptå båptå cælåm ptëzhåm ðæilhåm
連用語幹 nirdå sårdå bårdå cælår ptëzhår ðæilhår
女性 原形 nishå såshå båshå cælå ptëzhå ðæilhå
接続語幹 nishå sœshå bøshå cælœ ptëzhœ ðæilhœ
連体語幹 nipshå såpshå båpshå cælåm ptëzhåm ðæilhåm
連用語幹 nirshå sårshå bårshå cælår ptëzhår ðæilhår
熟体 両性 原形 nhynh fans byl cæly ptëzhy ðæilhy
接続語幹 nhü fazi byli cælī ptëzhī ðæilhī
連体語幹 nhymby faspy bylby cælym ptëzhym ðæilhym
連用語幹 nhynh fans byllo cælyr ptëzhyr ðæilhyr
男性 原形 nhydo fasto bydo cæly ptëzhy ðæilhy
接続語幹 nhüdo festo bydo cælī ptëzhī ðæilhī
連体語幹 nhypto fapto bypto cælym ptëzhym ðæilhym
連用語幹 nhydo fasto byrdo cælyr ptëzhyr ðæilhyr
女性 原形 nhysho fassho bysho cæly ptëzhy ðæilhy
接続語幹 nhüsho fessho bøsho cælī ptëzhī ðæilhī
連体語幹 nhypsho fapsho bypsho cælym ptëzhym ðæilhym
連用語幹 nhysho fassho byrsho cælyr ptëzhyr ðæilhyr
不活動成体 両性 原形 teng tem bol cæl ptëzhe ðæilhe
接続語幹 tegi temi boli cæli ptëzhi ðæilhi
連体語幹 tebo tembo bolbo cælum ptëzhum ðæilhum
連用語幹 teng tem bollo cælu ptëzhu ðæilhu
熱性 原形 tēge tēm bōl cæl ptëzhe ðæilhe
接続語幹 tēgi tēmi bōli cæli ptëzhi ðæilhi
連体語幹 tēbo tembo bolbo cælum ptëzhum ðæilhum
連用語幹 tēge tēm bōl cælu ptëzhu ðæilhu
冷性 原形 tekc'e tenc'e boc'e cæl ptëzhe ðæilhe
接続語幹 tekc'i tenc'i boc'i cæli ptëzhi ðæilhi
連体語幹 tespo tenspo bospo cælum ptëzhum ðæilhum
連用語幹 tekc'e tenc'e boc'e cælu ptëzhu ðæilhu
潜在体 原形 tøng tøm bøllø cælinh ptëzhinh ðæilhinh
接続語幹 tøgi tømi bøli cæløy ptëzhøy ðæilhøy
連体語幹 tøbø tømbø bølbø cæløm ptëzhøm ðæilhøm
連用語幹 tøng tøm bøl cæløu ptëzhøu ðæilhøu
幼体 原形 høl plē byl cælik ptëzhik ðæilhik
接続語幹 høli plei byli cæliç ptëzhiç ðæilhiç
連体語幹 hølbi pelbi bylbi cælim ptëzhim ðæilhim
連用語幹 hër pler bylli cælir ptëzhir ðæilhir
老体 原形 høl plē bol cælong ptëzhong ðæilhong
接続語幹 høli plei boli cæloi ptëzhoi ðæilhoi
連体語幹 hølbo pelbo bolbo cælom ptëzhom ðæilhom
連用語幹 hër pler bollo cælor ptëzhor ðæilhor
永体 原形 þīs þīs blis cælis ptëzhis ðæilhis
接続語幹 þi þi bel cælei ptëzhei ðæilhei
連体語幹 þibe þibe belbe cæleim ptëzheim ðæilheim
連用語幹 þir þir belle cæleir ptëzheir ðæilheir
神体 原形 niza sona beza cælza ptëzheza ðæilheza
接続語幹 nizi soni bezi cælne ptëzhene ðæilhene
連体語幹 nispa somba bespa cælma ptëzhema ðæilhema
連用語幹 nir sonar bezar cælno ptëzheno ðæilheno

前置詞

前置詞は具格や様格などの格変化の代わりに用いることができ、前置格とともに用いられる。名詞の意味を格変化よりも限定する他、定冠詞としての機能も果たす。ただし、通常はあまり用いることはせず、同じ意味の格変化が使用される。

前置詞には以下のようなものが存在する。

  • qir:「~に」「~で」(処格と同義)
  • pos:「~に」(時格と同義)
  • pjô:「~から」(奪格と同義)
  • hen:「~へ」(向格と同義)
  • grong:「~を使って」「~によって」(道具を意味する具格と同義)
  • sek:「~と共に」(共格と同義)
  • zhai:「~のために」(受益格と同義)
  • zhing:「~にとって」(動機具格・動機共格と同義)
  • san:「~として」(同格を意味する様格と同義)
  • alup:「~のように」(様格と同義)

所有限定詞

人称代名詞の所有格の代わりに用いられる。

不定数 単数 双数 複数
1人称 除外形 le møle ver
包括形 nile bile
2人称 成体 ne per xer
亜成体 swe pire jæbe
熟体 tåge pire giþe
幼体 t'e peħe ste
老体 xe peħe ase
永体 ghe peħe rhe
3人称 成体 be se ter me
亜成体 be dwe tire ame
熟体 be xhye tire ap'e
幼体 the de teħe ude
老体 the ze teħe uze
永体 ħe þe teħe ave
不定人称 非限定形 ħe we we we
限定形 we re fe fe
疑問人称 非限定形 dhe dhe dhe dhe
限定形 p'e p'e p'e p'e

指示限定詞

指示代名詞の所有格の代わりに用いられる。指示限定詞も所有限定詞と同様、サブクラスは区別しない。

不定数 単数 双数 複数
近称 ðava va val œva
中称 ðaka ka kal œka
遠称 ðate te tele œte
不視称 ðange nge ngele œnge
不定称 非限定形 wa ra fa fa
限定形 ðadha dha adha œdha
疑問称 非限定形 ðap'a p'a ap'a œp'a
限定形 ðap'a p'a ap'a œp'a

