接辞
接辞とは、単語にくっついて主に文法的な意味を表す形態素である。
接辞が付く相手のことを語基や語幹と呼ぶ。言語や単語によっては、単語の一部を消してから接辞を付ける場合がある。そのような場合は、単語の一部を消した後の形を語基として扱う。例えば日本語の「書く」は、kak-u、kak-anaiのように変化するため、その語基はkakである。
位置による分類
- 接頭辞
- 語基の前に付く。例: 英語のun- (happy → unhappy)
- 接尾辞
- 語基の後ろに付く。例: 英語の-ing (read → reading)
- 接中辞
- 語基の中に挟まる。例: ピース語の-el- (ħez → ħelez)
- 接周辞
- 語基の前と後ろに付く。例: ドイツ語のge- -t (lern- → gelernt)
- 貫通接辞
- 語基のいくつかの場所に付く。例: アラビア語 (k-t-b → kataba, yaktubu)
- 中間接辞 (接合辞)
- 語基と語基の間に挟まる。複数の語を接続してひとつの語を作る。例: 英語の-o- (speed meter → speedometer)
- 畳音
- 語基の全体または一部分を繰り返す。位置による分類ではないが、特殊なためリストに挙げた。例: 日本語 (人→人々)、ラテン語 (spondeo → spopondi)
- 超分節接辞
- アクセントや声調などを変える。例: 英語 (recórd(動詞) → récord(名詞))
役割による分類
派生接辞
元の語から品詞を変えたり、意味を付け加えたり、意味を変えたりする接辞。例えば英語では、形容詞を名詞に変える-ness、意味を反対にするun-などがある。
このように意味を変えて新しい語を作ることを派生、作られた語を派生語という。
屈折接辞
時制や数などの文法的な性質を表し、ひとつの語をさまざまな形に変える。例えば英語では、名詞の複数形を作る-sなどがある。
こうした作られた語の形は語形といい、語形が変わることを語形変化または屈折という。特に動詞の語形変化は活用、名詞の語形変化は曲用ということがある。