ユーフォニー指数

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ユーフォニー指数(Euphony index)は、すきえんてぃあ氏が2017年に考案した指標である。人工言語自動判定とも称された。

概要

すきえんてぃあ氏によれば、その言語が「自然言語らしさ」を持っているかどうかを表す指標であるという[1]

ほとんどの自然言語ではこの値は50以上になり、自然言語であれば100に近い値になるという。一方で人工言語架空言語では50未満になることが多い[2]。このため架空言語が自然言語らしい特徴を持っているかを判定する指標として使われたが、一部の自然言語では低い値になる。例えば中国語やデンマーク語は低い値である。

人工言語であっても、国際補助語を指向した言語の方が高く、架空言語を指向した言語の方が低い傾向が見られた。

一方で、自然言語に近い数値を出した人工言語・架空言語もあり、例えばユーゴック語更紗語ミザソーグ語などが挙げられる(詳細は後述の#値一覧表を参照)。

ユーフォニー指数は、以下の式であらわされる。

ただし

  • α:単語の平均文字数
  • β:語頭2文字が両方とも子音である語の割合(%)
  • γ:子音で終わる単語の割合(%)
  • δ:文章全体における子音字の割合(%)
  • ε:子音クラスタをなす文字数の最頻値

である。

Ver 1.1[3]

Ver 1.2[4]

値一覧表

出典は、空欄の場合は原則としてすきえんてぃあ氏のツイート[5]による。

言語名 自然/人工 ユーフォニー指数 出典 注釈
ベルベル語 自然 28.49
トク・ピシン 自然 51.83
デンマーク語 自然 56.84
ヘブライ語(現代) 自然 60.84
ハンガリー語 自然 62.87
ドイツ語 自然 67.94
クルド語 自然 69.90 [6]
タガログ語 自然 72.63
アイヌ語 自然 79.33
中国語(ピンイン表記) 自然 85.48
ノルウェー語 自然 85.71
チェコ語 自然 86.59
アイルランド語 自然 87.35
オランダ語 自然 89.08
英語 自然 90.17
オランダ語 自然 92.07
テトゥン語ディリ方言 自然 93.55
フランス語 自然 93.63
トルコ語 自然 94.81
日本語(ヘボン式ローマ字) 自然 94.84 97.60という計算結果もある[7]
ビルマ語 自然 95.98
ナワトル語 自然 96.68
スペイン語 自然 96.84
韓国語 自然 97.06
ハワイ語 自然 97.39
ケチュア語 自然 97.41
インドネシア語 自然 97.60
ジョージア語 自然 98.03
ラテン語 自然 98.32
イタリア語 自然 98.38
スワヒリ語 自然 98.49
ヒュムノス語 人工 12.75
クリンゴン語 人工 13.08
アルカ(俗アルカ) 人工 14.34
シャレイア語 人工 15.90
ドラゴン語 人工 26.51
アスガル語 人工 31.45
エルフ語 人工 31.61
エノク語 人工 33.18
ヴォイニッチ手稿 人工 37.09
トキポナ 人工 41.30
リパライン語 人工 45.66
テトゥテ語 人工 47.66
ロジバン 人工 47.88
ノシロ語 人工 50.62
ルルイエ語 人工 69.02
ナヴィ語 人工 81.38
ヴォラピュク語 人工 84.22
アーヴ語 人工 88.29
エスペラント 人工 89.38
インターリングア 人工 92.35
クレリカ 人工 94.37
ユーゴック語 人工 96.41
契絆想界詩 人工 97.70
更紗語 人工 97.78 [8]
暗黒語 人工 97.89
ピース語 人工 98.02
ベクソン語 人工 98.02 [9]
サカル語 人工 98.63
日本駅名語 人工 98.90 [7]
ミザソーグ語 人工 99.17 [10]

批判

この指標は「アルカっぽさ」を判定するという主題から出発して作られているようであり[11]、あくまでも「地球の自然言語らしい特徴を持っているか」を計る指標を意図していたと思われる[12]。しかし、多くの架空言語作者には肯定的に受け止められず、異世界の言語にこの指標を適用して「自然言語らしくない」ということに対しては根強い批判が寄せられた。地球上の自然言語は地球の論理に従うが、異世界の架空言語は異世界の論理に従うものであり、地球の論理に従う義理はないのである。

また、「そもそも創作作品をそのように数値でもって批判するのはどうなのか」という趣旨の批判も寄せられ、人工言語界隈における騒動に発展したようである。

注釈


脚注

外部リンク

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