限定詞の変化形

冠詞・前置詞以外の限定詞の変化を示す。原形の語尾に応じて、A型、E型、Al型、Er型の4種類の変化形がある。

A型 E型
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
成体 両性 原形 -as -a -am -eng -es -e -em -eng
接続語幹 -a -ai -at -ai -e -ei -et -ei
連体語幹 -as -as -ash -amp -es -es -esh -emp
連用語幹 -a -a -ar -ar -e -e -er -er
男性 原形 -aus -au -aum -eng -eus -eu -eum -eung
接続語幹 -au -aui -aut -aui -eu -eui -eut -eui
連体語幹 -aus -aus -aush -aup -eus -eus -eush -eum
連用語幹 -au -au -aur -aur -eu -eu -eur -eur
女性 原形 -ajes -aje -ajem -ajeng -ejes -eje -ejem -ejeng
接続語幹 -aje -ajei -ajet -ajei -eje -ejeje -ejet -ejeje
連体語幹 -ajes -ajes -ajesh -ajemp -ejes -ejes -ejesh -ejemp
連用語幹 -aje -aje -ajer -ajer -eje -eje -ejer -ejer
亜成体 両性 原形 -ås -åm -ång -es -e -em -eng
接続語幹 -åi -åt -åi -e -ei -et -ei
連体語幹 -ås -ås -åsh -åmp -es -es -esh -emp
連用語幹 -år -år -e -e -er -er
男性 原形 -ous -ou -oum -ouk -eus -eu -eum -euk
接続語幹 -ou -oui -out -oui -eu -eui -eut -eui
連体語幹 -ous -ous -oush -oup -eus -eus -eush -eup
連用語幹 -ou -ou -our -our -eu -eu -eur -eur
女性 原形 -åjes -åje -åjem -åjeng -ejes -eje -ejem -ejeng
接続語幹 -åje -åjei -åjet -åjei -eje -ejeje -ejet -ejeje
連体語幹 -åjes -åjes -åjesh -åjemp -ejes -ejes -ejesh -ejemp
連用語幹 -åje -åje -åjer -åjer -eje -eje -ejer -ejer
熟体 両性 原形 -ys -y -ym -yng -es -e -em -eng
接続語幹 -y -yt -e -ei -et -ei
連体語幹 -ys -ys -ysh -ymp -es -es -esh -emp
連用語幹 -y -y -yr -yr -e -e -er -er
男性 原形 -ys -y -ym -yng -eus -eu -eum -euk
接続語幹 -y -yt -eu -eui -eut -eui
連体語幹 -ys -ys -ysh -ymp -eus -eus -eush -eup
連用語幹 -y -y -yr -yr -eu -eu -eur -eur
女性 原形 -ys -y -ym -yng -ejes -eje -ejem -ejeng
接続語幹 -y -yt -eje -ejeje -ejet -ejeje
連体語幹 -ys -ys -ysh -ymp -ejes -ejes -ejesh -ejemp
連用語幹 -y -y -yr -yr -eje -eje -ejer -ejer
不活動成体 両性 原形 -os -o -u -us -es -e -e -es
接続語幹 -u -ui -ut -ui -e -ei -et -ei
連体語幹 -us -us -ush -ump -es -es -esh -emp
連用語幹 -u -u -e -e -eu -eu
熱性 原形 -ous -ou -ūs -ēs -ēs
接続語幹 -uje -ūt -uje -eje -ēt -eje
連体語幹 -ūs -ūs -ūsh -ūp -ēs -ēs -ēsh -ēp
連用語幹 -uvu -uvu -evu -evu
冷性 原形 -os -o -u -us -es -e -e -es
接続語幹 -u -ui -ut -ui -e -ei -et -ei
連体語幹 -us -us -ush -ump -es -es -esh -emp
連用語幹 -u -u -e -e -eu -eu
潜在体 原形 -øs -øm -inh -es -e -em -enh
接続語幹 -øi -øt -øi -e -ei -et -ei
連体語幹 -øs -øs -øsh -ømp -es -es -esh -emp
連用語幹 -øu -øu -e -e -eu -eu
幼体 原形 -y -im -el -isk -em -em -el -esk
接続語幹 -i -it -e -et
連体語幹 -is -is -ish -imp -es -es -esh -emp
連用語幹 -i -i -ir -ir -e -e -er -er
老体 原形 -om -om -om -ong -em -em -em -eng
接続語幹 -o -oi -ot -oi -e -ei -et -ei
連体語幹 -os -os -osh -omp -es -es -esh -emp
連用語幹 -o -o -or -or -e -e -er -er
永体 原形 -es -er -em -eis -es -er -em -eis
接続語幹 -e -ei -et -ei -e -ei -et -ei
連体語幹 -es -es -esh -emp -es -es -esh -emp
連用語幹 -e -e -er -er -e -e -er -er
神体 原形 -ina -ens -ima -iza -ena -ens -ema -eza
接続語幹 -ina -ine -int -ine -ena -ene -ent -ene
連体語幹 -ins -ins -insh -imp -ens -ens -ensh -emp
連用語幹 -ina -ina -ino -ino -ena -ena -jor -jor
抽象体 原形 -aþ -aþ -aþ -aþ -e -e -e -e
接続語幹 -ei -ei -ei -ei -ei -ei -ei -ei
連体語幹 -as -as -as -as -es -es -es -es
連用語幹 -a -a -a -a -e -e -e -e
Al型 Er型
不定数 単数 双数 複数 不定数 単数 双数 複数
成体 両性 原形 -al -al -lam -leng -res -er -rem -reng
接続語幹 -al -ali -lat -ali -er -eri -ret -eri
連体語幹 -las -las -lash -lamp -res -res -resh -remp
連用語幹 -al -al -lar -lar -er -er -ēr -ēr
男性 原形 -al -al -lam -leng -res -er -rem -reng
接続語幹 -al -ali -lat -ali -er -eri -ret -eri
連体語幹 -las -las -lash -lamp -res -res -resh -remp
連用語幹 -al -al -lar -lar -er -er -ēr -ēr
女性 原形 -al -al -lam -leng -res -er -rem -reng
接続語幹 -al -ali -lat -ali -er -eri -ret -eri
連体語幹 -las -las -lash -lamp -res -res -resh -remp
連用語幹 -al -al -lar -lar -er -er -ēr -ēr
亜成体 両性 原形 -ål -ål -låm -lång -res -er -rem -reng
接続語幹 -ål -åli -låt -åli -er -eri -ret -eri
連体語幹 -lås -lås -låsh -låmp -res -res -resh -remp
連用語幹 -ål -ål -lår -lår -er -er -ēr -ēr
男性 原形 -ål -ål -låm -lång -res -er -rem -reng
接続語幹 -ål -åli -låt -åli -er -eri -ret -eri
連体語幹 -lås -lås -låsh -låmp -res -res -resh -remp
連用語幹 -ål -ål -lår -lår -er -er -ēr -ēr
女性 原形 -ål -ål -låm -lång -res -er -rem -reng
接続語幹 -ål -åli -låt -åli -er -eri -ret -eri
連体語幹 -lås -lås -låsh -låmp -res -res -resh -remp
連用語幹 -ål -ål -lår -lår -er -er -ēr -ēr
熟体 両性 原形 -yl -yl -lym -lyng -res -er -rem -reng
接続語幹 -yl -yli -lyt -yli -er -eri -ret -eri
連体語幹 -lys -lys -lysh -lymp -res -res -resh -remp
連用語幹 -yl -yl -lyr -lyr -er -er -ēr -ēr
男性 原形 -yl -yl -lym -lyng -res -er -rem -reng
接続語幹 -yl -yli -lyt -yli -er -eri -ret -eri
連体語幹 -lys -lys -lysh -lymp -res -res -resh -remp
連用語幹 -yl -yl -lyr -lyr -er -er -ēr -ēr
女性 原形 -yl -yl -lym -lyng -res -er -rem -reng
接続語幹 -yl -yli -lyt -yli -er -eri -ret -eri
連体語幹 -lys -lys -lysh -lymp -res -res -resh -remp
連用語幹 -yl -yl -lyr -lyr -er -er -ēr -ēr
不活動成体 両性 原形 -ol -ol -lu -lus -res -er -er -res
接続語幹 -ul -uli -lut -lui -er -eri -ret -eri
連体語幹 -lus -lus -lush -lump -res -res -resh -remp
連用語幹 -ul -ul -ulu -ulu -er -er -rū -rū
熱性 原形 -ol -ol -lu -lus -res -er -er -res
接続語幹 -ul -uli -lut -lui -er -eri -ret -eri
連体語幹 -lus -lus -lush -lump -res -res -resh -remp
連用語幹 -ul -ul -ulu -ulu -er -er -rū -rū
冷性 原形 -ol -ol -lu -lus -res -er -er -res
接続語幹 -ul -uli -lut -lui -er -eri -ret -eri
連体語幹 -lus -lus -lush -lump -res -res -resh -remp
連用語幹 -ul -ul -ulu -ulu -er -er -rū -rū
潜在体 原形 -øl -øl -løm -linh -res -er -rem -renh
接続語幹 -øl -øli -løt -løi -er -eri -ret -eri
連体語幹 -løs -løs -løsh -lømp -res -res -resh -remp
連用語幹 -øl -øl -løu -løu -er -er -reu -reu
幼体 原形 -yl -lim -lel -lisk -rem -rem -rel -resk
接続語幹 -il -ili -lit -ili -er -rī -ret -rī
連体語幹 -lis -lis -lish -limp -res -res -resh -remp
連用語幹 -il -il -lir -ir -er -er -ēr -ēr
老体 原形 -lom -lom -lom -long -rem -rem -rem -reng
接続語幹 -ol -oli -lot -oli -er -eri -ret -eri
連体語幹 -los -los -losh -lomp -res -res -resh -remp
連用語幹 -ol -ol -lor -lor -er -er -ēr -ēr
永体 原形 -les -ler -lem -leis -res -ēr -rem -reis
接続語幹 -el -eli -let -eli -er -eri -ret -eri
連体語幹 -les -les -lesh -lemp -res -res -resh -remp
連用語幹 -el -el -ler -ler -er -er -ēr -ēr
神体 原形 -inal -lens -imal -izal -rena -rens -rema -reza
接続語幹 -inal -inel -lint -inel -rena -rene -rent -rene
連体語幹 -lins -lins -linsh -limp -rens -rens -rensh -remp
連用語幹 -inal -inal -inor -inor -rena -rena -rjor -rjor
抽象体 原形 -al -al -al -al -er -er -er -er
接続語幹 -eli -eli -eli -eli -eri -eri -eri -eri
連体語幹 -las -las -las -las -res -res -res -res
連用語幹 -al -al -al -al -er -er -er -er

