格詞
格詞とは、一部の人工言語の文法で使用される品詞名であり、名詞の格を表すための機能語である。
自然言語の文法では格詞という用語は使われないが、日本語の格助詞(~が、~を)などは格詞に相当するものと考えられる。
人工言語に於ける格詞の例
アルカ
与格を表すa/al、奪格を表すi/it、場所格を表すka、時格を表すim、具格を表すkonなどがある。主格を表すsolと対格を表すyulもあるが、動詞との位置関係で主格と対格が区別できるため通常は省略される。
主格や対格を表す格詞を除いては、意味的には英語の前置詞にほぼ相当する。そのため、アルカの文法では前置詞という品詞名は使われない。
なお、アルカの文法に於ける格詞の位置づけは「名詞と動詞との関係を表すもの」であるとされており、名詞同士の所属関係を表すeは格詞ではなく接続詞に分類されている。
カルコレーシュ語
語源的には前置詞を流用したものであり、属格を表すeと与格を表すaþがある。名詞句の先頭に置かれる。主格と対格は動詞との位置関係で区別するため、いずれも無標である。
カルコレーシュ語の文法では格詞と前置詞は区別される。格詞句(格詞+名詞)はかつて屈折語だった(と設定されている)頃の名詞の格変化形と等価であり、文の必須要素となる。一方で、前置詞句(前置詞+名詞)は形容詞または副詞と等価であり、文中では必須要素ではなく修飾要素(任意要素)と見做される。
なお、カルコレーシュ語には直接目的語として属格を要求する他動詞が多数存在するほか、直接目的語として与格を要求する他動詞も存在する。