役
役(role)とは、一般的に格役割や深層格などと呼ばれる概念に似た、より抽象的かつ簡単な表現である。
ある文が表現する事態における各事態参与者の意味的役割は、語順などによっても標示されうる。したがって、純粋に意味的役割の概念を指示するためには格役割という用語はやや不適切かつ冗長であると考えられ、より抽象的な表現として役という用語が提唱される。
上述の通り、役とは表層(格助詞や屈折形、固定語順など)から離れた抽象的な概念であるため、格などと同列な文法範疇の一つであるとは言えないかもしれない。