数詞

ネサルゼルデ語に数詞という品詞はなく、以下の数詞類は全て別の品詞に分類される。

  • 基数詞 - 個数を示す数詞。限定詞として扱われる。
  • 序数詞 - 順序を示す数詞。形容詞として扱われる。
  • 倍数詞 - 倍数を示す数詞。形容詞として扱われる。
  • 反復数詞 - 回数を示す数詞。副詞として扱われる。
  • 分数詞 - 分数を示す数詞。名詞として扱われる。

基数詞

他の限定詞と同様、名詞クラスに応じた変化が存在する。

1~10の基数詞は不規則に変化する。また、1から5までの基数詞は修飾する名詞のサブクラスも区別する。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
成体 両性 原形 ai nes xhyn lim åglå yz dixho pyrde dal
接続語幹 ħæi mīt nesh xhynsh limi åglåsh yz dixhosh pyrdesh dali
連体語幹 ais mīsh neba xhymp limba åglåm yz dixhom pyrdem daba
連用語幹 ai mīr nēr xhyn lyr åglår yz dixhor pyrder dal
男性 原形 waik nøs xhyn lym åglå yz dixho pyrde dal
接続語幹 ħæit müt nøsh xhynsh lymi åglåsh yz dixhosh pyrdesh dali
連体語幹 wais müsh nøba xhymp lymba åglåm yz dixhom pyrdem daba
連用語幹 waik mür nër xhyn lyr åglår yz dixhor pyrder dal
女性 原形 wing mjē nis xhyn çim åglå yz dixho pyrde dal
接続語幹 wigi mjēt nish xhynsh çimi åglåsh yz dixhosh pyrdesh dali
連体語幹 wins mjēsh niba xhymp çimba åglåm yz dixhom pyrdem daba
連用語幹 wing mjē nīr xhyn çyr åglår yz dixhor pyrder dal
亜成体 両性 原形 ôl mjol newo xhül lewo ållå jōl dixhlo pyrle dāl
接続語幹 ħæli mjoli newi xhüsh leush ållåsh jōl dixhlosh pyrlesh dāli
連体語幹 ôlis mjōs nebo xhüp løbo ållåm jōl dixhlom pyrlem dāba
連用語幹 ôl mjol newor xhül leur ållår jōl dixhlor pyrler dāl
男性 原形 olko mül neu xhül leu ållå jōl dixhlo pyrle dāl
接続語幹 ħælki müli nøwi xhüsh lēwi ållåsh jōl dixhlosh pyrlesh dāli
連体語幹 olkos müs nøbo xhüp leubo ållåm jōl dixhlom pyrlem dāba
連用語幹 olko mül neur xhül lēwor ållår jōl dixhlor pyrler dāl
女性 原形 ōling mjøl niwo xhül liwo ållå jōl dixhlo pyrle dāl
接続語幹 ħiling mjøli niwi xhüli lüsh ållåsh jōl dixhlosh pyrlesh dāli
連体語幹 olins mjës nibo xhübo lybo ållåm jōl dixhlom pyrlem dāba
連用語幹 ōling mjøl niwor xhür lür ållår jōl dixhlor pyrler dāl
熟体 両性 原形 ainh mynh nys xhyn linh ålnhi yzinh dinnho pyrnhe dail
接続語幹 ħæinh mynhi nyzi xhymby linhi ålnhish yzinh dinnhosh pyrnhesh daili
連体語幹 anhis myns nyspy xhymby limba ålnhim yzinh dinnhom pyrnhem daiba
連用語幹 ainh mynh nür xhyn lyr ålnhir yzinh dinnhor pyrnher dail
男性 原形 ænki mynh nyst xhyn lynh ålnhi yzinh dinnho pyrnhe dail
接続語幹 ħænki mynhi nysti xhynsh lynhi ålnhish yzinh dinnhosh pyrnhesh daili
連体語幹 ænkis myns nyspy xhymp lymba ålnhim yzinh dinnhom pyrnhem daiba
連用語幹 ænki mynh nyst xhyn lyr ålnhir yzinh dinnhor pyrnher dail
女性 原形 ænhī mynh nysī xhyn çinh ålnhi yzinh dinnho pyrnhe dail
接続語幹 ħænhī mynhi nysī xhynsh çinhi ålnhish yzinh dinnhosh pyrnhesh daili
連体語幹 ænhīs myns nyspī xhymp çimba ålnhim yzinh dinnhom pyrnhem daiba
連用語幹 ænhī mynh nysrī xhyn çyr ålnhir yzinh dinnhor pyrnher dail
不活動成体 両性 原形 øng neo xho lins ågos üsh dixhos pyrdes dol
接続語幹 øgi müt newi xhoi lizi åksoi üsh disshi pyrxei doli
連体語幹 øns müsh nebo xhobo lispo åksom üsh disshom pyrxem dobo
連用語幹 øng mür xhu lins åksou üsh disshou pyrxeu dol
熱性 原形 ëng nēwo xhō lins ågos üsh dixhos pyrdes dol
接続語幹 ëgi müt nēwi xhōwi lizi åksoi üsh disshi pyrxei doli
連体語幹 øns müsh nēbo xhōbo lispo åksom üsh disshom pyrxem dobo
連用語幹 ëng mür nøu xhou lins åksou üsh disshou pyrxeu dol
冷性 原形 føng neo xho lins ågos üsh dixhos pyrdes dol
接続語幹 føgi müt newi xhoi lizi åksoi üsh disshi pyrxei doli
連体語幹 føns müsh nebo xhobo lispo åksom üsh disshom pyrxem dobo
連用語幹 føng mür xhu lins åksou üsh disshou pyrxeu dol
潜在体 原形 ainh xhynh linh ågøs ynh dixhøs pyrdinh døl
接続語幹 ħæinh mīt newi xhynhi linhi åksøi ynh disshi pyrnhei døli
連体語幹 ænhis mīsh nebø xhymbø limbø åksøm ynh disshøm pyrnhem døbø
連用語幹 ainh mīr neu xhynhy linhy åksør ynh disshøu pyrnheu døl
幼体 原形 æm mīl nesk xhink ling åglik ysk dixhik pyrding dask
接続語幹 ħæm mīl nezi xhigi ligi åggish ysk dishki pyrgiç daski
連体語幹 æns mīl nebi xhibi libi åggim ysk dishkim pyrgim daspi
連用語幹 æm mīl nēr xhink ling åggir ysk dishkor pyrgir dask
老体 原形 æm mīsh neo xhynk ling åggå yzong dixhong pyrdeng dam
接続語幹 ħæm mīsh newi xhygi ligi åggåi yzong dishki pyrge dami
連体語幹 æns mīsh nebo xhybi libi åggåm yzong dishkom pyrgem damp
連用語幹 æm mīsh nër xhynk ling åggår yzong dishkor pyrger dam
永体 原形 au mīm neis xheis linis åglis yzei dixhis pyrdeis del
接続語幹 ħeu mint nizi xhei lini åglī yzei dixhī pyrdī deli
連体語幹 aus minsh nebe xhibe limbe åglim yzei dixhim pyrdeim debe
連用語幹 au mīm nēr xheir linir åglir yzei dixhir pyrdeir del
神体 原形 æna mima nea xhyza liza ågliza üza dixhiza pyrdeza deza
接続語幹 ħæna mint neze xhyne line ågline üza dixhine pyrdene dene
連体語幹 ænas minsh neba xhymp limp åglim üza dixhim pyrdema dema
連用語幹 æna mino nezo xhyno lino åglino üza dixhino pyrdeno deno

11から99までの数詞は、十の位を表す接頭辞を1~9の数詞に接続して表現する。ただし、1~9の数詞の頭子音によって接頭辞の形式は大きく変化する。これら数詞の変化形は1~9と同様である。

一の位 頭子音 十の位
10 20 30 40 50 60 70 80 90
~1 母音(例:ai) æðai miþai neþþai xhyþai zhøngai œksai yþþai mixhai ðøk'ai
ħ-(例:ħæi) æþþæi mithæi netthæi xhythæi zhøghæi œksoħæi ytthæi mixhiħæi ðøkhæi
~2 m-(例:mī) ædmī midmī nesmī xhydmī zhøgmī œksomī ysmī mixhimī ðøgmī
~3 n-(例:nes) ædnes midnes nesnes xhydnes zhøgnes œksones ysnes mixhines ðøgnes
~4 xh-(例:xhyn) æðexhyn miþixhyn neþþixhyn xhyþixhyn zhønxhyn œksoxhyn yþþixhyn minxhyn ðøk'oxhyn
~5 l-(例:lim) ællim millim neþþilim xhyllim zhøgglim œksolim yþþilim mixhilim ðøk'olim
~6 å-(例:åglå) æðåglå miþåglå neþþåglå xhyþåglå zhøngåglå œksåglå yþþåglå mixhåglå ðøk'åglå
~7 y-(例:yz) æðyz miþyz neþþyz xhyþyz zhøngyz œksyz yþþyz mixhyz ðøk'yz
j-(例:jōl) æðejōl miþijōl neþþijōl xhyþijōl zhøngajōl œksojōl yþþijōl mixhijōl ðøk'ojōl
~8 d-(例:dixho) æðedixho miþidixho neþþidixho xhyþidixho zhøngadixho œksodixho yþþidixho mixhidixho ðøk'odixho
~9 p-(例:pyrde) æðepyrde miþipyrde neþþipyrde xhyþipyrde zhøngapyrde œksopyrde yþþipyrde mixhipyrde ðøk'opyrde

10の倍数の基数詞は下記の通りである。

20 30 40 50 60 70 80 90
mīðe neste xhyðe þëm åkte yste dīðe pyrðe
  • 100以上の数詞の形成方法は、以下の規則に基づいて形成される。
  • 百の位は、0~99までの値に接頭辞を付加することで表現する。100の倍数を言う際には、接頭辞とは別に単独形を用いる。
  • 千の位は、999未満の部分と分かち書きされる。
  • 一万の位は千の位に接頭辞を付加することで表現する。こちらも接頭辞とは別に単独形が存在する。

ネサルゼルデ語の数詞は5桁区切りのため、十万の位以降は1~99,999までの数値に「十万」や「百億」を付加して表現する。

以下にその一覧を示す。

100の倍数
単独形 接頭辞
後続が子音 後続が母音
100 gūd gudø- gud-
200 xagūd xagdø- xagud-
300 neskūd nesktø- neskud-
400 xhygūd xhygdø- xhygud-
500 ligūd ligdø- ligud-
600 åkt'ënh åkt'ø- åkt'ønh-
700 yst'ënh yst'ø- yst'ønh-
800 disht'ënh disht'ø- disht'ønh-
900 pyrdënh pyrdø- pyrdønh-
1000の倍数
単独形 接頭辞
後続が子音 後続が母音
1,000 qêm qæN- qæm-
2,000 xaqêm xaqæN- xaqæm-
3,000 nexhme nexhme- nexhm-
4,000 xhyxhme xhyxhme- xhyxhm-
5,000 lixhme lixhme- lixhm-
6,000 åkshêm åkshæN- åkshæm-
7,000 yssêm yssæN- yssæm-
8,000 diqqêm diqqæN- diqqæm-
9,000 pyrxhêm pyrxhæN- pyrxhæm-
1万の倍数
単独形 接頭辞
後続が子音 後続が母音
10,000 khaffe phø- phøf-
20,000 ēkhwe ephø- ephøf-
30,000 neskhwe neskhø- neskhøf-
40,000 xhynkhwe xhymphø- xhymphøf-
50,000 linkhwe limphø- limphøf-
60,000 ôkhwe åphø- åphøf-
70,000 yskhwe yskhø- yskhøf-
80,000 dīkhwe diphø- diphøf-
90,000 pyrkhwe pyrkhø- pyrkhøf-

10の倍数の数詞、および上表の単独形は規則変化と呼ばれる変化をとる。変化表は下記の通り。

原形 接続語幹 連体語幹 連用語幹
成体 -∅/-e -i -em -er
亜成体 -åm -år
熟体 -y -ym -yr
不活動成体 -∅/-e -i -um -u
潜在体 -inh -øy -øm -øu
幼体 -ik -iç -im -ir
老体 -ong -oi -om -or
永体 -is -ei -eim -eir
神体 -(e)za -(e)ne -(e)ma -(e)no

10万以上の数詞は以下の通りである。

  • 十万(105) … xhai
  • 百億(1010) … çirha
  • 千兆(1015) … purxhe
  • 一垓(1020) … xhøphra
  • 十𥝱(1025) … ðefou
  • 百穣(1030) … livou
  • 千溝(1035) … milzou
  • 一正(1040) … devou
  • 十載(1045) … ylxhai
  • 百極(1050) … bixhai

100万は”dal xhai”、1234億5678万9123は”ædmī çirha neskhøxhyxhmeligudœksyz xhai diphøpyrxhæggudømidnes”と表現する。なお、10万以上の部分も、10万未満の部分と同様の変化形をとる。たとえば、1234億5678万9123の成体原形は”æd çirha neskhøxhyxhmeligudœksyz xhai diphøpyrxhæggudømidnes”だが、その幼体接続語幹は”ædmīl çirha neskhøxhyxhmeligudœksysk xhai diphøpyrxhæggudømidnezi”となる。

序数詞

順序を示す数詞である。形容詞として振る舞い、変化形も形容詞と同様である。

1から100まで(1番目~100番目)は下記の通り。

1番目 2番目 3番目 4番目 5番目 6番目 7番目 8番目 9番目 10番目
reitik zhæp'in pæz xhœp ðef livak miles/milz- daivum ülum bīç
11番目 12番目 13番目 14番目 15番目 16番目 17番目 18番目 19番目 20番目
biçeik biçein biçêz biçöp biçēf biçāk biçēs biçêva biçül zīç
21番目 22番目 23番目 24番目 25番目 26番目 27番目 28番目 29番目 30番目
ziçeik ziçein ziçêz ziçöp ziçēf ziçāk ziçēs ziçêva ziçül pæzīç
31番目 32番目 33番目 34番目 35番目 36番目 37番目 38番目 39番目 40番目
pæziçeik pæziçein pæziçêz pæziçöp pæziçēf pæziçāk pæziçēs pæziçêva pæziçül xhëç
41番目 42番目 43番目 44番目 45番目 46番目 47番目 48番目 49番目 50番目
xhøçeik xhøçein xhøçêz xhøçöp xhøçēf xhøçāk xhøçēs xhøçêva xhøçül ðefīç
51番目 52番目 53番目 54番目 55番目 56番目 57番目 58番目 59番目 60番目
ðefiçeik ðefiçein ðefiçêz ðefiçöp ðefiçēf ðefiçāk ðefiçēs ðefiçêva ðefiçül livīç
61番目 62番目 63番目 64番目 65番目 66番目 67番目 68番目 69番目 70番目
liviçeik liviçein liviçêz liviçöp liviçēf liviçāk liviçēs liviçêva liviçül milzīç
71番目 72番目 73番目 74番目 75番目 76番目 77番目 78番目 79番目 80番目
milziçeik milziçein milziçêz milziçöp milziçēf milziçāk milziçēs milziçêva milziçül dævīç
81番目 82番目 83番目 84番目 85番目 86番目 87番目 88番目 89番目 90番目
dæviçeik dæviçein dæviçêz dæviçöp dæviçēf dæviçāk dæviçēs dæviçêva dæviçül ylīç
91番目 92番目 93番目 94番目 95番目 96番目 97番目 98番目 99番目 100番目
yliçeik yliçein yliçêz yliçöp yliçēf yliçāk yliçēs yliçêva yliçül gūdhum

100以上の序数詞は、100以降の基数詞を99以下の数詞に前置することで表現する。例えば、1234番目は”qænxagdøpæziçöp”となる。

基数詞同様、単独形が下記の通り存在する。

100 gūdhum 1,000 qêwhum 10,000 khaffēħum
200 xagūdhum 2,000 xaqêwhum 20,000 ēkhwēħum
300 neskūdhum 3,000 nexhmēħum 30,000 neskhwēħum
400 xhygūdhum 4,000 xhyxhmēħum 40,000 xhynkhwēħum
500 ligūdhum 5,000 lixhmēħum 50,000 linkhwēħum
600 åkt'øççum 6,000 åkshêwhum 60,000 ôkhwēħum
700 yst'øççum 7,000 yssêwhum 70,000 yskhwēħum
800 disht'øççum 8,000 diqqêwhum 80,000 dīkhwēħum
900 pyrdøççum 9,000 pyrxhêwhum 90,000 pyrkhwēħum

10万、100億などの序数詞を表現する場合、基数詞に-ħumを接続する。ただし、語幹の品詞転換は行われない。

倍数詞

倍数(○○倍)を示す数詞である。形容詞として振る舞い、変化形も形容詞と同様である。

1から100まで(1番目~100番目)は下記の通り。

1倍 2倍 3倍 4倍 5倍 6倍 7倍 8倍 9倍 10倍
- pœd pirve xœm riþ zen xai hun desh vūg
11倍 12倍 13倍 14倍 15倍 16倍 17倍 18倍 19倍 20倍
vugūb vugūpœd vugūpfa vugūxœm vugūriþ vugūzen vugūxai vugūhun vugūdesh udūg
21倍 22倍 23倍 24倍 25倍 26倍 27倍 28倍 29倍 30倍
udugūb udugūpœd udugūpfa udugūxœm udugūriþ udugūzen udugūxai udugūhun udugūdesh prūg
31倍 32倍 33倍 34倍 35倍 36倍 37倍 38倍 39倍 40倍
purgūb purgūpœd purgūpfa purgūxœm purgūriþ purgūzen purgūxai purgūhun purgūdesh xøug
41倍 42倍 43倍 44倍 45倍 46倍 47倍 48倍 49倍 50倍
xøgūb xøgūpœd xøgūpfa xøgūxœm xøgūriþ xøgūzen xøgūxai xøgūhun xøgūdesh rüg
51倍 52倍 53倍 54倍 55倍 56倍 57倍 58倍 59倍 60倍
rygūb rygūpœd rygūpfa rygūxœm rygūriþ rygūzen rygūxai rygūhun rygūdesh zëg
61倍 62倍 63倍 64倍 65倍 66倍 67倍 68倍 69倍 70倍
zøgūb zøgūpœd zøgūpfa zøgūxœm zøgūriþ zøgūzen zøgūxai zøgūhun zøgūdesh xög
71倍 72倍 73倍 74倍 75倍 76倍 77倍 78倍 79倍 80倍
xœgūb xœgūpœd xœgūpfa xœgūxœm xœgūriþ xœgūzen xœgūxai xœgūhun xœgūdesh hūg
81倍 82倍 83倍 84倍 85倍 86倍 87倍 88倍 89倍 90倍
hugūb hugūpœd hugūpfa hugūxœm hugūriþ hugūzen hugūxai hugūhun hugūdesh dëg
91倍 92倍 93倍 94倍 95倍 96倍 97倍 98倍 99倍 100倍
dëgūb dëgūpœd dëgūpfa dëgūxœm dëgūriþ dëgūzen dëgūxai dëgūhun dëgūdesh gūghir

100以上の倍数詞は、100以降の基数詞を99以下の数詞に前置することで表現する。

基数詞同様、単独形が下記の通り存在する。

100 gūghir 1,000 qægghir 10,000 khaffeghir
200 xagūghir 2,000 xaqægghir 20,000 ēkhweghir
300 neskūghir 3,000 nexhmeghir 30,000 neskhweghir
400 xhygūghir 4,000 xhyxhmeghir 40,000 xhynkhweghir
500 ligūghir 5,000 lixhmeghir 50,000 linkhweghir
600 åkt'øgghir 6,000 åkshægghir 60,000 ôkhweghir
700 yst'øgghir 7,000 yssægghir 70,000 yskhweghir
800 disht'øgghir 8,000 diqqægghir 80,000 dīkhweghir
900 pyrdøgghir 9,000 pyrxhægghir 90,000 pyrkhweghir

10万、100億などの倍数詞を表現する場合、基数詞に-ghirを接続する。ただし、語幹の品詞転換は行われない。

反復数詞

「○○回」など回数を示す数詞である。副詞として機能し、語形変化はしない。

1から100まで(1番目~100番目)は下記の通り。

1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回 10回
aith mīth nesth xhynth linth åglåth ysth dishth pyrth darth
11回 12回 13回 14回 15回 16回 17回 18回 19回 20回
darthait darthuith darthesth darthynth darthelith darthålåth darthysth darthexhoth darthweth xanth
21回 22回 23回 24回 25回 26回 27回 28回 29回 30回
xanthait xanthuith xanthesth xanthynth xanthelith xanthålåth xanthysth xanthexhoth xanthweth nesteth
31回 32回 33回 34回 35回 36回 37回 38回 39回 40回
nestethait nestethuith nestethesth nestethynth nestetlith nestethålåth nestethysth nestenxhoth nestethweth xhyðeth
41回 42回 43回 44回 45回 46回 47回 48回 49回 50回
xhyðethait xhyðethuith xhyðethesth xhyðethynth xhyðetlith xhyðethålåth xhyðethysth xhyðenxhoth xhyðethweth liðeth
51回 52回 53回 54回 55回 56回 57回 58回 59回 60回
liðethait liðethuith liðethesth liðethynth liðetlith liðethålåth liðethysth liðenxhoth liðethweth åkteth
61回 62回 63回 64回 65回 66回 67回 68回 69回 70回
åktethait åktethuith åktethesth åktethynth åktetlith åktethålåth åktethysth åktenxhoth åktethweth ysteth
71回 72回 73回 74回 75回 76回 77回 78回 79回 80回
ystethait ystethuith ystethesth ystethynth ystetlith ystethålåth ystethysth ystenxhoth ystethweth diðeth
81回 82回 83回 84回 85回 86回 87回 88回 89回 90回
diðethait diðethuith diðethesth diðethynth diðetlith diðethålåth diðethysth diðenxhoth diðethweth pyrðeth
91回 92回 93回 94回 95回 96回 97回 98回 99回 100回
pyrðethait pyrðethuith pyrðethesth pyrðethynth pyrðetlith pyrðethålåth pyrðethysth pyrðenxhoth pyrðethweth gūdeth

100以上の反復数詞は、100以降の基数詞を99以下の数詞に前置することで表現する。

基数詞同様、単独形が下記の通り存在する。

100 gūth 1,000 qænth 10,000 khaffeth
200 xagūth 2,000 xaqænth 20,000 ēkhweth
300 neskūth 3,000 nexhmeth 30,000 neskhweth
400 xhygūth 4,000 xhyxhmeth 40,000 xhynkhweth
500 ligūth 5,000 lixhmeth 50,000 linkhweth
600 åkt'ønth 6,000 åkshænth 60,000 ôkhweth
700 yst'ønth 7,000 yssænth 70,000 yskhweth
800 disht'ønth 8,000 diqqænth 80,000 dīkhweth
900 pyrdønth 9,000 pyrxhænth 90,000 pyrkhweth

10万、100億などの反復数詞を表現する場合、基数詞に-thを接続する。

分数詞

分数を表すために使用する数詞である。潜在体の名詞として機能し、格変化を伴う。通常、分数は分数詞と倍数詞を使用することで表現する。分数詞は基本的に「~分の1」を示す単語である。「~分の2」以上を示す場合、対応する数の倍数詞を修飾することで表現する。例えば「3分の1」はneurhøと言うが、「3分の2」はneurhø p'ødøsとなる(直訳は「2倍の1/3」)。分数は可算名詞であり、「~分の2」は双数形を、「~分の3」以上は複数形を用いなければならないことに注意が必要である。

1から100まで(1番目~100番目)は下記の通り。

1分の1 2分の1 3分の1 4分の1 5分の1 6分の1 7分の1 8分の1 9分の1 10分の1
ūrhø mürhø neurhø xhyrrhø lybrø ågrø yzrø dixhrø pyrrhø daurhø
11分の1 12分の1 13分の1 14分の1 15分の1 16分の1 17分の1 18分の1 19分の1 20分の1
dårhavūrhø dårhåmürhø dårhåneurhø dårhåxhyrrhø dårhålīrhø dårhårhågrø dårhårhyzrø dårhådixhrø dårhåpyrrhø xaurhø
21分の1 22分の1 23分の1 24分の1 25分の1 26分の1 27分の1 28分の1 29分の1 30分の1
xårhavūrhø xårhåmürhø xårhåneurhø xårhåxhyrrhø xårhålīrhø xårhårhågrø xårhårhyzrø xårhådixhrø xårhåpyrrhø nestaurhø
31分の1 32分の1 33分の1 34分の1 35分の1 36分の1 37分の1 38分の1 39分の1 40分の1
nestårhavūrhø nestårhåmürhø nestårhåneurhø nestårhåxhyrrhø nestårhålīrhø nestårhårhågrø nestårhårhyzrø nestårhådixhrø nestårhåpyrrhø xhydaurhø
41分の1 42分の1 43分の1 44分の1 45分の1 46分の1 47分の1 48分の1 49分の1 50分の1
xhydårhavūrhø xhydårhåmürhø xhydårhåneurhø xhydårhåxhyrrhø xhydårhålīrhø xhydårhårhågrø xhydårhårhyzrø xhydårhådixhrø xhydårhåpyrrhø lidaurhø
51分の1 52分の1 53分の1 54分の1 55分の1 56分の1 57分の1 58分の1 59分の1 60分の1
lidårhavūrhø lidårhåmürhø lidårhåneurhø lidårhåxhyrrhø lidårhålīrhø lidårhårhågrø lidårhårhyzrø lidårhådixhrø lidårhåpyrrhø åktaurhø
61分の1 62分の1 63分の1 64分の1 65分の1 66分の1 67分の1 68分の1 69分の1 70分の1
åktårhavūrhø åktårhåmürhø åktårhåneurhø åktårhåxhyrrhø åktårhålīrhø åktårhårhågrø åktårhårhyzrø åktårhådixhrø åktårhåpyrrhø ystaurhø
71分の1 72分の1 73分の1 74分の1 75分の1 76分の1 77分の1 78分の1 79分の1 80分の1
ystårhavūrhø ystårhåmürhø ystårhåneurhø ystårhåxhyrrhø ystårhålīrhø ystårhårhågrø ystårhårhyzrø ystårhådixhrø ystårhåpyrrhø didaurhø
81分の1 82分の1 83分の1 84分の1 85分の1 86分の1 87分の1 88分の1 89分の1 90分の1
didårhavūrhø didårhåmürhø didårhåneurhø didårhåxhyrrhø didårhålīrhø didårhårhågrø didårhårhyzrø didårhådixhrø didårhåpyrrhø pyrdaurhø
91分の1 92分の1 93分の1 94分の1 95分の1 96分の1 97分の1 98分の1 99分の1 100分の1
pyrdårhavūrhø pyrdårhåmürhø pyrdårhåneurhø pyrdårhåxhyrrhø pyrdårhålīrhø pyrdårhårhågrø pyrdårhårhyzrø pyrdårhådixhrø pyrdårhåpyrrhø gūdeth

100以上の序数詞は、100以降の基数詞を99以下の数詞に前置することで表現する。

基数詞同様、単独形が下記の通り存在する。

100 guddø 1,000 qændø 10,000 khaffedø
200 xaguddø 2,000 xaqændø 20,000 ēkhwedø
300 neskuddø 3,000 nexhmedø 30,000 neskhwedø
400 xhyguddø 4,000 xhyxhmedø 40,000 xhynkhwedø
500 liguddø 5,000 lixhmedø 50,000 linkhwedø
600 åkt'øndø 6,000 åkshændø 60,000 ôkhwedø
700 yst'øndø 7,000 yssændø 70,000 yskhwedø
800 disht'øndø 8,000 diqqændø 80,000 dīkhwedø
900 pyrdøndø 9,000 pyrxhændø 90,000 pyrkhwedø

10万、100億などの分数詞を表現する場合、基数詞に-døを接続する。

語法

人称代名詞の省略
主語、および目的語が人称代名詞の場合、多くは省略される。これは、動詞の活用語尾や目的格接頭辞によって主語や目的語の人称が示されるためである。省略されない場合は強調を示す。
  • Urt'øl vui shefys. 私はこの剣を作った。
  • Urt'øl lai vui shefys. 私こそがこの剣を作った。
規範法の場合、主語を示すか示さないかで意味が変化する。主語を示した場合は「〜するべきだ」という義務を意味し、主語を示さない場合は命令文を意味する。
  • Chuzougowa xhigges. 髪を切りなさい。
  • Chuzougowa nenā xhigges. 君は髪を切るべきだ。
コピュラの省略
特に時相を示さない場合、定動詞のコピュラはほとんどの場合省略され、肯定文は「主語(主格)+補語(無格)」、否定文は「主語(主格)+否定接辞 - 補語(無格)」、疑問文は「主語(主格)+補語(無格)+nhī」で表現される。
  • Vatö ulus. ここは王国だ。
  • Vatö k'-ulus ここは王国ではない。
  • Vatö ulus nhī? ここは王国ですか?
  • Vatö ānirlhe ulus. ここは王国だった。(太字はコピュラ)
否定
単語を否定する場合、否定接辞k'e-が用いられる。母音始まりの単語の場合、eが消失しk'-となる。一部の動詞は接中辞-ek'-を用いるか、否定語幹と呼ばれる特殊な形式を使用する。否定語幹の例は以下の通り。
  • dœron「知っている」:dœrk'-
  • emekū「揺らす」:emekk'-
  • fisô「包む」:fisk'-
  • estē「得る」:esk'-
準動詞の用法
ネサルゼルデ語には関係代名詞が存在せず、全て準動詞によって表現される。
  • Ðepōk'ip badrā aða yles. 男が王を殴った。
  • Kāzağøl rui bædus ðephōk'jai aða yle. 私は王を殴った男を捕まえた。(太字は動形容詞)
所有格の叙述用法
所有格を叙述用法で用いた場合、「~のもの」という意味になる。
  • Te gêthū ilhēshirlhe. あの畑は私のものだ。

歴史

ネサルゼルデ語は2020年11月24日に制作が開始された。かつては別名義でエルネス語等の人工言語を作っており、ネサルゼルデ語はエルネス語の特徴をいくつか引き継いている。元々エルネス語は膠着語として制作されていたが、日々新たな語形変化を追加していったことで、徐々に屈折語的な性質を帯びるようになっていた。ネサルゼルデ語はそのような文法を引き継ぎつつ、より複雑で難解な言語を追い求めるため、抜本的な言語構造の変更と語彙の一新を行った。

ネサルゼルデ語の規格は「○代○期」式表記ではなく、バージョン表記によって記録されている。αからRCまでは「エルネス語」を中h心とした言語群、0.X以降は「ネサルゼルデ語」の制作である。バージョン表記を採用したのはRC以降であり、以前のバージョンはRC制作時に後付で付加されたものである。「ネサルゼルデ語」という名前はVer1.Xから採用されたが、2.X以前と3.X以降ではコンセプトや仕様が大きく異なっており、名称は同じだがもはや別の言語と見て差し支えない。バージョン表記は、「語根及び文法の総入れ替え」があった際にメジャーバージョン(1の位)を、文法の大幅な改定や追加があった際にマイナーバージョン(小数点第1位)を、細かな文法の改定があった際にパッチバージョン(小数点第2位)を更新している。

Alpha Version:架空言語「エルネス語」
2017年12月製作開始。公開したことがある言語の中で最も古いバージョンの人工言語。当初は「エルネス語」という名前を用いており、文法やコンセプトも現在と相当に異なるものだった。現在は文法がほとんど失われてしまったが、単語集は完全なものが残存している。
α1.0(2017.12~)
  • 最初に公開されたバージョンの人工言語。
  • 音素としてp, b, m, f, v, t, d, n, r, s, z, x, j, k, g, h, y, w, a, e, i, u, o を持っていた(x, jは後部歯茎摩擦音、yとwは半母音)。流音がrしか存在しない、帯気音・放出音・破擦音が一切存在しないなど、現在と比べて非常に音素が少ないのが特徴的である。発音のしやすさを追求していたため、子音連続は語中に最大2つまでしか立たなかった。
  • 語順はSOV-ANであり日本語に近い。
  • 膠着語として制作されており、格変化や活用はすべて接辞で示されていた。
  • 主格、属格、対格、処格、奪格、向格、具格、様格など非常に多くの格を有する一方、与格が存在しなかった。所有格と属格はまだ区別されておらず、共格・変格も存在しなかった。
  • 動詞は英語と同様、共通する語尾を持たなかった。時制は接頭辞で、相は接尾辞で示されていた。
  • sesta「川」、agufis「城」、bio「世界、世間」などの単語は現在でもそのままの形で用いられている。また、現行バージョンのネサルゼルデ語ではこれらの単語を合成語として解釈することで、新たに語根が逆成されている(例:sesta → se- + sta)。
  • 架空世界の地形はαバージョンから大きく変化しておらず、特に主言語の話者地域は細かな地形を除いて現行バージョンとほとんど違いがない。
  • 文法はホームページ上で公開されていたが、単語は非公開のWikiで管理していた。このWikiはある程度創作が進んだ後に公開する予定だったが、非公開のままβバージョンへ移行することとなった。

Aguanyu Enkipe - Tia zen gudi kipe weripa aguanyuon erunes meopenhen aiempishi. Aguanyurik enfison kurekaguago aifisnen. Aguarik kovivyu geton aiyiizi, xenvivyu omeon se iwiizon aiyiizi. Jodis goonishvyu yeperihaon aidi. Sestavon kevapa aguanyuvyu sestaia xeniizfos jetoripa nisentof ainidinen. Yure niiz airemitananen se iwiismii aitoridinen.
都市国家時代―前700年、多くの都市国家がエルネス大陸に出現した。都市国家の周囲は石垣で囲まれていた。壁の外側には農地が広がっており、内側には家や広場があった。加えて中心には神殿があった。河川付近の都市国家では川の氾濫を利用した農業が行われていた。青銅器が発明され、広く用いられていた。

α1.1
  • 複数形が廃止され、形容詞が修飾する名詞と一致するようになった。
α1.2
  • 古語語根が導入された。現在の単語に古典期の発音を設定し、そこから音韻変化して現在の単語が生まれたという設定が追加された。
    • pinkus「太陽」 ←pernkus
    • zamis「闇」 ←zirmisn
Beta Version:架空語族「Yevi語族」(2018.7.10~)
αバージョンから単語・文法を一新して制作された。エルネス語の祖語として新たに「Yevi語」を設定し、そこから原エルネス語、および古典エルネス語が派生するとした。単語のみでほとんど文法が制定されないまま次バージョンへ移行した。辞書と一部の文法記録が残存しており、このバージョンの動詞の活用法は現行のスドニガーサ語へ引き継がれた。
β1.0.0
  • エルネス語の設定を一旦破棄し、エルネス語の祖語であるYevi祖語の制作を開始した。Yevi祖語の語根はαバージョンのエルネス語から多くの単語が取り入れられたが、全く同じ形ではなく、α単語の音韻変化前の形を想定したやや複雑な音形が採用された。
  • αから音素として新たにl, ch, gh, ú(それぞれ/l/, /dz/, /ɣ/, /ɯ/)が追加され、名詞の格として新たに共格が追加された。
  • 時制接頭辞は廃止され、接中辞・接尾辞で示されるようになった。
β1.1.0(2018.8.30~)
Yevi祖語の娘言語として「原Erunes語」「古Ratr語」の2種類を想定し、前者の制作が開始された。
β1.1.0
「Bionaxuris(ビオナシュリス)語」「Zudnisesta(ズニセスタ)語」の制作を開始した。また、原Erunes語とこれら2言語が混合した言語「古典Erunes語」の制作も開始した。古典エルネス語が3言語の混合言語であるという設定は現在にも引き継がれており、現行の古典エルネス語の借用元言語である「ビェンジェ語」「スドニガーサ語」は、それぞれBionaxuris語とZudnisesta語に相当する。
β1.1.1
言語名称の変更(Bionaxuris語→Binajles(ビナジュレス)語 Zudnisesta語→Neglages(ネグラゲス)語)
β2.0.0
  • 古典Erunes語以外の全ての言語を廃止し、古典Erunes語のみ制作するという方針に切り替えた。同時に混合言語という設定も廃止された。
β2.1.0
  • 感情動詞が導入された。
β3.0.0
  • 言語名称が古典イェルネス語に変更された。与格受動態が導入されたが、現行バージョンでは廃止されている。
β3.1.0
  • 名詞クラスが導入された。ただし人間・有生・有形・無形の4種類(=現 成体・成体・不活動成体・潜在体)しか存在せず、幼体・老体の区別はまだ存在しなかった。
  • 強勢・弱勢による音変化が導入された。
β4.0.0
  • 言語名称が古典エルナ語へ変更された。この名称は現行の古典エルネス語話者である「エルナ人」という名称へ引き継がれている。
β4.0.1
  • 名詞の母音縮化体系が導入された。
β4.1.0
  • 不定数が導入された(参照:バスク語)。
β4.1.1
  • 方向接辞が導入された(参照:西夏語)。
β4.2.0
  • 動詞の人称・数変化が導入された。当時は3人称を人間・動物・その他で区別していたが、この設定は破棄され、名詞クラスによる変化が代わりに導入されている。
RC Version:架空言語「古典エルネス語」
徐々に屈折語的性格を帯びていたエルネス語を改め、正式に屈折語として制作されたエルネス語である。
RC1
  • 2020.4~
  • 新語根による制作が開始された。
  • 名詞クラスとして新たに「不朽体」が導入された。これは「永体」に名を変えて現在まで引き継がれている。
  • 通常の格に加え、格の意味を拡張する「格後倚辞」が導入された。これが現在でも「拡張格」として残存しているが、当時は1つの接尾辞が複数の格に付いていた。また、格後倚辞に導入に合わせて「静格」「動格」なる格が導入されたが、こちらは現在廃止されている。
  • コピュラにはno (通常のコピュラ), afto (一時的な状態を示す), mālo (永続的な状態を示す) の3種類が存在した。このような区別方法は現在、形容詞の恒常・瞬間・永続形として引き継がれている(動詞そのものによる区別は消滅)。
  • 命令、義務、禁止などを全て包括した「規範法」はこのバージョンから用いられ、現在まで引き継がれている。
RC2
  • 2020.4.16~
  • 時制・相体系が大幅に変更された。かつては時制・相のほとんどを語尾が示していたが、RC1以降は「現在語幹・過去語幹・未来語幹」と「現在語尾・非現在語尾」の組み合わせで時相を示すようになった。この手法は現在も「主語尾・副語尾」に引き継がれている。
RC3
  • 2020.4.25~
  • 証拠性が導入された。分数表現に倍数詞が用いられるようになった。
RC4
  • 2020.5.18~
  • 祖語からの音韻変化論が再び導入された。静格、動格は廃止され、α時代の格が復活した。
RC5
  • 2020.7.8~
  • 動詞活用が全て見直された。成体に男性・女性形が新たに導入された。
RC6
  • 2020.8.4~
  • 語根体系、動詞活用が見直された。
NewRC Version:架空言語「古典エルネス語」
RC版から文法を大幅に変更し、より複雑な屈折語となった。
NewRC
  • 2020.8.13~
  • 半母音・母音変化体系が導入された。この設定は後にネサルゼルデ語の根幹の設定である「品詞転換」に活かされた。
NewRC2
  • 2020.8.30~
  • 語幹体系の詳細化
  • CVCV語根の導入(後に廃止)
Release Version 0.X:架空言語「ネサルゼルデ語」
作者名義と言語名を変更し、文法の複雑さを追い求める新たな言語として制作された。当時は最初から架空世界で使用される言語として制作されており、ネサルゼルデ語の祖語である「ネサルゼルデ祖語」が並行して制作された。0.Xは祖語のみの制作である。
0.1.0
  • ネサルゼルデ祖語の制作開始。
  • 語根は子音2つで構成し、間に挿入する母音や半母音、接頭辞や接尾辞によって意味を派生していく方式が取られた。そのため、歴代バージョンの語彙のほとんどが一新され、全く別言語と呼べる体系が生まれた。
0.1.1
  • 名詞クラスが増加した。
0.2.0
  • 法が増加した。
  • 時制体系が見直された。
0.3.0
  • ネサルゼルデ語にてwh, wが導入された。
  • ネサルゼルデ語の母音体系と祖語からの音韻変化が詳細に定められ、17母音体系が成立した。
0.3.1
  • ネサルゼルデ語の動詞の活用形が見直された。
  • ネサルゼルデ語の法体系が整理し直された。
0.4.0
  • 子音交替の見直し
  • 子音交替の体系が見直された。
  • wh, wが廃止され、新たにrh, lh(r, lの無声子音)が導入された。
0.5.0
  • ネサルゼルデ語にて準動詞・準形容詞が導入された。
0.5.1
  • 文法項目の細かな変更が行われた。
0.6.0
  • ネサルゼルデ語にて準動詞・形容詞にも法が導入された。
Release Version 1.X:架空言語「ネサルゼルデ語」
祖語の制作を終了し、ネサルゼルデ語の制作に専念するようになった。このバージョンより音素が格段に増えたことから、転写方法に多種のダイアクリティカルマークが用いられるようになり、それと並行して転写文字をASCIIに限った「簡易式転写法」、およびZpDicの統計のために全ての字母を1文字で転写できるようにした可読性の低い「辞書式転写法」が定められた。
1.0.0
  • 基礎語彙の音韻が一部見直された。
  • 法と時制語幹が見直された。
1.1.0
  • 法と時制語幹が見直された。
1.2.0
  • 2021.5.9~
  • 転写方式が変更された。
  • 基礎語彙の音韻変化法則が見直された(ç→š等)。
1.3.0
  • 2021.5.22~
  • 格変化が見直された。
  • 形容詞限定用法(現:連体用法)の活用が整理された。
1.3.1
  • 2021.8.22~
  • 基礎語彙の音韻が見直された(rVs→bVs等)。
1.3.2
  • 2021.9.1~
  • ネサルゼルデ語にて子音nhが導入された。
  • ngの語頭・語中の振る舞いが変更された(語頭・語中不可)
1.4.0
  • 2021.10.5~
  • 形容詞語尾-irが-inhへ変更された。子音rの割合が多すぎるために行われた変更だったが、Ver3になって再び-irに変更された。
  • 形容詞限定用法が変更された。
1.4.1
  • 2021.10.17~
  • 規範語尾(当初の名称は規律語尾)が変更された。拡張格として依格が追加された。
1.4.2
  • 2021.10.28~
  • 不定冠詞が削除され、定冠詞のみとなった。
Release Version 2.X:架空言語「ネサルゼルデ語」
1.Xバージョンの言語変化の規則にあまりにも不自然な点が多数見つかり、祖語の文法に不完全な部分が多かったことから、新たに1から祖語の文法を見直すこととなった。しかし、多忙により祖語からの制作が困難になったことから、すぐに次バージョンへ以降することとなった。
2.0
  • 祖語の大幅な変更が行われた。
2.1
  • 法・証拠性体系が見直された。
Release Version 3.X:人工言語「ネサルゼルデ語」
祖語からの言語変化を設定することが困難と判断し、祖語の存在しない「人工的な言語」として新たにネサルゼルデ語の制作を開始した。架空世界は一旦廃止され、明確な使途を定めない人工言語として制作を開始した。sesta「川」やwexhet「山」など、バージョンαからの伝統的な語彙が復活した。
3.0.0
  • 祖語が廃止され、ネサルゼルデ語が祖語となった。
  • 過去の制作言語からの借用を含む造語が採用された。
  • α語彙の例:ardu「月」、sesta「川」、wexhet「山」
  • β語彙の例:badu「男性」、psēl「舌」、smīka「魚」、sreita「葉」
  • RC語彙の例:ado「線」、avan「神」、kistem「父」、xārū「集める」
3.0.1
  • 2022.2.27~
  • 名詞クラスとして神体が導入され、動詞の活用に瞬間・永続語幹が導入された。
  • 評価法が廃止された。
3.1.0
  • 2022.6.23~
  • 文法が王幅に改訂された。
  • 文法書の制作が開始された。
3.1.1
  • 2022.6.25~
  • 拡張格として新たに評格が追加された。
3.1.2
  • 2022.7.8~
  • 形容詞の級として新たに同等級が追加され、動詞形態として新たに子音型動詞が追加された。子音型動詞は現在では廃止されている。
3.1.3
  • 2022.7.14~
  • 文法項目として新たに連動詞が追加された。
3.1.4
  • 2022.7.16~
  • 動詞の証拠性として報告性・評価性が追加された。
3.1.5
  • 2022.8.1~
  • 形容詞の級として新たに過級が追加された。
  • このバージョンより文法をGoogleドライブに公開するようになった。
3.1.6
  • 2022.8.4~
  • 辞書式転写が一部変更された(q→č、ʤ→ǯ)。
3.2.0
  • 2022.8.22~
  • 名詞格の新形態として、新たに連用格・前置詞が追加された。
  • 格変化規則が大幅に変更された(番号の変更・-as型の追加)
  • 未然語尾・完了語尾が大幅に変更された。
  • 動名詞・動形容詞変化形が変更された(-aþ, -um, -ir特殊形の廃止)。
3.2.1(※非公開)
  • 2022.8.25~
  • 第八曲用-ul型(現:成不型-ul型)が追加された。
  • 形容詞の級として相対最上級・絶対最上級が追加された。
  • 形容詞の語幹形成が一部変更された。
3.2.2
  • 2022.9.30~
  • 叙法詞が追加された。
  • 動名詞トコ型が追加された。
  • 一部文法内容の名称が変更された(推測性→推告性)。
  • 一部の人称代名詞が変更された。
3.3.0
  • 2022.11.2~
  • 音素として新たに破擦音の帯気音・放出音が追加された。
  • 慣用式・簡略式転写が大幅に変更された。
3.4.0
  • 2022.11.17~
  • 代名詞が改定された。
  • 不詳接辞が追加された。
  • このバージョンより文法をMirahezeサイトで公開するようになった(現在は更新停止中)。
3.4.1
  • 2023.1.16~
  • 綴字・転写法が改定され、辞書式転写法が廃止された。
  • 一部単語の音韻が変更された。
  • 形容詞の文法が変更された(持続性による意味変化・時制が第Ⅶ類と同様の時制から4種類時制へ変更)。
3.4.2
3.4.3
  • 2023.5.5~
  • 名詞に子音型の不規則変化(融合型・語幹の母音消失・語幹の長子音化)が追加された。
  • dal「10」が不規則変化になった。
  • 2023.6.3~:スドニガーサ語製作開始
  • 2023.7.17~:古代ラトロー語製作開始
3.4.4
  • 2023.8.11~
  • 名詞の曲用規則が一部変更された。
  • 第二曲用(現:汎クラス人間型成体)および人称代名詞に処格・奪格・向格が追加された。
  • 第四曲用(現:幼体・老体形)の処格・奪格・向格の双数・複数形が変更された。
  • 第七曲用(現:地点局用)複数向格が変更された。
  • 拡張格の形成法が一部修正された。
Release Version 3.X:人工言語「ネサルゼルデ語」
Ver3から更なる複雑化を目指し、これまで自身が作成した人工言語の文法事項のほぼ全てが盛り込まれた。
4.0.0
  • 有声有気音、唇歯歯擦音、両唇硬口蓋接近音が追加され、子音数が大幅に増加した。また母音も調音位置を4段区別するようになり、大幅に増加した。
  • 文字体系が大きく見直され、
  • 名詞クラスとして新たに亜成体・熟体が追加された。また、サブクラスの概念が新たに導入され、成体・亜成体・熟体はそれぞれ両性・男性・女性を、不活動成体は両性。熱性・冷性を区別するようになった。
  • 名詞の曲用体系が見直され、番号による曲用形の分類は廃止された。品詞転換を行わない借用語彙局用が新たに導入された。
  • 動詞の活用がサブクラスを区別するようになり、活用語尾の種類が大幅に増加した。
  • 冠詞ほか限定詞が名詞の4格・サブクラスを区別するようになり、変化形が大幅に増加した。
  • 数詞の体系がすべて見直され、10万未満がすべて1語で表現されるようになった。

参考文献